3D感が無い

立体感覚という言い方中をしますが 例えば立方体 いわゆるさいころを想像してください。
頭の中にさいころを置いて こちらが「1」の場合は裏側は・・・というのはどちらかというと数学の世界です。
そうではなくて 反対側それも上から30度ぐらいから見たこのさいころの絵をかいてみてくださいという物です。
さいころぐらいだとまあまあなのですが、何でもいいのですが正面から見たポットを横からとか・・・・
つまり、物を立体として理解しているのでは良いのですが それに対して例えば反対側 横から見たらどうなるかという事を頭の中で考える能力なのですが そのあたりの話です。
こんな言い方をするのは 多くは昔の機械設計などをやっていた人などに良く言われたのですが・・
 
機械の図面ですが、現在は3DCADなどで書かれているわけですが 昔は紙の上に書いたわけです。
紙の上に立体を書けないので 必然的に書き方にルールが生まれます。
そういえば私が小学校の頃には(もしかしたら中学校?)技術の時間に図面を書いたような気がします。
もし、今でも習っているなら三面図という手法です。
真上から、真横から、横から90度回ったところ、x軸、y軸、z軸三つの軸の二つを使った二次元の図面を三種類書いたわけです。
その三種類から出来上がりを想像して 頭の中に構築するわけです。
所が実は3面だけでは見えない点が出てくるのです。
と、いう訳で補助図面なんかが登場してきたりするわけです。
特に三次元的になだらかに変化していく面などは、図面上は非常にわかりにくい物なのです。
図面を見ただけで 大体の形が頭の中に作ることが出来なければ それで役に立たないと言われてしまうわけです。
勿論、それ以前に 元の立体を頭の中に作るという必要はあるわけですが・・・・
解っている人が 覚書程度に・・・・なんていう物では無く 作る方はこの図面を基に立体を作成するわけですから 図面が読めなければ話にならないわけです。
実際の現場では、図面から「こりゃダメだ」なんてすぐに言う職人さんがいたりして 図形の重なりあいから肉厚が薄くなりすぎる点などをそのままピタッと言い当ててしまいます。
もっと言うなら、例えば作成するときの工法上 作れない物体の指定などがあったりするわけで そのあたりを指摘したりしてやり合っとかないと 図面通り出来ているのに 使えないものというのも生まれてくるわけです。
ここに大きなチェックが入るのでとんでもない物という物は出来てこなかったりしたわけです。
前に出した なだらかに変化する面とかは試作品レベルで「こんな感じ?」なんていう図面上にはないがこういうイメージではないだろうかも加味して立体化されていたわけです。
 
まあ、簡単に言うと私はどうもこの能力には恵まれていないようです。
この能力が無いと困るのは 実はこういう仕事をするときだけでは無くて 写真を撮るときにも表れます。
昔、デジカメなんて無いころにフィルムカメラを使っている報道関係の仕事をしているおじさんは まあ、写真を掲載する側の雑誌や新聞の解像度が極めて低かったこともあってなのですが ファインダーを覗かずに写真を撮るのが得意だと言ってました。
確かに、ファインダーものぞかずに器用にピントを合わせて カメラ内に被写体を捕まえていました。
今考えたら 広角レンズを付けて どこにいても写るように、絞りを絞ってフォーカスが多少ルーズでも解らないように細工していたのかもしれませんが 子供心には驚いたものです。
今でもありますが、当時のコンパクトなパノラマカメラをいつも見せてくれて ぜんまいで小さなレンズがくるっと動くカメラのギミックは今でも好きです。
まあ、こういう形での撮影を行うことは無いのですが 考えようによってはカメラの液晶面を見ながら自分の視線の方向とカメラのレンズの方向がずれた状態での動きが当たり前になっているって この世界だと思いませんか?
 
