磁気カードとICカード(B-CASも)の違い

クレジットカードを例に出すと解りやすいのですが もともとカードの裏側にある黒い帯が磁気テープになっています。
これをカセットテープの磁気ヘットのようなもので読み取るわけです。
あの長さですから実は書いてあるデータも僅かで カードナンバーとかセキュリティコードとか程度しか書かれていません。
それを受け取って 通信回線を通じてカード会社に問い合わせて間違いないかを確認しているだけです。
そして、カードに書いてある名前と サインアドが同じかどうかを確認してお支払いとなる訳です。
故に、磁気カードリーダーでカードの磁性体を読み取ってコピーするという手口が出てきたわけです。
まあ、その磁性体の部分に関しても 最近ではカード番号と名前を書く欄に書かれたセキュリティコードの二つで通販では買い物が出来たりするわけで 必ずしも重要な物では無くなってきてはいるのですが・・・・
 
最近、ICカード付クレジットカードというのが一般的になっていて カードの進行方向側の頭の方に金色の電極が見えている訳ですが ここにICが仕込まれています。
このICは何をしているかというと 実は中にはチープなCPUが入っています。
このCPUのお仕事は磁気カードのように 特定のデータが書いてあって読み出せるという物ではありません。
特定のデータを書き込むと それによって生成されたデータを出力してくれるわけです。
このICの中身は実にブラックボックスです。
与えられたデータと出てきたものから中で何をやっているか計算するのは非常に難しいわけです。
もう一つ、各カードには固有の番号があって それも鍵として機能するので カードによって出てくるデータが異なります。
という訳で解読するためには 複数枚それもかなり多数のカードとそれにデータを与えて結果を得る為の仕組みも必要となります。
ましてや、ランダムにデータのやり取りをすると 正しいデータ以外ではランダムな数字を返したりと 偽装しているので正しい読み出し要求がされたかどうかまで解らないと結果も役に立たないわけです。
故に、ICカードによる読み取りで サインのいらないカードでの契約も可能になったわけです。
その上、もしも解読される可能性も考えて 後で暗号の変更などを記録する機能も持っているでしょうから 解読したところである一定期間でその努力も無駄になってしまうわけです。
 
勿論、B-CASと呼ばれるICカードも同様に中身はブラックボックスです。
カード内に書き込まれたプログラムを解析しなければとても中身を探る事は出来ないわけですが 少なくともクレジットカードよりは危険なのは 読み取り利用する機械を個人でまったく登録せずに購入できるという事ですね。
また、複数のカードを入手することも難しくないという比較的Hackする人には環境が揃えやすいという事もあったわけです。
故に、チャレンジする人も少なくは無かったわけです。
ある一定解読が進めばPCに繋いだカードリーダーでチャレンジする事も出来ますし・・・というかPCにチューナーを入れているならそれをトラップする事も出来るわけです。
 
最近、これが解読されたという話なのですが 私は話半分しか信じていません。
解読したのではなく ICカード側のプログラムが漏れたという説を私は支持している訳です。
故に、利用できるカードは種類が決まっているのだという理解です。
今回話題になっているのは、その中でも有料放送の利用期間を勝手に書き換えることが出来たという点です。
具体的にはスカパーなのですが その中でもB-CASの仕組みを使っている方の放送です。
2038年などの先の日付までの権利を書き込めば それまで見放題になるという訳です。
これはB-CASカードを利用して無ければ発生しなかった事態で かわいそうにと同情の余地のある話なのです。

基本的に 何かのデータを投げ込むと何かのデータに変換されて出てくるという仕組みそのものは非常にプロテクトが固く解読されにくく、外部から書き換え可能なので 後で書き換えたりも可能なわけですが 難しいのは複数の暗号カギを持つ仕組みながら 一週間無料視聴キャンペーンなどを行うためにはいくつもの暗号カギは邪魔になってしまうので そのカギを封印したりしているのでちょっと困っている訳です。
 
本来、ユーザーがテレビを見るという行為は何のセキュリティもが必要な作業ではありません。
テレビを置けば見れるのが当たり前みたいなものです。
ここで問題なのは、ビデオの普及の原動力になった コピーして人に見せることが出来るようになったというような点です。
これを許したくないのは インターネットの動画投稿サイトに番組が流出するからなのですが 犯罪と個人の権利をごっちゃにするような判断をするからなのですが まあこkれは別の話ですね。
そのセキュリティ機能の上に、今回の有料放送を持ってきたので 地上波などの本来漏れたからなんだという物で有料放送を守るために使おうとしたので運用上めんどくさい部分を外していたら そこで抜かれたわけです。
 
まあ、海外ではないだろうなと思うのは
まず、テレビのドラマなどのDVDやBDの販売価格が異常に高い事。
アメリカのドラマなどで24のように有名な物でなければ 1話数百円程度で購入することが出来ます。
じゃあ300円と仮定すると 4話入っていて1200円ぐらいが適正価格となる訳です。
それが、1万円を超えることもって 高いと思いませんか?
もっと言うと、同じものをテレビで見たとすると その費用はスポンサーが出してくれている訳です。
じゃあ、頭の中で考えてみてください。苦痛と思っているかもしれませんが 番組の間にやっているCMを1時間番組で10分足らず見ることになる訳ですが 見るか見ないかわからないCMの視聴に解りやすくこのパッケージが12000円とするなら 3000円貰っている事になります。
1分300円スポンサーが 負担していると思えばどうでしょう。で、負担させといて尚且つこの金額を取って売ろうかという話なのです。
それをコピーしなくしたので見たい人は買えと言っても ちょっと と反感が起きるのは無理のない話なのです。
故に、妥協して もっとセキュリティ的に危ない部分を作り出すわけです。
 
ICカードが悪い!」とまたわけの解ってない週刊誌が掻き立てて 汚職だとか天下りだとか始まるのでしょうが まず、構造的にダメな部分を正さなければ
今回の件も 問題は運用する人の側にあったものと思われますし それを利用して解読したひとはHackerとしては まあよくある話ですが敗れそうだから破った程度の意識しかないのでしょう。
問題は運用する側にあって、運用する側は利用する側を無視して 構造的に問題のある状況を押しつけてそれを正しいしいステムで運用したところでどこかに穴は絶対に空くわけです。
それは、理由の無い抑圧により多くの国が滅びたことでも歴史が証明してくれます。
まあ、今回のように暴発する方向に進むときもあれば、「見ない」という方向に進むこともあり 今は両方に進んでいます。
この状態で 作った仕組みにしがみついてもしょうがないと思いますし、いっそのこと地上波デジタルやBSの標準チャンネルはB-CASを使わないとなれば このカードのセキュリティを上げる方法も無い訳ではないのです。
SkyPerfect TV側は契約者情報を持っている訳ですからここに対して新しいカードを送るだけで処理できるわけです。
勿論コストがかかりますが恐らく最も安価に状況を納める手段になるだろうと思われます。
勿論、見せしめで逮捕者を出せば抑制にはなりますが 実は場所の特定などは出来ないために 業者は海外にいって利用者は国際通販で買えばよいという状況は続いてしまう事でしょう。
結果的にどうしてもやりたい人は探してでもどうにかしてしまう物なのです。
 
どうも、今回の件がしっくりこないのは本体大きな影響を受ける側 B-CASで通常放送を見ている側に与える影響も大きいわけですが それは置き去りで有料放送の視聴者というより提供側にのみ問題の被害が集中しているような報道。
この点がしっくりこないと思う訳なのですが・・・・


written by HatenaSync