人の精度と機械の精度

最近、ホームセンターで2000円ぐらいで売っていて 便利だなと思ったのはレーザー距離計。
これはレーザーを発信し その反射を受信することで距離を測る機器です。
おおよそなのですが15mぐらいのものが安くて高いものは50mぐらいまで測定できたりします。
理論的にはというか 本当に高いものは200mぐらいまで計れたりするのです。
実際には月と地球の距離もこれの大掛かりなものを月に反射鏡を置くことで測定しているわけですから非常に便利なものなのです。
家の天井の高さなどを測ったりというのは壁のないところでは非常に難しいので本当に便利な機器です。
 
実はこの機器なのですが 精度も非常に高く良いのですが なかなかに問題の多い機器でもあります。
例えば、天井の高さを図ろうとしたとき 地面において天井までの高さをと言いたいのですが 安価なものは非常に小さく 地面に立っているというっても手を添えてないとこけそうなレベル。特に絨毯の上だと軽いことも手伝って立ってられなかったりすることも。
お風呂場などではそもそも地面が平らでないこともあり 斜めの距離を測ってしまうわけです。
同じ高さでも1度角度をずらすと数センチのずれはすぐに起こるのは画面を見ていると明らかで 置いた状態ですら数値がパラパラ変わったりします。
どうやって垂直を取るかというのが大事になってきます。
機種によっては角度計がついていて 表示されて垂直を保とうとするのですがそれほどにも精度は高くなく自動で垂直を保つジャイロがついたりするわけです。
ただ、壁から壁となるとジャイロも働かないので手動での操作になるわけです。
 
また、15mの安価なタイプは良いのですが 50m 100mのタイプとなるとそもそも図りたい場所が合っているかの確認が目視では難しいのです。
レーザーを照射したときに現れる点はレーザーの最も良い特徴である直進性の強い光であるおかげで1m先も100m先もその点の大きさが変わらないわけです。
単純に光っているとはいえ 100m先の1mmにも満たない点がしっかり視認できるのかという点にこそ問題があるわけです。
たとえ視認できたとして 当たっている先が出っ張っている部分なのか 平らな計らなければいけない部分かという点に関しては 先日も書いたのですが100m先の距離感というのは周りの状況で理解しているだけで 識別できているわけではないのでわからないわけです。
200mとか測定できる高価な機械は 機器の先端にカメラがついていて表示板がカラー液晶で当たっている点をズームして見れるようになっていたりします。
当たっている点が正しいかを 望遠鏡でのぞいて確認する機能がついているというわけです。
機械の精度が高くてものいい例で 短距離ならともかく長距離で使うにはちょっとしたというよりも能力が必要な機器なのです。そして その補助を機械にしてもらうというわけです。
 
先日からいくつか買って レビューしたのですがジンバルという機器もその一つです。
あくまでも人がしっかりカメラを支えているなら必要のない機器で どうしても上下左右に揺れてしまう軸が大きくは三つあるので 揺れを感知して補正してくれます。
もちろん、カメラが軽くなったことによって 手の揺れを誘発しやすいという問題もあってなのですが 最近では重たい一眼レフカメラ用も登場してきています。
 
人は全ての機能を総動員して 例えば歩いているときに自分が上下に揺れているとは感じていないのですが 実際は歩きながら揺れています。
ジンバルのように眼球が上下左右に動いたり 頭の中で揺れを補正して揺れていないと思えているわけなのです。
なので 補正されていないカメラを持つと揺れるわけです。
例えば走っているときのように補正が間に合わない事態になっても 揺れのピークとなる足をけりだす瞬間や着地の揺れの瞬間を 意図的に切り離して構成しまるでそれがなかったことのように思わせる機能がついていたりと 人の脳は複雑なのです。
それを機械に求めると 例え暗い夜道を走る絵を取ると 揺れもですがシャッター速度が遅いために流れた画像となって見れないものになってしまうわけです。

最近のAIと呼ばれる人工知能はそういったことを理解し始めています。
少し前にはファジー理論という いい加減ゆえにうまくいく部分をクローズアップするマーケティングが流行ったのですがまさにそれがこの部分なのです。
ただ、いい加減なのではなく 精度の高すぎる機械と人間の間のギャップを埋めるという非常に重たい処理をさせるというのが本来の意図なわけです。
精度を落とすのではなく 出来上がったデータをより分かりやすく表現することなのですがこういう部分こそ時代の変化を感じさせる部分ですよね。