ハズキルーペを入手した

 

ともあれ、まだまだ暑くてどうにもならない頃の話だが なぜか今頃書いている。

 

ハズキルーペは拡大鏡である。

いくつか持っているのは 焦点距離を稼ぐために目からの距離を遠くしてまるで防止のつばの先っぽのようなところにレンズのついたタイプが普通である。

これは ひたすらレンズの問題であった。

これはレンズの歪みの問題。

人間の目はアナログな感性でできていて 非常に大雑把にものを見ているのだが歪みに対して非常に強い感性を持つ。

例えば横に伸びるまっすぐな手すりの端っこがレンズ越しに見ると少し曲がって斜め向きになっていると ほんのわずかでも気が付くのです。そして、器楽だけならともかく「気持ちが悪い」という感覚に陥り長らくつけておくことができなくなります。

前述の 目の近くにレンズを置くということは 目は動くので120度ぐらいのどの方向を見てもそれなり歪まないように見えなければいけないという難しい課題となる。

目との距離を置くのは レンズの範囲を狭くとることでせいぜい数度しか目の角度が変わらなくなることにしてそれ以外をレンズ越しの範囲から外すことで歪みを感じさせることがなくなるのだ。

じゃあコンタクトレンズはとなるのだが コンタクトは目と一緒に動くので角度の変化は基本的にないのだ。

眼鏡の場合も 局単に端の方は度が強くなればなるほど歪んでしまうので 慣れなければ頭痛を伴う気持ち悪さがあるわけです。これは 多種多様なメガネフレームに合わせるうえでもある程度しょうがない部分でもあるわけです。

 

そして、あとはレンズの価格の問題となり 比較的高価な部品であるレンズは大きければ当然高くなることから 小さく効果的に使うためには距離を置くのは悪い選択ではない。

小さければ安くなるので できるだけ小さくしたいとなるのはおかしな話ではないのだ。

ゆえに・・・・・というのが結論だったわけなのだが じゃあハズキルーペは何なのだとなってしまうのだ。

 

デジタル一眼レフと呼ばれるカメラは 交換式のレンズを持っていて 交換して違う効果の写真を撮ることができるわけですが 近いスペックのレンズでも価格が10倍ほども違うものがあったりするわけです。

その価値に関しては多くの人が熱く語るのでその方々に任せるとして 同じような丸いレンズでも作り方や材料で別物といえるぐらいの差となるわけです。

で、簡易的なものといっていいのか SmartPhoneでも「それらに匹敵する」なんてキャッチコピーのSmartPhoneがたくさん登場しているのだが これらのレンズはというとデジタル一眼レフのガラスでできたレンズと異なり 多くは樹脂でできたレンズでできている。

ガラスのものがないわけではないが、本体の軽さが重要なSmartPhoneには樹脂レンズとの相性がいいわけです。

ガラスは密度が高い組成のものを少しづつ削ってできているので重くて透明度が高くできています。

それに対して樹脂のものは型に流し込んで量産可能なのでコストは低くなるわけですが 場所によって密度が違ったりすると削って整える段階で厚さが安定しなかったり屈折率が変わったり 熱がかかると変質するので 長い時間磨くことができなかったりと難しい部分があるわけです。

それでも、これだけのSmartPhoneが出荷されているわけですから 数を作るので技術の進歩も早いわけです。

本体をできるだけ薄くするという要求もあるので 理想よりも薄いレンズで同じ効果を得られるように等通常のガラスレンズではあまりない要求もあったりするわけです。

故に、二次曲線のような曲線ではなく 複数の曲線を組み合わせたレンズなども作られているわけです。

それらの技術で考えれば 場所によって曲率の違うレンズの設計なども普通に出てくるわけです。

車のヘッドライトがそうで 昔の丸形が今では四角いもののほうが多くなっているのですからその進歩は恐るべきものなのです。

さっきの見るが所が変わったら歪むというのを徐々に違う性質のレンズになるような曲面の計算をコンピューターで可能にし 歪んで見えなくなるようなものを生み出したのです。

そして、それを形にするだけの 樹脂レンズの技術が新しい拡大鏡を生み出したのでしょう。

 

かけてみると思うのですが 一番度の低いものなので視野が広く 車に乗る時の遠くを見る用の眼鏡の上にかけても60~70cm離れたPCのモニターの文字が普通に見えます。

普段はPCように度の低いレンズに変えているので その状態に比べたら格段なのです。

そして、周囲が比較的見えるので かけてても疲れにくくできています。

多くの人に適用するように大きめのレンズのおかげで眼鏡に比べて視野が広くなっていることも効果を高めているのでしょう。

ですが、眼鏡をしていると眼鏡の視野を超えると眼鏡なしのハヅキルーペとなり全く見えなくなるので視野角の拡大は私にはほとんど効果のない機能となっています。

 

同じように1000円ぐらいで売っている「もどき」も持っているのですが これは全く違う種類のものです。

正面こそ同じぐらいの拡大鏡なのですが 少しでも視線を動かすと全く見えなくなります。

虫眼鏡で新聞を読んいるように読んでいるところを虫眼鏡で追っかけるような見かたが必要なのです。なまじ、レンズが大きいだけに見えそうな気がして目線が動くだけにたちが悪いのである。

目が泳いでしまって 全く使えないもので 周りに黒いテープを貼り 見えるエリアを絞ってようやく使えるレベルのものでした。

そういう点では やはり正しく作られているハヅキルーペは素晴らしいのである。

 

じゃあ日常遣いにとなるわけですが 実際にはPCの前に固定されている仕事なら良かったのですが 何かあるとすぐに立って歩いて動く私の仕事では以外にかけ外しが多いことに気が付かされました。

もちろん、SmartPhoneの液晶交換や木を削ったりというときには無くてはならないレベルで使っていますが 普段はというと・・・・

樹脂の成型でできていて、やはり眼鏡よりは遠いところにレンズがあるので(そもそも近ければ眼鏡と一緒にかけられないのだが)折りたたんだときは普通の眼鏡の二倍の厚みがありカバンの中でのおさまりも悪い。

ただ、これが普及価格でできるということはいろいろなものに期待が持てるということですよね!!