懐古

昔はよかったとかよく言うわけですが コンピューターの世界に限ってはあまりその言葉は使われることがありません。

何故なら、性能が年々上昇するからそれによってできることが増えてくるので 以前に戻れと言われても戻れないという事なのです。

 

それでも、昔はよかったと思うのはやはりセキュリティの部分。

私がコンピューターを触り始めたころは そもそもスタンドアローンで自己完結しているので外から何かが入ってくるとか想定する必要がなかったわけです。

「プログラムの中に含まれているかも?」なんて 私が始めたころにはプログラムの意味が分からないほどの長文はなく 実行する際にはプログラムを都度入力していたのでありえないわけです。

例えあったとしても、そもそもそのプログラムが壊れるだけで(そういえば自己消滅プログラムって流行ったな)何の痛みもないわけです。

 

アノニマス」というハッカー集団の話をしていると、悪い顔をしたピエロの画像が画面に出てきて・・・というイメージを普通の人は持っているようで それって映画の世界のハッカーがコンピューターを乗っ取った時のあれですね・・・・なんて思うわけですが そういったイメージなのでしょう。

ハッカーは侵入できないはずのところに侵入するのですが 当然犯罪なのでその侵入がどこから等と気が付かれるようなことはできる限りしたくないわけです。

ですので ああいった凝った画面を表示するようなたくさんのデータを送ることを嫌うわけですが まあ、英出場は分らなくもありません。

ああいう物に襲われるというイメージがあるわけでしょう。

 

では、ネットワーク接続ができ始めたころはどうでしょう?

他のコンピューターに侵入したりとするツールがその当時にもありました。

そもそもなのですが、接続する為にはいくつもの設定を地道にして ようやくつながるレベルで接続が一発で終わるなんてことの方が珍しく 接続状態の確認から接続して順番に接続を確認してデータのやり取りが終わった時には達成感のある仕事だったのです。

なので、接続中のトラブルなんてしょっちゅうで その時にそれを探るためのツールは先人たちが作り自分たちで手を加えて使いやすくしていきました。

接続した先でつながるはずのコンピューターの一覧を出し 名前やログインを試すような自動ツールもトラブルシューティングで使うので 今からすれば十分なハッカーツールを使っていたわけです。

普通に使う人にはIDとパスワードを登録させて使ってもらっていたんですが(笑

 

つまり、ネットワークとともにハッカーツールもありましたし ハッキングも存在したわけです。

ただ使う人が限られていたので、その影響範囲も限られていて 各自が専門化なのでその危険性も対策もある程度理解したような人たちが使っていたのです。

今は、専門家でも何でもない人たちが 当たり前のように全世界に繋がるネットワークをウロチョロするわけですから 財布からお金をのぞかせながらスラム街を歩き回るようなものです。

運が悪ければ引っかかるので せめてウイルス対策ソフトなどのカバンを用意してその中にお金を隠すぐらいのことはやっとかないとダメだという事で昔が良かったわけでも何でもないのです。

 

OSの進歩が、「昔はよかった」に繋がることもよくあります。

昔はこんなこともできたのに・・・・なんて

それがなぜできなくなったかは分かりますか?

例えば、インターネットでダウンロードしたプログラムの実行が出来なくなったとか。

この辺りは簡単ですよね そういったプログラムにはウイルスが含まれている可能性があるのですが それがちゃんとわかっている人なら開けても良いですよというステップが追加されたわけです。

ですが、そのステップを簡単に通過する為のマニュアルがネットに上がってたりもしますし、初心者をカモにしたいウイルスは 時には動画でウイルスソフトのインストール方法を懇切丁寧に教えてくれたりしますのでそれはそれは 市販のソフト以上に親切です。

ダメですけどね。

 

また、色々なハッキングを防ぎながら がばがばのセキュリティの規格 例えば繋げば動くUSB端子のような 物理的にヤバいものを何とか押さえつけるようなプログラムを付帯したりと とにかくOSは太り続けます。

太ったOSを動かすためにはハードウエアの要求スペックが上がり続け 新しいOSは遅いとかいう風になるわけです。

昔はよかったという人が多いのですが ぜひお戻りくださいと言いたくなるわけですが その人たちのせいでネットワークにマルウエアなどが増えるのは勘弁してほしいのです。

まあ、新型コロナの時の マスクやワクチンの話と同じようなものですね。

 

コンピューターの世界は新しいものへの挑戦でもあります。

既に、何百年も進歩が無くなるところまで進んでしまった枯れたものではありません。毎日のように新しい情報が追加されています。

一般に使われたのは 私の人生の半分ほどの長さしか歴史はないのです。

懐古するほどの歴史はなんて思うのは まだ枯れてないと自分で思っていいですかね?