Mark Droneは万能か?

Mark Droneにて小型化できるきっかけとなった部分が センサーの集約で、多くの処理を光学センサーに頼っている。
では、これですべて大丈夫なのかというとちょっと疑問がある点だ。
FaceBookでもいろいろと話題になっていて、これはダメかもしれないという意見が少なからずあるわけで それを知らずに脳天気だと思われるのも 癪なのでちょっとだけ書いてみよう。
 
自動運転技術においても、二つのカメラに超音波センサーのミックスが最低限のライン。
レベルによっては カメラ一つのもあるので Markはこの分類に入る。
では自動運転での複合センサーの有用性の意味を考えれば欠点もおのず見えてくるわけです。
複数のカメラを持っての部分は 人がなぜ目が二つあるのかを聞くようなもので 二つあればそこから正面の物体までの距離が測定できるからです。
Markは超広角と言っているカメラを本体前部に一つ置いて、撮影用の4Kカメラを正面に持っていて おそらく下の超広角カメラのみで姿勢制御をしていると想像しています。
MarkのPR動画ではおおよそ30度ぐらいの角度の画像を見ているかのように表現されていますが おそらく120度から180度の間ぐらいの広角をこのカメラでとらえているはずです。
最初に書いているように 一つのカメラでは距離はわかりません。
複合的に超音波センサーを付けたとしても50mの高度に上がると超音波センサーの範囲を超えるので使えません。一つ目では距離もわからず 画像の解析技術でも想像はできても距離はわからないわけです。
簡単に言えば、写真の看板にぶつかてしまうわけです。
他にも、光学式カメラの特性で 明るすぎる方向に向かった場合画像が見えないとか、暗すぎるとそもそも映らないとか 雨が降ったら見えないとかいろいろあるわけです。

ただ、できることはたくさんあります。
私の書き込みのコメントにもあったのですが、「ホーム(出発地点)に自動で戻れないのではないか?」というものです。
GPSがある場合、元の地点は衛星からの情報で特定できるのですが MarkはGPSを搭載していないのでそれはできないのです。
なので ホームに戻るボタンを押して自動的に帰ってくるとかできないのではないかというものです。
ですが、私は可能だと思っています。
Markには、経路を記録する機能があります。
超広角カメラでとらえた画像をもとに、動いて経路情報を記録してそれを逆戻りすればホームに帰れるからなのですが ここで疑問が起きないですか?
斜め前についているというカメラの場合、行きと帰りと本体の方向が違うとカメラが見る方向が違うのです。
行きと同じ画像は存在しないのですが ここで画像処理の技術が生きてくるわけです。
真下の部分の景色の特徴的なものをとらえて記録しているので それと一致するものが記録されていた場合 それに合わせることができるわけです。
故に逆に戻るということも理論的には可能となるわけです。
同様にというか ジェスチャーコントロールなどに関してはどのドローンよりもより正確に捕まえることができるはずです。
 
「スピードが遅すぎる」、「16Gではメモリーが少なすぎるはずだ」というのもコメントとしてありました。
スピードが遅いのは恐らくですが 画像処理をして映像をオブジェクトとして捉えるのに速度の限界があるだろうことが想像できます。
GPUの性能を生かして 処理できるはずだという意見もあると思いますが このバッテリーで20分飛ばすためには 少し出力を落とす必要が排熱の問題とともにあるはずです。
Dobbyも夏の暑い日には 一度飛ばすとすぐにもう一度は暑すぎて無理ですから。
で、ストレージの容量ですが 行程を記録しているとすれば 最低でも20分間画像を撮りっぱなしにする必要があるわけですが これも画像状態で記録されているとは思えません。
カメラで撮影した画像を ある程度モデリングしたものとして捉えて比較しなければ処理が追いつくとは思えませんし その際にストレージの読み書きが4K動画の撮影と同時にするには処理として重すぎるからです。
どのレベルまで地形などをオブジェクトとして捉えているかわかりませんが、詳細にとらえていては 一つのCPUで4K撮影を同時にこなすことは難しいと思われるわけです。
このあたりのレベルがどれぐらいのところでバランスさせているかは興味のもたれるところです。
既に、デモ機は動いているので この速度でこれ無頼のメモリーがあれば何とかというところなのでしょう。
ただ、1回飛ばすごとに 容量的には8Gも動画用に割り当てられてないと思うので ストレージから動画を抜き出す必要が出てきそうな気もします。
 
明るさの問題として、おそらく室内で電気をつけて飛ぶ程度が最低照度となるでしょう。
超広角レンズでF値は稼げていると思うのですが それは周りから集めた光で稼げているだけで 特に真下などは暗くて画像処理に向かないレベルの画像を返してきているのではと思います。
シャッター速度を落として処理すればと言ってくれた人もいますが シャッタ速度を例えば30fpsの動画だとすると 1/60ぐらいが最低となります。
フラッシュを光らせるときにカメラが固定されるシャッター速度ぐらいで 暗いところでも大丈夫なほどのシャッター速度ではありません。
これを、GPU増感処理するとか HDRでほかのフレームと混ぜ合わせるとなると それこそCPUパワーが大きく消費されてしまいます。
価格的にUS$200ちょっとなので SnapDragon845とかのハイエンドを使っているわけではないと思うのでそこに限界があるはずなのです。
花火の写真を上空から取りたいとかは恐らく無理なのではと思うわけです。
 
ドローンのQuadコプターとしての姿勢制御はトイドローンが千円台で非常に安定した飛行をするのですでに確立している技術なのでしょう。
あとはその先をどう制御するかのソフトウエアーの作りこみの比較となってきているわけです。
そういう意味での Markは期待の星で ぜひ応援したいと思うものの、実際のところ作っている人たちの力量は今のところ不明で 提供されるスペックも動画も僅かなもので 質問にもほとんど答えてくれていません。
それ故に、参加したくないという人も グループを荒らす人もたくさんいます。
もっといいものがあるというのもわかります。
ただ、現在間もなく6月で7月末〜8月には出荷できる状態だという このDroneは期待できると思っているのですがどうでしょうね?