ホルモンを食べてきた

昨日はホルモンを食べてきた。
 
大阪では ホルモンという言い方をするのですが 焼肉屋さんとホルモンやさんは区別されている場合がある。
私の家の近くには少なくとも別の店として存在するところもあるのだ。
ホルモンそのものは民間の伝承では 「ほるもん(捨てるものの大阪弁の言い方)」から命名されたといわれていて、戦後の動乱期に食糧不足の折に本来捨てていた牛の内臓を何とか食べる為の技術として発生したもので 当初は臭みなどの多い部位なのでおなかを満たすためだけに食べられていたようだが 長い年月のうちにその処理方法も徐々に確立してきたようです。
臭みがなければ その豊富な食感と胃や腸の部分が多いことから 表面積を増やすために作られた襞の部分など タレが染み込みやすいなどの利点もあり 逆に新しい食べ物として紹介されていったわけです。
まあ、全国区になったのはここ20年ぐらいなのだが 子供のころからこの地区に育っている私には子供のころから食べている馴染みの味なのです。
 
ご近所の店なのですが
「生ビール大」のあるお店で 重たいぐらいのビールジョッキを片手に カウンターの上に炭火の入った七輪を置いて 焼きながら食べるという昔ながらのスタイル。
まあ、違うのはファンが上についていて煙は上にちゃんと吸い取ってくれるぐらいのことだろうか。
 
カウンターに座ったのは大当たりで
カウンターの向こう側では 私の頼んだ肉を処理してくれている。
ご近所の噂なのだから詳しくわからないが 近くにある高級焼肉屋さんと同じオーナーのお店で そこで一頭買いの肉の内臓などがこちらには来ているのだという事だ。
だから、ロースやハラミなどもあるのだが 今回頼んだ特ハラミなどは 蕩ける様な素晴らしいお肉だったのだが形は細長く高級店で出てくるそれとは違ったのだ。一皿 6切れで一人前で1300円程だ。
値段と肉との比較でいえば考えられないレベルのお肉だった。
 
ホルモンじゃないといわれそうなので
今回こてっちゃんなども頼んだのだが 本当に臭みがなくおいしい
見ていると、先ほどのハラミもそうだが 注文したら元の肉の塊から今回皿に盛る分だけを切り取る。
ハラミなどは周りの油などを切り落としてゆくと 小さなビニール一杯分ぐらいの切り落としをしている。
こてっちゃんもそうで 細かい端っこの部分や 筋のつながった部分に包丁を入れるなど めんどくさい包丁を何度も動かしている。
そして、お皿にニンニクとごま油など肉に合わせた 薄い下味をつけて 私のテーブルに。
だから、火にかけても焦げる部分も少なく きれいに焼けるし味も臭みのない本当の肉の部位の味が楽しめるのだ。
 
今回初めて食べておいしかったのは「あご」だった。
これは、焼き肉とかホルモンと科に分類してよいものなのかはよくわからない。
もし、これを普通のお店で出されたのなら 見るからにくず肉と評価しただろう。
見た目は明らかにそうなのだ。
牛のあごの部分についた わずかな肉を丁寧に削いで作る部位で 例えて分かりやすいというならビーフジャーキーをイメージしてもらいたい。
あの干し肉のように 切れ刃時の肉が生の状態で皿に盛ってある。
これを網で焼くと 簡単に言うとビーフジャーキーそのもののようなものができる。
色も濃い肉なので そう見えても不思議はない。
これは、全く何もつけずに塩に付けられて処理されているので 焼いてそのままいただく。
焼きあがってもしばらくはそのままなので網の端のほうに寄せておけば良いのだ。
で、この味なのだが 赤みの肉の味がギュッと凝縮されたような味なのだ。
そして、それに合わせて強めの塩味。
ビーフジャーキーのように細く薄い肉なので 口の中に入れてもすぐに食べることができるし 暖かくなにより柔らかい。
もぐもぐとしていれば すぐに砕けてゆく。
そして、それで ビールをぐっと飲むと・・・・
これ以上の ビールのあては無いと思えるような部位なのだ。
 
もし、近くに来ることがあれば是非案内してあげたいと・・・・
そう思える おいしい体験でした