集約すると効率が良いのですが

昨日書いていたのですが コンピューターの処理の大半は待ち受けなので 集約すると効率がよくなるのですが それですべてが良くなるわけではありません。

良くならないこともあるというのが今日のお話なのですが。

 

クラウド化されてその処理が1拠点になると エネルギー効率という意味では非常に良くなるわけです。

では、世界のコンピューターを1か所に集めてそこでみんなが使うようになればと言いたいところですがそうはいかないのです。

速度という意味では いかに早い電気信号と言えども世界の反対側まで届くためには 1/15秒かかるので PCの処理速度という意味では止まっているほどに遅い速度なので少しでも近いところに置きたくなります。

まあ、そこまで即時性の高いものならやはり各自でコンピューターを持つしかないとなるわけですが 処理そのものが大きく結果が小さい技術計算のような物であれば距離は関係なくなります。

そういった処理の代表的なものが 仮想通貨のマイニングと言われる処理で 暗号化の処理をひたすらし続けるという処理に関しては場所の概念はあまり関係なく 最も大きなファクターは電気代の高さだったりするわけです。

マイニングは遊びではなくビジネスなのでかかる経費が安く処理が大きくとれるところが最も有利なのでそういったことが起きるわけです。

故に、貧乏な国でインフラの価格の安い国で大規模に行われて結果的にその国の電気資源が枯渇してしまうというようなことも起きているわけです。

勿論、これもタイトルの集めれば効率が良くはなるのですが集めすぎるとの結論の一つではあるわけです。

 

マイクロソフトがまじめに研究しているのですが データセンターを海中に置くことで 海中に沈められたコンテナに自然エネルギーによって発電された電気を使ってデータセンターを作れば温度変化も少なく物理的なメンテナンスさえ必要なければ非常に良い環境が出来上がるわけです。

少なくとも電気の問題は自然発電なので問題なく 環境を害しないわけです。

そして、大量の電力を使う事による発熱も安定した温度の水で冷却できるわけですからこの問題も解決します。

あとはそことの通信回線の問題と 物理的な障害が出た時の対応ですが 正直壊れたら見捨てるタイプの障害対応を考えているようで たとえて言うなら100個のコンピューターを運用するとすれば120個ぐらいのコンピューターを入れといて壊れたら順番に入れ替えていくような対応で能力を維持し続けるというやり方でいけば20%の故障までは引き上げての修理が必要なくなるわけです。

そんなやり方がうまくいかないだろうといわれそうですが、最近HDDの代わりによく使われているSSDは同様の方法で 余剰の代替えを持っていて障害が起きれば切り替えていって動作を確保しています。

同じやり方だと思えば 現実的な対応だと思います。

ですが、環境的に温度が安定しているだけでデータセンターが稼働しているとその温度を上げてゆく訳です。

どんどん増えていけば、その近辺の温度を押し上げて環境を破壊してしまうかもしれないのです。実際、マイニングでは電気だけではなく そこを冷却するために外部に出される熱が問題になっていたりもするわけです。

 

ですがこれらは企業が対応を迫られる問題として対象が特定しやすいのですが、もう一つの問題がちょっと厄介なのです。

それがネットワークの問題です。

国をまたいでデータをやり取りするときに専用の線を用意して自分だけの為に使うなら良いのですが そうするとコストが高くなりすぎるので 個人まで分散利用となるとインターネット回線を利用するだろうことは想像に難しくありません。

幾つかの国で問題になっていますが、動画配信サービスのNetflixYoutubeなどが インターネットの回線にただ乗りしているとして支払いを求めている訴訟です。

さすがに国単位でインターネットにつながらないとなると国際的な企業の誘致がままならないので あちこちの国では国がお金を出して海外との接続を確保していたりしますが それらの回線の帯域の多くを1企業が占めていたとすると そしてそれ故に施設の増設を行わなければいけないとなると費用がかさみ続けるので請求したくなるわけですが それは一部でほとんどは企業や学校などの相互接続によって支えられている回線です。

そして、それらは一括で費用が払われているようなものではないので今回の様に1か所に集約してそこが大量の回線を利用したとなると同様の回線上にある近くのユーザーは大きな影響を受けてしまうのです。

だからと言って 回線の増強を誰かがやってくれるわけではないので 問題が大きくなってしまうわけです。

 

アメリカが世界の警察ではいられないといったのはそのコストが掛かりすぎるからで、同様に集めても1国が全てを賄うとなるとそのコストは1国で支えられるものではなくなります。故に、世界中でとなると 世界の同意のもとに資金の集約が必要ですが 現状の世界を見てもらうと世界中で合意されている条約のいかに少ないことか・・・・

結果企業中心になると やはりお金を持っている企業の沢山あるところが中心となり 制約の緩い途上国などにタックスヘイブンの様に分配されてしまうのかもしれませんね