2003-11-01から1ヶ月間の記事一覧

伊藤探偵事務所の憂鬱73

出口は、whocaさんが使っていると思われるクローゼットの中にあった。 男の入れない部屋の中にあるクローゼットの中には誰も入ってこないであろう。時を同じくして街は静かになった。 緑に塗られた機体は大空に舞い上がり風に舞い散る木の葉のような勢…

伊藤探偵事務所の憂鬱72

青い色は悲しみ、多くの人の悲しみが伝わってくる。 “何で俺たちが・・・” “みんな許してくれ・・・・” 赤い色は苦しみ そして血の色 “痛い・・・・” “熱い・・・体が焼けてゆく” 紫は絶望 “逃げ道が無い” “殺されるのを待つか、このまま焼け死ぬか・・・” …

次回予告

始まりは たった2000円のスカーフ。「これって宝の地図ですか?」 西下さん:「ドンパ文字って知っているか?」 erieriさん:「こいつとは悪友、親友なんかじゃないわよ」 arieさん:「タクラマカン砂漠に置いて行っといて何が親友よ」 いつも…

伊藤探偵事務所の憂鬱71

モザイクのようにはめ込まれた模様はカモフラージュで、少なくとも押したぐらいでは動かないパネルがはめ込まれていた。 かろうじて、ぬりかべさんが通れる程度の穴なので、本当の脱出用と言ったところであろうか。 一番身軽なKAWAさんが先頭に立って進…

伊藤探偵事務所の憂鬱70

古い寺は(雰囲気からは教会といいたいんですが宗教が判らないので寺としかいえない)あまり使われていない。 もともとの小国とオープンな王様のおかげで、庶民の結婚式にまで大聖堂を使うほどのオープンな国である。 とても、わざわざ寂れた寺を狙ってくる…

伊藤探偵事務所の憂鬱69

arieさん:「いい、計画は 私たちが宮殿に向かって進入する 陽動で 爺さんが山を攻撃する でも、後を引くようなのは駄目よ混乱させるだけが目的だから」 arieさんは、やまさんの耳元に口を寄せて首筋にキスをした。 やまさん:「魔女の口付けは 死の…

*本編とは関係ありません*

とりあえず生きてます(本人)ついた途端 かばん持ち込み不可の店の駐車場でやられました 多分、それを狙った犯行でしょう。 店の駐車場は 駐車待ちの車がぐるぐるしてるところなので (人気店) 油断したのが間違えでしょう。 ここの連載はバックアップも含…

代筆です

本日、アメリカから連絡がありましてノートパソコン PDA シグマリオンⅢ 無線LANカード @Freed Air−H” その他もろもろ入った鞄を車上荒らしにとられてしまったらしいです。よって 本人が帰国するまで 更新は出来ませんので ご了承くださいち…

伊藤探偵事務所の憂鬱 68

KAWAさん:「やまさん、この写真は何?」 壁には、若い軍服を着た男の写真が並んでいる。 KAWAさんは食べ物をほおばりながら聞いた やまさん:「それは俺が殺した息子の写真さ」 KAWAさん:「お子さん沢山!!」 どうも、このメンバーは死に関す…

伊藤探偵事務所の憂鬱 67

「あの、お知り合いさんですか?」 aireさんに聞く度胸が無かったので KAWAさんに聞いた。 KAWAさん:「やーねー、もばちゃんも知っているでしょ・・・」 やはり、記憶に無い。 さっきの車の時を言ってるんだったら、どこから見てたんだろう? …

伊藤探偵事務所の憂鬱 66

arieさん:「また、いい加減な事を言う」 所長:「大丈夫、大丈夫 何とかなるって」 arieさん:「何とかならなかったら 責任とってくださいね」 arieさんはため息混じりにそういった。 あまり、こういう話を二人でするのを聞いたことが無かった…

伊藤探偵事務所の憂鬱 65

「ドラえもん助けて」 川に入った瞬間そう思った。 僕の祖先が机の引き出しから出てきたわけでもなく、身長、体重、胸囲が全て157cmのネコ型ロボットがいる訳でもない。 その時、KAWAさんがドラえもんに思えたからである。 車が衝突する瞬間、KA…

伊藤探偵事務所の憂鬱 64

この世の中にあるものは全て物理法則には逆らえない。 リンゴは木から落ちるし、それでも地球は廻っている。 ただ、今ここの地点だけがそんれが有効でない。いや、そうとしか感じられない。 証拠は、上から下に落ちて行くはずの食べ物がしたから上に上がって…

伊藤探偵事務所の憂鬱 63

ようやく静かな時が来た。 二人の寝顔は、寝顔が静寂を物語っている。 実際は、雪はごつごつした岩を隠し、かなり慎重な運転をしているぬりかべさんでも大きく車体を揺らしている。 慎重ながら走れる限りの速度を出しているので 油断の出来ない状態であるの…

