プラス WiMax

KDDI携帯電話キャリアであるAUなのですが、二年ほど前に+WiMaxと言われる端末を発売した。
 
WiMaxは3Gの通信量の規制を回避すること、通信速度を上げることを目的としたものです。
WiMaxは40Mとかなり当時では高速な通信だったわけですから。
ただ、これは初期のLTE端末でも言えることなのですが 通信チップを別に持っていて複数の通信チップを稼働することになるために バッテリーの餅という意味ではつらかったのです。
必要なときのみ起動するアプリケーションを入れてみたりと対策を立てたわけです。
実際のところWiMaxの通信エリアが微妙だったことも手伝って、WiMax接続がぎりぎりのエリアで通信に失敗した事と iPhoneの導入に合わせて LTE網を展開して速度的優位がなくなったこともあり 自然と消えていったのです。
 
最近の噂で Galaxy S5のAU版が WiMax2をサポートするという話題が出てきたわけです。
WiMax2そのものが 通信手段としてあまり表舞台に上がらなくなっているいま 何故今頃こんな端末が・・・なのですが。
一つは KDDILTE Adovanceの展開の遅れで 150Mの通信速度をすでに提供しているDocomoやこれからの基地局展開を見越している Softbankに比べてどうしても足が遅れてしまうAUが110M(現時点で)の通信をバンドルした端末で後れを打ち消したいという面が少なからずあると思います。
で、もう一つ 会社経営の問題で UQ頑張ってもらわないと・・・というKDDIグループとしての問題もあるのでしょう。
現在ではWiMax+WiMax2+LTEというトリプルのルーターが主力商品となっているわけですから・・・
 
じゃあお客に対してどうだという話ですが
微妙な感は否めません。
WiMaxがプラスされたという点においては その問題点は前述通りでいまさらリメイクしてもこれが競争力の一端となるとは思えないわけです。
WiMax2に関しては 今のところエリアがそう広くなくて・・・という問題もありますが LTEで月7Gの通信量の規制が WiMax2に対してもあり 発売してみないとわかりませんが 7G+7Gになるのか 合計7Gになるのかという問題があります。
でも、よっぽど使う人でなければ超えないようですし 逆にそんな人は多くないと思われます。
それにめんどうくさいからLTEだけで・・・・のほうがはるかに多いと思われますし そんな難しいことわからない +500円(WiMax時)はいやだという人も。
そんなにメリットがなければ・・・
 
ところが、私個人としてはなるほどと思う点も無きにしも非ずだと思っています。
一つは AUがではなくSamsungの立ち位置です。
iPhoneの人気は アメリカおよび欧州では下降傾向にあります。
日本では・・・・なのですが ですが 世界的な販売台数は増え続けています。
これは iPhoneを提供するキャリアを増やし 世界中に販路を広げているからです。
同様に、Samsungの新しい市場の確保として 中国に注目していることは自明の理なのです。
で、中国を見ると 通信方式で問題があるわけです。
新世代の通信方式として TD-LTEを進めているのですが これは日本やアメリカで採用されている LTEとは少し違う規格となっています。
で、このTD-LTEなのですが WiMaxの進化系として登場したWiMax2の策定時に 大きなスポンサーだったIntelの諦めによって先が見えなくなった時に比較的親和性が高いということで WiMax2の最終形はTD-LTEと非常に近いものとなり 相互の通信を可能にするという形で落ち着くわけです。
なので、Samsungとしては WiMax2を睨んだ端末を作ったというよりは TD-LTEつまり中国向けの高速通信向けの端末の開発を急ぎたかったということではないかと想像されるわけです。
それをたまたまAUが採用したという形になっているのではという想像なのです。
端末の低価格化で勝負と言っていた先日の発表の意味も納得のゆく話となるわけです。
そして、iPhoneより早くTD-LTE端末を中国で出すということも大事な戦略となるわけですから。
 
ではAUとしては・・・なのですが
UQに割り当てられた電波資源というのが けっこう貴重なわけです。
できればこれも 国内のLTEの網に取り込んでともしたいのでしょうが 流石にそんなことをすれば せっかく得た電波資源を総務省に取り上げられてしまうのです。
それでは辛いのですが、TD-LTEを使うということであれば WiMax2だと主張し続ける限り今のままの展開は可能なのです。
電波の帯域を増やすということをこういった形でなら今後使えるというものなのです。
だとすれば新たに入手する電波資源と一緒に KDDIグループとしてお金を出してでも進めたほうがよいという考え方もあるわけです。
そして、世界の情勢から 今後中華端末が市場の多くを占めることを予想できるわけですが それらの端末の早期の導入 現地国そのままのTD-LTE端末を安価で簡単に入手できるようになれば AUとしての端末ラインナップも DocomoSoftbankの追いつけない展開として進められる可能性があるわけです。
Softbankは追いかけてこれる資産は持っているわけですが・・・・
 
いまだ、想定できる可能性という予想ですが この辺りは政治的な駆け引きも含めて 面白くなればいいなと思っていたりするわけですが・・・