PSE法と iPhone充電中の感電事故

中国で iPhoneを充電しながら通話していて 感電死したという記事が話題になっているのですが。
日本でも・・・なんて思っている人もいるのではないのでしょうか?
私の個人的な考えですが 日本ではおそらく今のところ起きえないと思っているのですが・・・
 
数年前にPSE法というのが施行されたのを覚えておられるでしょうか?
コンセントに刺すほとんどすべての電気製品に「PSE」のマークの表記が義務化され このマークの入ってない電気製品の販売・製造が禁止されたわけです。
日本のコンセントは100Vなのですが このコンセントプラグや電線にまでその表記がなされているのを見てわかってもらえると思います。
古い楽器などの販売が禁止される事態になり そのあたりが話題になったわけです。
じゃあ、この法律で何をしたかというと色々あるわけなのですが 最も主軸となるのが大きな電圧がかかった時に漏電しないかどうかということをチェックすることを義務化したという点でしょう。
 
電気というのは導体上を流れるので 電線があったり基板があったりしないと流れないという感覚だとは思いますが実際にはそれだけではありません。
例えば、お風呂場で感電なんて言うのが良い例で 水(純水は絶縁体 電解質の溶けた水の意味)を伝った電気が体に流れてなんていうのもその範囲に入りますし
そういう意味でいうなら タッチパネル式のSmartPhoneなんかも タッチパネル状に漏れ出た電気が変化するのを読み取ってたりするので あの表面には微量ながら電気が流れているのです。
必ずしも電線や基板を必要とするわけではなく 電気が流れるもの全般だけではなく 高い電圧となると空気中でも電機は流れます。
見えるものでいうと静電気や雷辺りがそうです。
で、PSEでいうところの漏電は たとえば100Vを1分間流しても漏電しないという基準で 基板上で引かれた配線の間隔が近すぎたりすると規定電圧以上を流すと 配線がないにもかかわらず電気が流れたりすることがあるわけです。
 
今回のiPhoneの事故なのですが 伝え聞く話によるとサードパーティ製の充電器を使っていたらしいというところまで伝わってきているのですが
海外のこういった充電装置などは 前述のPSEの規格を満たしてはいません。
ちなみに、iPhoneに付属している充電器でいえば勿論その基準を満たしています。
その充電器を利用していて 過度な電圧がかかった時はどうなるでしょう?
過度な電圧?と不思議に思われるかもしれませんが じつはこれもない話ではないのです。
 
発電所があって変電所を通じて家庭に電気が贈られるわけですが 電気は見えないので水で話をすると
家庭に来る水道管なのですが 太い水道管で来て 各家庭に振り分けられます。
水を出すところから近ければ良いのですが 遠いとどうしても水の勢いが落ちてしまいます。
故に途中にポンプを追加したりするわけですが それでも、みんなが一斉に水を使うようなことがあればやはり水圧が落ちてしまいます。
昔、家の前に水をまいて いわゆる打ち水をして 涼しくしようということを町村単位でやったことがあって 時間を決めて一斉に・・・としたら 全体の水圧が落ちて・・・となったことがあって中止になったわけですが
水を全員で使うと足りなくなって水圧が落ちてしまいます。
実際にはそういった事態はないので 時間的によく使う時間はあるものの それ以外の時間は結構まんべんなく同時に使わないので何とかなっているわけです。
電気もそうで ある程度使われているという前提で流す電気を流す量を決めているので たとえば省エネで工場の電気を一斉に減らすなんてのを突然やると その周囲で電気が余って電圧が高くなったりするわけです。
水道でも 突然水の勢いが強くなったりすることがあると思うのですがそういった状態です。
この範囲を日本では厳格に決めているので 105Vには到達しないようにコントロールしているのです。
これは発電も送電も協力して 非常に綿密にコントロールしていることによって叶えているので 私が送電の分離に反対している所以は こういったコントロールが効きにくくなるので分離することで電気の品質が低下することを恐れているからです。
 
事故が起きた中国なのですが 残念なことにPSE法に該当する法律がありません。
そのうえ電気のコントロールも日本の様に細かくコントロールできているわけではなく(というか日本が世界では異常なレベル)電気の使い過ぎなどですぐに電圧低下したりするわけです。
低下しすぎると 電流量を確保できなくなるが電気の要求が激しくなり ホースの口を絞ったような状況となることがあり 水で分かると思いますがホースの口を絞ると勢いはあるが水の量が減った状態となります。
そういった形で 私も見たことがありますが 通常220Vぐらいの電圧が600Vぐらいを簡単に越えてきたりすることがあります。
PSE適合の器具においても100V1分とかなので 1分を超えて何十分となると 飛ぶかもしれないレベルですが、それすらしていない状況だとその電気があちこちに流れても仕方のないレベル。
例えばACアダプターには5Vが来るはずが漏れた電気の700Vが流れたとすると、そしてボディ全体が金属でできたiPhone5を持っていて 耳にくっつけて通話していると その電気がそのまま耳のあたりから頭まで突き抜けて・・・・
となると死んだという話も 一概におかしくはないと思うわけです。
中国では家電製品が壊れやすいというのは家電製品の品質だけではなく、電気の品質による部分も少なくないのです。
 
日本は大丈夫!!と今は言えると思うのですが
例えばめがそーらなんてのがたくさん建つと その電気の制御は発電所任せではできなくなるわけです。
太陽光発電の電気が増えたので発電所から供給する電気を絞って・・などの制御がより一層大変になるのです。
突然、大きな雲が・・・となって 急激に電気が減る可能性もあるわけです。
ましてや送電分離すれば 明らかに質は低下するわけです。
それでもベースが100Vだから死人は出ないでしょうが 今後200Vのほうが効率が良いので 色々と200Vに移行すれば 単なる漏電ですら死人が出る可能性があるわけです。
安いから 中国製のPSE対応していないサードパーティー製を使っていると電気の品質が下がれば 同じような事態になる可能性があるのです。
通販などでそういった種類の製品を見ることも少なくないわけです。
実は法律違反ですが取り締まり切れないというのが実情でもあるわけです。
その表記があったとしても 印刷はされているが実は適用されていない製品なども少なからず今までも見てきました。
外観からわからなければ 調べるのは大変なのです(何もしていないわけではなく 試買テストは常時やってます ただ、追いきれないだけです)
 
いずれ日本でも・・・と言う可能性があるものでもあるわけです。
一応、補足するなら リチウムイオン電池PSEの範疇と最近なり ある一定サイズのものとなると守られているその表記が必要なのですが そこもサードパーティー製が・・・・
written by HatenaSync