車の性能を示すのにある指標は最高速だったり馬力だったりトルクだったりするわけですが 実際にはそちらはサイズと燃料を大きくすればどこまでもとなるわけです。
限られたサイズの中でその力をより良く伝える能力などが価値を左右するのです。
そのあたりは サーキットでのラップタイムなどがあります。
もっと単純なものとして ０－１００や０－４００と呼ばれる 一定距離ここでいう所の１００ｍや４００ｍの距離をいかに早く駆け抜けるかを指標にするものがあります。
発進加速というやつです。
この性能に関しては、ガソリンを燃焼してパワーを得るものより 電気をエネルギーにモーターでパワーを得るもののほうがどうも良いようです。
それも時代の変化を示すものだったりするわけなのですが。
水をイメージすると良くわかるのですが 大量の水を一気に流したり止めたりするバルブを作ったとしても 例えば直径３ｍのパイプの仕切りだとすると一瞬で３ｍ全部をせき止めることはできないので 少しづつ水の量を減らして止めるプロセスが必要なので 扱う水の量が大きくなればなるほど大変になるわけですが 同様にエンジンの出力も急激に上げたり下げたりは苦手なので上がりきるまでの時間がかかってしまい そういう意味ではそれがコントロールしやすい電気のほうがパワーが出るまでの時間が短いのです。
故に加速の指標での評価は電気のほうに軍配が上がるのです。
ただ、車の電気設備と言えば今まで１２Ｖや大型車でも２４Ｖしかなかったのですが ハイブリットや電気自動車は数百ボルトから千ボルト程度の大電圧を使うのです。
一般車両も３６Ｖぐらいまで上げることを考えているようで 上手くやればセルモーターが駆動力を補充するモーターとして働いたり 停止時にエネルギーを回収する発電機として使えるようになるのです。
じゃあ、電圧を高めればいいのかというと 高めれば高まるほどに得意だとは言え切ったり入れたりするスイッチの能力は大事になっていきます。
電子回路の進歩はスイッチの性能向上とイコールだといっても良いほどで、それがより大電流に対応するのが性能向上にそのままつながるわけです。
数ワットだったＰＣの演算装置の消費電力はすでに数百ワットになっているわけですからその要求の厳しさが伺えるというものです。
その上、数ギガという高速性を求められるという事なので 大変さは世界中で研究が続けられているテーマなのです。
勿論、それは熱の問題もあるわけなのですが
ＣＰＵ等の回路だけではなく 一般の電気の回路でもその流れは続いています。
ここを見ている人に分かりやすく言うと ＡＣアダプターがいい例でしょう。
ＰＣ用のＡＣアダプターをイメージしてみてください。
私がＰＤＡなんてものを使い始めたころは 手のひらに収まる小さな機器の電源が 今の大画面大型スマートフォンを三段重ねしたぐらいのサイズのＡＣアダプターが必要でした。
現在のレベルでは ３ｃｍ角の小さなＡＣアダプターをノートＰＣの充電に使っているのですがこれでも６５Ｗと当時の大型サイズでも３０Ｗ程度だったことを思うと極端に小さくなったわけです。
そしてＡＣアダプター自身が電源を変換するのに使われている消費電力が大幅に小さくなっているのです。
ここに関しては 電気を一旦磁力に変換して再度電力に変換するという トランスという機器で電圧を変換していたのが 大きな電力を高速にスイッチングするインバーターの登場で一気に小さくなりました。
iPhoneのACアダプターが最初に出てきたときは驚いたと思いますがそのサイズになったわけですから。
そこからサイズそのものは小さくなっていませんが ノートPCを１～２時間で充電できるほどに大きな電力を扱いながらサイズを大きくしないという方向に進んでいます。
具体的には インバーターに使われる半導体の素材を変えてその効率を飛躍的に拡大したからです。
PCの持ち歩きが楽になったという程度の話では実はありません。
環境が悪く高熱に晒されるうえに電流の安定しない事の多いので すぐに採用されることはないのですが 電圧の変換が非常に効率よく小さく軽くなるならと採用が期待されているのです。
というか多くのものが電気で動くようになる可能性があるとなると それらの採用が今後の産業のカギになるわけです。
というわけで、小型のACアダプターを買いましょう（笑
実績と大量生産が当たり前になると、一気に採用が進むわけです。
ガリウム系のパワー半導体は 現在は３世代目に至り、小型化と大電力への対応がまた一段進んでいます。もちろん、それによる熱を抑える事も重要になっているのですが。
勿論、ほかの素材での実験も順次行われています。
ACアダプターが小さく高機能になっているのを見ながら、もうすぐ飛行機も電気で飛びそうと夢見ていたりするのですが
