電気が足りない!!

昨日もなのですが電力不足が特に首都圏で顕著になっているのは 先日の地震のせいなのですが・・・・

 

電力の供給は非常に難しく、余剰に提供しても 電力は無駄に消えてゆくだけなら良いのですが消費されない電気が余剰に電気機器に入った場合に機器を壊す恐れもあるために 電気が余った時に逃がす仕組みも必要になります。

それを1か所でコントロールできればいいのですが 複数の経路で電線の距離や途中の消費量がまちまちなために それらを考慮してある一定の分布でそれを調整する仕組みも必要となります。

その上、発電量の予想の付かない個人発電 多くの場合は太陽光などの安定しない発電量の電力も含めてのコントロールは非常に骨の折れる仕事なのですが 各電力会社は世界で最も高い品質の電気を家庭に届けてくれているわけです。

これが、海外では電力が不安定になり 特定地区の電化製品がまとまって壊れたりという事もあったりするわけです。

日本に住んでいたら感じないとは思いますが、充電中でない携帯電話の充電器などをコンセントに刺しっぱなしにできているのはやはり世界でもそれほど多くの国ではないわけです。もちろん、壊れても良いという意味ではどの国でもできるわけですが・・・

日本の製品の耐久性が高いのは、電力が安定しているというのも大きな理由でもあるわけです。

 

今回のは「電気が足りない」と言うわけですが、これは 地震発電所を一時停止したことにより電力が不足しているわけですが 本来その程度で足りなくなるという状況はあまりあってはならない事なのです。

これは、原子力発電所が東北震災で再稼働できていないものがあることが大きな原因で それ以外にも企業の石炭発電などの環境対策に対応したものしか使えなくなるなど環境に対する企業の協力が求められた結果でもあります。

勿論、電気自動車やオール電化など 今までガソリンや都市ガスの機器を電気に変更していったことも大きな原因となっている事でしょう。

 

では、ほかには原因は無いのでしょうか?

例えば携帯電話がガラケーからSmartPhoneに変わったのですが ガラケーの頃のPCと現在のSmartPhoneを比べた場合SmartPhoneの方が遥かに性能が良くなっています。

実際問題 消費電力がいくら下がったとしても その当時に比べれば消費電力が増えています。

ガラケーの頃の携帯電話のバッテリーは300mA程度で1~3日の持続時間で、今のSmartPhoneは4000~5000mAで約1日なのですから 遥かのと言うか10倍以上の消費電力です。

で、台数が減ったかと言うと 確かに音楽プレーヤーやカメラなどを別に持ち歩く事は無くなりましたがガラケーの頃に比べると普及率は倍近く上がっています。

台数が倍になって、消費電力が10倍以上となると 消費電力は非常に激しい上昇をしているわけです。

 

それだけかと言うと、その接続先です。

ゲームをしているとすれば、端末側で見ているのは転送された画面だけで 実際のゲームはネット上のコンピューターのサーバー上で多くの処理がされています。

これはすべてがそうで メールにしてもWEBページにしてもサーバーのコンピューターからのデータを見ているにすぎません。

ほんの一部の人が見るに過ぎなかったそういうページを SmartPhone利用者が当たり前のように使えばそれだけのコンピューターが必要となります。

同時に、それだけのデータのやり取りを行っているネットワーク機器も電力を消費しています。

例えば街中でWifiのアクセスポイントを探せば 一覧が何ページにもまたがるような数のWifiのアクセスポイントが表示されたりします。

見えているだけでこれだけあるので 見えてないのを含めればすごい台数があるはずです。

なにより日本全国で人の住むところの多くに届いている携帯電話の電波の基地局も 網目のように配置されています。

それらは夜中に荒れもアクセスしないからと言って電気を切っているわけではなくて 誰も繋いで来なくても電気を消費して接続を待っているわけです。

 

電気が足りないとなると 大量に電気を消費する所から遠慮してもらいましょうと成るわけですが 昔なら製鉄工場などの大規模施設の製造ラインを一部止めて対応し その分の保証をと言う話もできたのでしょうが 小さな消費電力の集合体であるこれらは 規制されたら一部の停止で全国の障害となってしまいます。

最近の携帯電話の障害の傾向を見ているとわかると思いますが、実際の障害復旧は原因を究明して物理的な障害復旧が成された後 溜まっていた通信が安定して減少するまでの間  機器は正常に動いているのにもかかわらず障害状態が続いてしまうわけです。

つまり、部分的に止めたりの対応ができないわけです。

 

昨日も本日も100%を何度も超えています。

だからと言っていきなり障害が出たりはしないものの 電力の変動に影響を受けやすいデリケートな機器からじわじわと影響が起こり始めるわけです。

「電気が足りない」は 数十年を見据えて計画的に作られていた発電所の主力となる原子力発電を政治的な問題で止めて まるで悪いもののような一方的な誘導を行い 代替えを提示することなく止めて我慢すればいいという政策の結果なわけです。

大量のエネルギーを秘めたものは 裏を返せば危険なものです。

確かに数千年の影響が出る原子力は危険ですが、タンカーの衝突で漏れた原油もその地区一帯の生態系を壊し 生物の住めない海を作って結果的にその周囲の環境を取り返しのつかない状態にしてしまう事もあるのです。

大事なのは危険に対する備えで、想像力を働かせそれに対応できる体制を作ることで 100%の安全を数万年に1度の天災に対応してなければ安全でないという正義を振りかざすことではないような気はしているのですが。

原子力反対派の人には叩かれそうですね。