回線速度の品質

4G LTEから5Gに携帯電話回線が変更になって 効果があると思った人いますか?

二つの理由であまり感じることがないのではと思っています。

 

一つは、いわゆるなんちゃって5Gの問題で 4Gの回線と共用したモードで使っていると実質的にはSmartPhoneの表示以外はほぼ4G LTEで通信が成されている場合。

当然これはまるで4Gなので 体感できるかどうかは水素水が体に良いかどうかぐらいの違いだと思われます。

もう一つは、結果的にはバックボーンが同じなのでそれほどの効果が出ていないという事もあるでしょう。

 

通信速度には 広告で大々的にうたわれる ピーク速度が基準となっていますが実際には速さはその一つで計れるものではありません。

車で言うと馬力のようなもので トラックがいくら高い馬力を誇っていてもレースで速いわけではないというのと同様でピーク速度だけでは評価できない要素があるわけです。

また、例えば1Gの速度の回線だったとしても その一つの基地局に1台で接続するのと100台で接続するのであれば 100倍の速度差が出てしまうわけです。

よくあるのは首都圏の昼間の携帯回線の通信などで 非常に遅くなるわけですが同様に同じところでたくさんの接続があるという状況です。

この解決策は 基地局を増やすしかないのですが 電波の輻輳の問題もあるのでエリアの狭いタイプのアンテナを沢山より エリアの広いアンテナを少なくしたほうが安上がりではあるのです。また、アンテナの場所も確保が難しいのです。

 

ではそのピーク速度ですが 理論上の最高値となっていて、無線通信では通信が大気の中を通過するので 障害やノイズにより伝送の失敗が度々発生します。

故に、チェックし再送する仕組みが用意されているのですが チェックし再送要求を出して再送されたときには速度は1/3以下に落ちてしまうわけです。

来て、チェックする、再送要求をする、再送する と通信がこの中で3回発生しているからです。

なので実質的な速度はその何分の一になることが多いのです。

特に基地局からの距離が遠い場合や、複数の接続が同時に処理されている場合は処理速度にも限界があるのでより遅れがちになるわけです。

 

もう一つは 反応速度です。

何らかのアクションが起きた時に 通信を開始するとか 受信できる状態にスタンバイするなどの時間が短くなると当然反応が速くなります。

下手をすると 通信速度が速いことより反応が速いほうが体感的には速く感じる事すらあります。

4Gから5Gになったことでこの速度がアップするはずなのです。

さっきの再送に関しても、再送への反応が速くなれば当然その速度は全体でみると上がってゆく訳です。

 

例えば、Youtubeのような動画配信を行う場合どうしても遅延が起きてしまいます。

体感できるのでは音声通話でも 電話で話すと間が取りにくくて 対面で話している時より相手と話しかけがぶつかったりしやすいのです。

これは 音声通話の電話でも1秒程度の遅延が起きているからで今聞いている音声は1秒前の音声なのでしゃべり終わったと思って話し始めると その1秒の間に次の言葉を話始めていてぶつかってしまうわけです。

勿論、こちらの会話も1秒遅れて伝わるのでお互いの話がぶつかったのを認識するのも少し遅れてからになるわけです。

故に、前述の動画配信などではいくぶんの先読みを行い 途中での障害や通信速度が落ちても動画を続けられるようにしています。

Youtubeでは動画の経過を示すバーに 現在視聴中の場所の少し前まで線が太くなっているところまで先読みがされています。

ですが 遅延が少なくなればその時間がぐっと縮めることが出来るようになります。

故に、ドローンなどの遠隔操作などが5Gで注目を集めるのはそのせいなのです。

勿論、メタバースなどの仮想現実が遅延の影響が出にくくなればより現実に近づくわけです。

 

ですが、電波の通る大気の状態は4Gから5Gになって変わったりしませんし 基地局の数を面積当たり増やすための仕組みとして 高い周波数の遠くまで届きにくい電波の利用も始まっているわけです。

今までの基地局のままでは 4GLTEからの移行は 最初のステップに過ぎず名前だけ5Gと言われてもしょうがない状態で 故にほとんどの恩恵を今は受けられない状態なのです。

そして、細かく短い距離をカバーするノイズの乗りにくい近い距離をカバーするアンテナは首都圏など人口密集地にしか設置されない事から 地方などでは5Gの恩恵が受けにくいという状況が発生してしまうわけです。

通信的地域格差が広がるというわけです。

地方こそ、ドローンの荷物配送などの利用が急務なんですが・・・・