短いレンズでスナップを取っているときには違和感は少ないでしょうが、とにかくバカほど大きな倍率のズームの付いている最近のカメラで 遠くを撮るときに 意識しなくても多くの人は自分の目の前にカメラを置いて、目とその液晶ファインダーの延長線上に被写体を捉える動きをします。
そう言えばなのですが 以前、F600EXRの望遠側の凄さを見ていただきたくて やめればいいのにそれも手持ちで 飛行機を追いかけて撮ってこの日記に上げたことがあるわけですが その際にも苦労したわけです。
カメラの液晶ファインダーと目をそばに寄せるのも程度があって カメラと目の距離が離れていて、自分の震えすら15倍ズームとなると飛行機の場所としては数十メートルのブレに繋がる状況で ファインダー内に小さく見える飛行機を捉えることがまずできないわけです。
静止物の場合 まず全景を広角でとらえてズームしながら被写体を追い込んでゆくわけですが相手が動いていると それを追いかけるのが大変!!
8割ぐらいまで ズームの倍率を戻しては捕まえて動かしながら追い込んでってやっている間にビルの陰に隠れてしまう・・・の繰り返しなわけです。
この辺り 視線の先の間に全く同じ角度で構えることが出来れば良いのですが なかなかそのあたりの感覚が無いので・・・
ましてや いくら液晶ファインダーが付いているとはいえ 前に遮蔽物があってそれを越える為に精いっぱい体を伸ばしてカメラを構えて液晶画面越しに写真を撮るなんて 相手までの角度がうまく頭の中で決められないから トライアンドエラーの繰り返しとなってうまくいってないわけです。
勿論、この辺りは訓練もあります。
既に現在の中学生辺りになると フィルムカメラの記憶が無く、下手をするとカメラというと携帯電話の層になると 最初から液晶画面を見ながらの撮影が当たり前で 目で覗き込むカメラの存在そのものを知らないのでそのあたりは訓練されていて そういう物だとなっているのかもしれません。
考えたらNEX向けの 望遠ズームレンズが遅れたのはファインダーが無いので新型へのモデルチェンジのタイミングを待っていたという事なのかもしれません。
 
NEX5からDMC−G3への買い替えは 先日書いた通り現在でも 所有欲という観点ではNEX5が勝っているかと思うのですが ビューファインダー上でのフォーカスという点ではやはりビューファインダーが付いているとついていないとで大きく違うわけです。
ただ、これはやはり買ってみての話ですが どんなに頑張ってフォーカスを合わせたところで結果的には全体なので 家に帰ってからPCに移してみるまで全く分からないのです。
やってみて 結果的にうまくいっているようだというだけで 実際に現場で撮っている瞬間にうまくいったかどうかに関しては帰ってからなのは昔のカメラから全く変わっていない点なのです。
小型の10インチぐらいのHDMIの超高精細モニターがカメラ用に出ればと思うのですが 最近のカメラにはほぼHDMI端子がサイズはともかくついているので 接続してそのたびに一応確認できる環境があればなんて思ったりもするわけです。
で、ビューファインダーを使って、45−200mm 35mm換算で二倍の筈なので90−400のズームレンズを持ってみて ビューファインダーだからこそ視線の先に被写体を捉え その軸とカメラが一緒になるから動いている被写体も追いやすいという事に気が付くわけです。
あくまでも、背面液晶をみながら合わせるよりは私は慣れているという点においてかもしれませんが・・・・
 
写真って 基本的に三次元を二次元に写しこむ作業です。
勿論、最近ではそのまま3Dで写すカメラが無い訳でもないのですが
3Dから2Dに移すときに、最初に書いた三面図を起こすわけではありません。
出来上がったものを もっともその物体が解りやすく美しく見える場所を追求し写す作業の筈です。
じゃあ、やはり3Dが解っていないと 2Dにならないじゃないか・・・となる訳です。
それでも、好きか嫌いかという事とはまた別の話。
解って用が解ってまいが しばらくこのままカメラをもって歩いてみようかと 思い至るわけなのですが

written by HatenaSync