無い袖は・・・

「無い袖は振れない」という格言があるが、失うもののない人は強いとも言い換えて 最近では「無敵の人」なんて人まで現れている始末です。

確かに失う物がなければどんな犯罪も侵し放題と言う風に見えなくもないのですが そもそもですが失う物がないぐらい何も持っていない人生が楽しいのか?と思ったりするわけです。

 

ともあれ、無い袖は振れないというのも事実で 例えば火事を起こしたときの賠償金が発生したとしても到底個人で支払いきれるものではないのである程度の免責が認められているわけです。

勿論、罪に対する罰は受けるわけですが。

で、今回の話は逆のパターンなのですが 犯罪の話です。

 

最近、ロシアの戦争のせいなのか ハッキングの話題には事欠きません。

例えばトヨタが生産を停止したなどと言うのは恐らく長い歴史の中でも初めてともいえる事件でしょう。それが コンピューターウイルスによるハッキングによるものだというのは驚くばかりです。

今まではどちらかと言うと遠い世界の話でしたが 非常に身近になったと言えるでしょう。

ターゲットになったのは トヨタに部品を供給している会社だったのですが これは狙われて起きた物でしょうか? それとも無差別に起こしたものに引っかかったという物なのでしょうか?

 

ニュースでは細かいことは分らないのですが 操業が停止に追い込まれたという事はおそらくランサムウエアだと想像できます。

ランサムウエアは コンピューター内のデータを暗号化してしまいます。

全てのデータが暗号化されるので コンピューターが動かなくなってしまうのです。

例えば、自動作業機を動かしているデータが暗号化されて読み出せなくなったら 自動作業機が動かなくなってしまいます。

勿論、仕入れや発注、在庫管理など全てのデータが対象で お金に関する支払いや受け入れもその対象となるでしょう。

多くの場合は このデータを人質に身代金を要求することとなるわけです。

身代金を支払えば 暗号化を解除するという事となるわけなのですが 最近では身代金が払われたという話はあまり聞かなくなりました。犯罪に組みしないという企業が増えてきているのでしょうが 実は裏では支払って済ませた会社もたくさんあるのではないかと思います。

 

もう一つのパターンとして 保険が掛けられていて 保険会社がハッカー集団と交渉してというパターンもあるようです。

この場合は もしもの為の保険をかけていて なっても支払われて対応できるという物です。

セキュリティ対策はいたちごっこなので 完全な対策は立てることが出来ません。

なぜなら毎日新しいものが出てくるのですから。故に、こういった保険で対応するという手段もあるわけです。

アンチウイルスソフトに支払われるお金の一部を保険に割り当てることもセキュリティ対策の一つだからです。

海外では普通に 提供されている保険です。

 

犯罪者にとって、交渉になれた保険の交渉人たちはやりにくい相手のように思われます。

なぜなら辛抱強く出来るだけ損害が少なくなるように交渉されるわけですから、慌ててどうしていいかわからない普通の企業の担当者の様に簡単に説得できないからです。

ですが、相手先企業の懐事情で タイトルの「ない袖は振れない」状態なのかどうかわからないので 支払いを請求してもとりっぱぐれる可能性もあるわけです。

保険会社が介在している限りはたとえ減額されたとしても 確実にお金の取れる相手なわけですから とりっぱぐれを心配する必要がないのです。

勿論加入者情報は秘密でしょうが、この保険に入っている企業なら確実にお金になるという事もあり 保険会社とハッカーの攻防戦が始まったりもするわけですがそれは別の話。

 

今回の件は、無差別の物か対象を決めた物かわかりませんが 恐らく対象を決めたものだというふうに私は思っています。

トヨタの操業が停止すればその影響は大きく トヨタが貸し出してでも払ってくれるだろうという目論見があったと思われるからです。

ですが、払わないという選択をしたのだと思うので こういった事態になったのではと思います。

もし支払ったことが外部に漏れたら、次の攻撃の対象になること、企業イメージの低下を招くことを恐れたのではないかと思います。

 

今回話題になったのは戦争と近いタイミングでの発生で、どこかの政府の関与がと言う話になるとは思うのですが もし、これが純粋な身代金をターゲットにしたハッカーだとすると 疑問がわきます。とりっぱぐれる可能性が上がるからです。

今回のような場合、この資金が戦争当事国にわたる可能性があると成れば 大きな企業であればあるほど支払いにくいのです。

支払いに対するリスクが非常に高くなるからです。

勿論、世界を混乱させるという目的としては達成したわけですから 政府の諜報機関が起こしたとなるとというわけなのですが・・・・

どこかの 政府がお金を出してと言うならない話ではないとは思いますが それこそ戦争が終わったら取り締まりの対象になること間違いないわけですからハッカー集団にとっても危険性が非常に高くなるわけです。

アノニマスが戦争当事国に対しての攻撃を表明しましたが 犯罪者ではありますが非常に自由を好む集団で押さえつけられることを好まないので 速く収まってほしいと思っているのではないかなと。

そして収まる方向に努力を始めているとしても 疑う限りではないかなと。