中国で気になったこの車

香港、シンセン、広州などで見ることはなかったのですが こちらではよく目についた車。

パッと見た感じでは 何が珍しい??といわれそうなのですが よく見てもらうと 前輪が見えないことに気が付きますか??
見た感じではわからないと思いますが 実はこの車三輪車なのです。
 
発展途上国で流行るのは 構造が簡単で安価なもの。
四輪車が作りたくても構造の難しさからなかなかできないのですが 三輪車は比較的簡単に・・・
実際に途上国で走っているのは三輪車が多かったり変形4輪車などが多いわけです。
変形四輪車って何だ??といわれる方もいるかと思いますが これは実はバイクにリアカーをくっつけてそのままはしちゃうというやつはこういう形になっているわけです。
 
じゃあ4輪は何が難しいとなるわけですが
何よりもハンドルが難しいのです。
ハンドルを右に切れば右曲がると簡単に書くと良いのですし、おもちゃの自動車もそうなっているわけですが
すでにミニ四駆でも サスペンションがついています。
これは 単純に左右に切れるだけだと外側の車輪と内側の車輪の方向が同じだとそれが抵抗になってしまうわけです。
で、前でブレーキをかけながら後ろで駆動するとなると前につんのめって後輪が滑ってジャンプするのです。
というわけで、左右をつないで曲げた時にタイヤが寝るような形で左右の角度差を出すわけです。
そして、それを効果的に動かすために 沈み込むサスペンションも有効なのです。
 
最近の車はFFですが そちらも実現しようと思うと これに柔軟に両方のタイヤにつながる駆動軸と 左右のタイヤの回転差を変化させるハブ装置が必要となります。
それを前に全部詰め込むとなると大変な設計何度となるわけです。
で、多くの途上国では
バイクのエンジンをもってきて もしくは耕耘機クラスのエンジンを持ってきて それで後輪を駆動します。
そして、これはサスペンションがなかろうがハブの部品さえどこかで買ってくれば前向きに走る車は出来上がります。
で、前輪なのですが こちらは前述通り大変なので バイクの前輪と同じものをそのままつけると そのまま前向きに走る乗り物が出来上がるわけです。
日本でも オート三輪とか戦前には三輪車が国産自動車のほとんどだった時代もあるわけです。
サスペンションを付けても、タイヤを支える車軸を ばねで抑え込むようにするだけで出来上がりなので構造的には非常に楽にできるわけです。
 
じゃあ、何故三輪がなくなったのか??なのですが
こちらは 車のスピードが上がってきたことが大きな原因となります。
現在の自動車は 4輪で時速100kは当たり前で 軽自動車でも150kぐらいは出たりします。
その際に、ブレーキなのですが スポーツ車などではブレーキの効きをよくするために 車輪の大きさを大きくして大きなディスクプレートを入れて制動力を増やしたりするのですがそれもタイヤのグリップ力があってのこと。
タイヤは横幅が広いものでは30cmぐらいにも達します。
乗用車でも16cmぐらいの幅のタイヤに。
で、この三輪自動車なのですが 前輪のタイヤ幅を広くすると 設置面積は広くなるのですが曲がる際にタイヤを倒すので角の部分を使うようになってしまうわけです。
ゆえに、へん平率の高くない 断面が円いタイヤを使うわけですが 故に設置面積は幅が同じでも狭くなってしまうわけです。
そのうえ、前輪が二輪の4輪車に比べ 前輪が1輪の三輪自動車は半分になってしまうので ある一定の速度重さになると ブレーキをかけた時に前輪の設置面積が足りずにブレーキが利かなくなってしまうのです。
正確には速度を出したり重い荷物を積むと ブレーキが利くのに時間がかかって止まるまでの距離がぐんと伸びてしまうのです。
で、日本では経済成長真っただ中だったこともあり 高速道路もできて高速移動の時代とともに消えてゆくわけです。
もう一つ、カーブで前輪が一輪で腰高な構造なので よくころんころん転がってしまうわけです。
 
じゃあ中国でも過渡期で・・・となるわけですが 実は先日も書いていますが 道路は立派な道路があり BMWメルセデス、日本の車もたくさん走っていて 見るからに100kを軽くオーバーの車たちが。
その中にこのかわいい小さな車が混じっているわけですが・・・・
田舎町をトコトコ走るのは良いのですが 広い国土の国なので びゅーんと走るとなると
馬力もたいしたことはないのでしょうが ちょっと怖い感じはしますね。
 
でも、ちょっとかわいくて
おそらく安いでしょうから 特性もわかって乗ってみたいなと・・・・
ちょっと欲しいかなって・・・・
written by HatenaSync