休載のおしらせ(予告)

もし、この連載を楽しみにされてらっしゃる方がお見えでしたら 11月14日より11月25日まで きわめて通信環境の悪い地域に行きます。 できる限り更新は行いますが 出来なくなった場合は 続きは 26日以降にお楽しみください

いい朝(ぬりかべ氏の朝)

朝起きると誰も起きていない。 正確には誰も起きていないと思われる。 事務所では不健康そうな男が椅子に座っている。但し起きているのか寝ているのかの区別は付かない。 試しに一度声をかけてみたが返事は返ってこなかった。 これは、朝に限ったことではな…

伊藤探偵事務所の憂鬱 62

雪上移動車が雪道を進んでゆく。 arieさん:「ビーコン出して」 西下さん:「大変申し上げにくいことなのですが、しばらく通信が途絶えます」 arieさん:「なるほど、じゃあ位置だけ頂戴。勿論、GPSも駄目ね?」 西下さん:「そういうことで、コ…

伊藤探偵事務所の憂鬱 61

運転手:「なんだ!」 車は路側に寄せて止められた。 路側と言うと道の縁という意味ではなく、止まる所は水平なところでないと再発進出来なくなる可能性があるからである。 運転手:「うるさいな !!」 声だけなら止まらなかっただろうが 壁を蹴って壁がへ…

伊藤探偵事務所の憂鬱 60

「どうするんですか?」 雪上移動車のトランクに寝そべった形で口を開いた。 ずいぶん時間が経っていたかもしれないし そうでないかもしれない。 顔の腫れが 一応に冷やされて少なくとも痛みで涙が出なくなっていた。 arieさん:「どうしたい?」 静かで…

西下さんの平日(番外編)

2時間ほどの間、聞こえてくるのはキーボードのタイプ音と プリンターの唸る音だけだった。 事務所には一人っきり。 何の邪魔も入らない いい環境である。 足元の冷蔵庫には オレンジジュース。PCの熱で暖かくなるコーヒポット。 ビスケットには先進の科学技…

伊藤探偵事務所の憂鬱 59

真っ赤になった僕 arieさん:「坊やには刺激が強すぎた?」 「KAWAさん、それよりも大丈夫ですか」 真っ赤になりながらも 正直 心配が先に立った。 ただ、KAWAさんの背中からは目が離せなかった。 arieさん:「起きれる様だったら起きてくれ…

若すぎた頃(番外編 尚、登場人物は実在する同名の方と一切関係ありません)

「誰が、泥棒猫よ トレジャーセイバーと呼んでよ」 喋りながら銃に弾を込める。 男:「お宝盗んでいることには変わりないだろ」 「誰も見つけられなかったんだから無いのと同じでしょ」 男:「誰のものでもないものは、国のものだ」 何箇所かにおいたのと同…

伊藤探偵事務所の憂鬱 58

空に大きな物体が飛んだ。空高く飛ぶ黒い影。 危ない 体中の警報が成った。 不思議なもので KAWAさんのほうに 反射的にしゃがみこんでナイフを構えた 後で考えると不思議なんだが、銃ではなくナイフを構えるのは絶対的な経験不足から来るものだろうか そ…

伊藤探偵事務所の憂鬱 57

雪の中にコンパスだけを頼りに歩き出した。 木の周りには、土が露出した部分があったが、一歩でも前に踏み出すと雪の壁が待ち受けていた。 自分の背より高い雪の壁に上るように進んでいった。 勿論、KAWAさんを おぶって。 見た目以上に重い。が、装備が…

伊藤探偵事務所の憂鬱 56

「KAWAさん、KAWAさん。 うわぁ〜」 木立の中にそのまま激突するように飛び込んだ。 進行方向に向けて体勢を入れ替えているので 後ろ向きにぶつかって行った。 KAWAさん:「うぐっ」 「大丈夫ですか?」 ぶつかった枝に弾かれ ぶつかった木の向…

伊藤探偵事務所の憂鬱 55

「どの辺に降りるんですか?」 KAWAさん:「さあ、降りれるところじゃない?」 「降下ポイントが決まっているわけじゃないんですね」 KAWAさん:「何故、山に下りると思う?」 「さあ、所長のいるポイントに近いからじゃないですか?」 KAWAさん…

伊藤探偵事務所の憂鬱 54

ぬりかべさん:「まず、ドアを開けたときに飛び出さないように何かにしがみ付いて」 ジャンプの装備の無い機体なのでフックを付ける所が無い。 飛ばないようにみんな適当なところにしがみ付く。 ぬりかべさん:「この後は、話はインカムでします。あまり遠く…