アウトランダー PHEV(中古)を購入した。その8

 
電気とエンジンで走るというと やっぱりハイブリット車じゃないかと言われそうなので乗り味の点からその違いを。
もちろん、ハイブリットは試乗で乗ったぐらいなので 全部を見ているわけではないので違いはあると思う。
 
まず、ハイブリットとの違いはスムーズであること。
ハイブリット車は エンジンが得意としていないところをカバーしてくれるもので 例えば発進。
発進の際にはアイドリングに近い回転数から1000回転ぐらいにエンジン回転が上がったところでクラッチを繋いで発進するのがエンジンのついた車です。
出力のおおよそ1/5から1/10ぐらいの低いトルクしか発揮できない回転数なので 弱弱しいとは言わないが力強いとは言わない加速となる。
同じガソリンを消費していてで、そのうえ弱弱しいので余分伊アクセルを踏み込んだりして燃費が悪くなります。
モーターは 回転が始まったところから最大トルクを発揮できる仕組みなので 発進時には遅くてもトルクフルな出足となるわけです。
トルクは加速に効くので0から40kとかフルトルクな加速が可能なのです(もちろん そんなには踏み込みません)
そこをモーターにカバーしてもらうハイブリット車は ガソリンエンジンの苦手をカバーする良い仕組みなのです。
 
ところが、発進だけで良いとなったら 発進ができる程度のモーターとバッテリーで良くなるのでパワフルではないのです。
故に、ハイブリット車は発信してしばらくするとエンジンに切り替わってエンジンで走ってゆくのです。
PHEVの場合は おおよそ同じなのですがモーターで走ることが前提なので パワフルなモーターと大きなバッテリーが搭載されています。
バッテリーのサイズもさることながら 出せる電気の量的にも大きいので(いわゆる 大きな蛇口のついた水道と小さな蛇口のついた水道で PHEVは大きい)モーターのパワーをよりよく発揮できるのです。
実際、プリウスではハイブリットとPHVでは同じモーターを付けています。新型では発電機をモーターとして使い増力していますが普段は効率の良い同じモーターを使いながら ハイブリットではできないモーターの加速を発揮するのです。
基本的にPHEVはEVと呼ばれる電気自動車なので 普通に走っている限りモーターの力だけで走ります。
エンジンがかかったとしても それは発電機としてエンジンが動くだけで駆動はモーターで行っています。
 
では 加速のことですが
モーターで発進して滑らかにエンジンに切り替わるとモーターで発進してそのままモーターで走るというのを比べてみてください。
「エンジンに切り替わる」がいかに滑らかに切り替わろうとも 切り替わる瞬間があるわけです。
滑らかさを追求して 両方を長く回して同調させてとなると無駄なエネルギーを使うのでそれを究極まで追求するのは車の性格からしても正しい行為ではないのです。
特に、アクセルを強めに踏むとその傾向が大きく出ます。
後者PHEVでは モーターのまま加速してゆくのでその滑らかさは トルク変動のないモーターの加速であることも伴いスムーズになります。
エンジンの加速は 回転数が上がるにつれてトルクが増えてゆきますので のびやかで突き抜けるような加速感はあるものの滑らかさではモーターには勝てないのです。
同じペースで加速してゆくと 加速感を感じることもなく、前回書いた通り減速感も滑らかで いわゆる「疲れない」運転間隔となるわけです。
もちろん、「こんな感じになるはず」という体感を裏切られるわけですから 運転手は慣れるまでの抵抗感があるわけです。
 
ハイブリットはガソリン車の進化形、PHEVは電気自動車の1ジャンルとしての立ち位置なのです。
もちろん PHEVは高速道路ではガソリン車として走ります。
ところが、高速道路などでのモーターからエンジンへの切り替わりは すでにかなりの慣性力がついていることから感じにくい状況での切り替わりとなりあまり感じることがないスムーズさが出るわけです。
 
一応、補足しますが プリウスPHVの「まるで高級車のような乗り心地」は正しい表現だとは思いますが みんな高級車がほしいかどうかは別の話で これは好みです。
変な言い方ですが 高級車の多くは自分で運転するようにはできていません。
運転手がいて 後部座席にいてよい感じというもので それを運転するのは運転手。
自分が運転手でそれがいいかどうかは 好みで運転している実感がというなら エンジンの立ち上がるトルクをうまくコントロールするのが楽しい人もいるわけです。
ちなみに、良い点ばかりではなく PHEVはRVであるということもあるのか 雑な跳ねを拾ったりするので 乗り味が高級車チックでないことは追記しておきます。
 
あとは、本当にエンジンがかかりません。
本来、エンジンを使うつもりであれば暖気が必要になります。
でなければ安定した出力を得にくいからです。
出力を安定して制御できないということは エンジンとモーターの切り替わり時に制御しにくくなるし 効率も下がります。
ところがPHEVは最初からエンジンを使うことはまずないと割り切ってますし 発電用途だとするなら回ってさえすればいいので あまりそれを重視しません。
唯一感じるのは 電気を使うときに(発進時など)立ち上がるインバーターの音と微妙な共振のような振動ぐらい。(これはハイブリットでも感じます)
なので 同じように見えてもハイブリットとPHEVは違うと感じられるのですね。