昨日届いたのですが、Xiaomiの髭剃りを購入した。
何だと思うかもしれませんが 髭剃りと言うのは工業製品の極致ともいうべき商品だったという物なのですが そのあたりが・・・
単純に髭剃りと言うと 専用品でなくとも「剃刀」というジャンルに含まれていました。
男で有れば散髪屋に行ったときに 顔そりで使うあれです。
昔ながらの店主であれば二つ折りのナイフのような剃刀で顔の産毛も髭も剃ってくれます。
私の子供の頃は テレビの芸能人が良く真似をしていて ふくらました風船にマジックで髭を書きシェービングクリームを見えなくなるぐらい付けて髭剃りで剃って お笑い芸人が割って見せたものですが よくよく考えると油性マジックで書くと髭剃りでは取れなくて 水性ならシェービングクリーム付けて指でなぞっても取れるので 恐らく水性ペンで書いて茶番を演じていたんだなと思ったりもするわけです。
ちょっと話がそれましたが、そのカミソリが髭剃りに代わるのは 「安全カミソリ」という物の登場以降で 薄いカッターナイフより薄い刃を専用の器具に取り付けることで 刃の当たる部分を1mm以下に抑えて 刃がそのまま皮膚の中に刺さってゆくのを防げるようになったわけです。
勿論、剃っている最中に横に動かしたりすると簡単に切れてしまうのですが
その後、刃が二層になったものや、ワイヤーを渡して横向きにスライドできにくくしたり、潤滑剤が水が付くと染み出してきて切れ味を増すものなど色々登場して 今や6層の刃にヘッドが動いて潤滑剤が上下から出て 詰まった髭を吐き出せる機能までついてどうだと言われてもそこまでいるのかと疑問になってはいるのですが。
で、それ以外に水が使えない状態でも使える電動式の髭剃りも登場してきます。
当初は電気製品を水に強くすることが出来なかったので水が使えない状況で使う事が推奨されたわけですが それを逆手にとって広告では「水がいらない」と 上手いことやってヒットするわけです。
単純にモーターに風車型の刃を付け その上の肌の降れる場所には金網を付けて金網から抜け出てきた髭だけを切るような物から徐々に進化してゆく訳です。
で、何が技術かなのですが 肌にあたる金網の部分なのですが ただ鉄板に穴をあけただけのものに 髭が入るかな?と考えていただいたらわかる通り 肌に垂直に生えているだけだったらいいのですが 必ず角度が付いて寝るように生えている髭の端っこを捕まえて刃まで導くとなるとそれではだめなのです。
コの字状になった板にスリット状の穴をあけて角の部分から 中へ引き込むように穴をあける技術は非常に高度なものです。
また、その金網の下で回る刃の部分も金網から遠いと剃り残しが出て 近いと動かしている最中の軸ブレで金網に当って刃が削れてダメになってしまうので 電気で動く仕組みながらブレのない動きが要求されるわけです。
いくつもの革新的なアプローチがその中では生まれました。
例えば 回転を水平に変更して 左右に細かく振動させることで刃の動きを極端に小さくすることで 刃の金網に当たる部分を小さくしたり、金網の裏側に砥石となる面をつけることで刃を研ぎながら切るというような荒業まで本当に沢山のアプローチが行われています。
軍事品にしか使われていないような摩耗性の非常に低い金属がそれにあてがわれたりしたりもしました。逆に金網が削れて暫く使うと金網に穴が開いたりもあるみたいですが(笑
工業製品ですから、製造上の誤差と言うのは必ず出てきますが その部分が極端に小さく無いと出来ない工業製品の極致ともいえる商品の一つでもあるわけです。
故に、日本やドイツなどの先進国の十八番で 逆に安価な製品は明らかな二流品として扱われるべき製品の一つでもあります。
未だに、ディスカウントショップで 500円でも売ってて、家電量販店では1万円を軽く超えるものが売れ筋となっている時計と同様 価格帯の分布がおかしい商品の一つなのです。
で、今回買ったのは 1万円ぐらいつまり真ん中ぐらいのS700という商品です。
もちろん、日本製でもヨーロッパ製でもないので Xiaomiの中では上のランクの商品です。
フィリップスと同様の 小さな回転刃を3つセットにしたヘッドを持つ商品です。
特徴は何と言っても モーターです。
ドローンでは当たり前になっていますが、ブラシレスモーターです。
これは、ブラシが無いという事で回転軸にこすれる抵抗が低くなり摩擦による熱も流れる電気の量も増やしやすいので 同じサイズで有ればパワーのあるものとなります。
これを、贅沢にも髭剃りに使っています。
もう一つは、ほかの商品で培ってきた 電子制御技術です。
トルクの変動で現在の状態を判断し 回転数やトルクを動的に調整する機能が付いています。
薄い刃で、瞬時に切断することで肌に負担をかけないようにできているので 回転数は速ければ早いほどいい為にこの選択は非常に贅沢なものとなるわけです。
そして、肝心の刃なのですが これはセラミックでできたものを使っています。その上に人造ダイヤモンドとして最もメジャーなジルコニアでコーティングしています。
使ってみると、モーターの特性で非常に高いモーター音ですが基本的に音量が小さいので気になりません。
ドローンの羽を取った状態でのモーター音を聞いてもらえばわかると思います。
その上で、刃の高度が高いのと回転数が速くほとんどの抵抗なく髭が切れていくのを体感できます。
充電も早く、アルミの筒状のボディに小さな穴をあけLEDを透過させてインジケーターを表示するAPPLEのような高級感のあるボディに高速の充電機構などは スマートフォン等を作っているXiaomiならではでしょう。
でなのですが その肝心な刃なのですが 多分なのですが京都にあるセラミックメーカーの手によるものではないかと私は思っています。
恐らく、網の部分も どこかの日本メーカーでは?とも思っています。
XiaomiはSmartPhoneもそうですが 必ずしも自分たちで作ることを良いと思っているわけではありません。
外部のメーカーの部品でもそちらの方が良ければそちらを躊躇せず採用します。
その上で、利益率を決めて より良い商品を生み出せば販売に繋がるというポリシーの会社なのです。
今回のものも モーターがもっと良ければと言う彼らなりのアプローチの一つでそれ以外は他社と同等でもより良い製品ができるという物ではないかと期待したわけです。
正解は分りませんが、そういう物作りもありだと思いますし それを支える部品が日本製だったらいいなと思ったりもするわけです。