UMPC感

すでに、UMPCという言葉が死語になっているので 一応説明すると ウルトラモバイルPCの略なわけです。
過去からこのジャンルには多くの人たちが挑戦し、そして散っていったわけです。
画面サイズが4インチ超のPCというものを恐らく想像できないとは思うが、そこから7インチぐらいまでのPCのことを言う。
4インチの画面でPCが使えるかということなのだが、VGAと呼ばれる640*480の解像度で4インチと、7インチでFull HD+の解像度なら実はそれほど変わりはしないのだ。
変わったといえば、文字のサイズが同じサイズになるようにPCの設定で 画面の拡大率を変えれるようになったことぐらい。
過去には文字サイズの制限は 1文字16x16ドットもしくは24X24ドットで一つの文字が表示されるので 前者では40x30文字が表示限界、後者ではなんと26x20文字で原稿用紙一枚分程度しか表示できなかったのです。
ところが液晶の解像度が上がって、目で見たときにちょうどの大きさの文字サイズを基準に文字のドット数を決めるという風になってきたことによるものだ。
実際、ファームウエアのアップデートなどでSmartPhoneの液晶画面に読めないほどの小さい文字が並ぶのをっ見たことがある人がいるだろう。
あれが昔の文字サイズだと思ってもらえばいい。
 
ウルトラモバイルの方向性としては二つあって、小さく軽くと王道を行くものと、薄く軽くと進むもの。
薄く軽くは画面サイズが大きいので まるでノートPCを軽くしたかのように使い勝手を比較的犠牲にせずに成立し、王道の小さく軽くは小さく自他分だけ画面も小さくなって普通のノートパソコンと同じ使い方ではなく 独自の使い方を追求する方に走ってしまいます。
もう一つ、確かに薄く軽くは使い勝手をスポイルしにくいのですが 同様の商品にタブレットがあります。
キーボードが外れないものが薄型軽量PCで外れる もしくは無いのがTabletでは差別化が計りにくく そもそもTabletの多くはタッチ操作メインのOSが搭載されていて 並べてみると使いにくTabletという評価が少なからず起きてしまいます。
もう一つ、せっかく薄くしたので キーボードがついていても薄くしたいのが人情。
薄いがゆえにタッチ感のないまるで液晶画面をタッチするかのようなものや 1mもへこまないスイッチのキーが採用されることが多く長時間使うにも 打鍵の強いヘビーユーザーがへこまないキーに指を疲れさせてしまうという欠点もあるわけです。
そもそもユーザーの少ない 趣味性の強い機材ですから、マニアックさがないのも欠点ともいえるでしょう。
 
今回の GPD Pocketは王道ともいえる 小さく軽くを目指したもので7インチの小さめにディスプレイで 500gを割り込むというのは軽量のTabletが多いといえども軽さではぴか一と言えるでしょう(キーボード付きという意味で)
キーボードを安定して操作できるようにするためには筐体がひずまない設計が必須となるわけでそこまでの強度を保ったままのこの重量という意味では驚きなのです。
キーボード側に普通のノートPCと同様に メイン基板とバッテリーを置いたことから厚みは少しありますが軽さが際立ったわけです。
Tabletタイプは面積が広いために強度を上げるには幾倍もの強化が必要になってしまいますのでこの辺りは実現は極めて難しくなります。
母体がしっかりしていると、キーボードに与える効果は素晴らしく1m程度のストロークながら懐の深さを感じさせるキーボードとなっています。
キーボードが使えるか これはヘビーユーザーにとっての生命線ともいえるところ。
少ないながらそのユーザー層をしっかりつかんだ作りこみだと思います。
 
キーボードでいえば 数字キーを独立させできるかぎり いわゆる入力キーは多キーを割り当てずに作っています。
Fn+〜で文字が変わるというような自分ルールで作られたキーがないのも特徴なのですが それだけにごちゃごちゃと小さなキーを並べることになってしまっています。
キーを小さくしてでも キーとキーの間を取って入力の間違いを減らすことともやっています。
確かに変則的な部分も多くありましたが 前述通り相手はヘビーユーザーなので 「独自の使い方」の部分は必ずしも苦にすることではないようで 久しぶりと言っていいほどにこのPCのカスタマイズ記事が豊富にWEBで見つけられます。
私も、スクロールのための常駐ソフトと キーボードの入れ替えソフトなどを入れていて それらのすべてがネットからの情報によるものだ。
 
大事な点としてバッテリーの問題もある。
大きすぎる画面はそれだけバッテリーも消費するが、小さなものはその限りではない。
比較的明るめの液晶ながら 十分な持ち時間があることも特徴として大事だが それ以上に充電環境も大事で 大型のACアダプターなどもってのほか!小型で尚且つ急速充電が可能なものほど望ましいわけです。
このACアダプターは携帯電話用としては大きな分類に入りますが PC用としては超小型。尚且つ軽量です。
そして、公式では1.5時間で急速充電可能(私のは無理っぽい感じがするんですが)だという点も擽られることでしょう。
 
はっきり言うと どっちかというと「ずるい」商品です。
ターゲットを絞って、こうなら買うだろう的なマーケティングによって作られた商品だといえるでしょう。
CPU的にはコストも含め選択肢が無かったというのが実情だろうが メモリーもSSDの容量も十分な点も含めて 完全に狙い撃ちされているのです。
なんというのか まんまと乗せられた感がふつふつする商品なのです。
絶対メインストリームにはなりえないということは よくよく理解していて、競争相手のいない海を悠々と泳ぐ魚のようです。
でも、買ってしまうという商品です。
実用性だけでいえば 気に入ろうが気に入るまいが 大きな液晶画面のTabletにBluetoothのキーでもつけてというほうがより現実的だと思うのですが 膝の上において使いたいなどこの形にこだわりたいそうにぴったりなのでしょう。
こういうものが好きな人は まんまと乗せられちゃってください。
そもそも、こういうガジェットを買うときって 背中を押されてしょうがなくって昔から言ってたわけですから。