伊藤探偵事務所の混乱 79

arieさん:「456、457・・・」
arieさんは一人ぶつぶつ口の中で喋っている。
「もうすぐです」
arieさん:「すぐねぇ?」
「そう、もう三つ角を曲がるだけです」
少女:「不服そうね?」
少女はarieあんの方に向かって言う。
arieさん:「ええ、不服よ あたしの物はあたしのもの。勝手に触らないで」
少女:「あら、人聞きの悪い 私じゃないわよ」
arieさん:「じゃあ、だれ?」
少女:「解っているんでしょ」
arieさん:「今殴り倒したらどうなる?」
少女:「振り出しに戻る」
arieさん:「・・・」
arieさんは黙ってしまった。
「言っても良いですか?」
少女:「どうぞ、行くしかないでしょ」
「そうですね」
右に曲がって、次の角をもう一度右、最後に左で・・・・
地下にいるとは思えない、明るい広間に出た。
ただ、広い空間が広がるだけだった。
少女:「ここが目的地よ お疲れ様」
arieさん:「ありがとう、で 何を出してくれるの?」
少女:「欲しいものを、取り合えず食べるものは用意したわ」
目の前にあった、光る壁の裏側に 食事が用意されていた。
そんなに時間がたっていたわけではなかったが、おなかは空いていた。
みんな、めいめいの席に座り食事を始めた。それも、黙々と
特別に、何も話をしなかったのは
arieさんは、何かを考えているようだったし、erieriさんは事態の分析に忙しくて喋っている時間は無さそうだった。
ぬりかべさんが喋らないのはいつもの事で、少女は自分から喋ったりしない。そして、何も食べている風ではなかった。
誰も喋らないのに、僕だけ喋るのも気が引けたので喋らなかっただけである。
ただ、みんな黙々と食事をしていた。
料理は、手の込んだ料理ではないが十分に口にあった。
少女:「おなかは一杯になった?」
そろそろ、食べるペースが落ちてきたときに少女は言った。
少女:「貴方の望みは何?」
「のぞみですか?」
arieさん:「まだ喋っちゃ駄目!」
少女:「かなえられるのは一つだけってけち臭い事は言わないわよ」
arieさん:「まず、老達を呼んで いるんでしょ!」
少女:「クスクスクス、呼んでいるわよ」
老:「何故、わしを呼ぶのじゃ? わしは既に傍観者じゃがな」
どこからとも無く、出てきた。
「何を望めばいいんですかarieさん」
老:「人に聞いても回答は得られん」
少女:「人に聞いたことをそのまま言っても良いわよ」
arieさん:「だめよ、ちゃんと説明を受けるまでは何も望んじゃ駄目」
少女:「じゃあ、説明員には誰をお望み?」
arieさん:「貴方で良いわ、貴方しか知らない事が沢山あるから」
少女:「じゃあ、思い出したのね」
arieさん:「残念ながら、貴方を追ってここまで来たんだから」
少女:「あなたは、大丈夫よ 今後も追うものがある。私が最初だけど 私は何もしない。貴方が探すものは 何かした人たちだから」
arieさん:「じゃあ、そういうことにしとくわ 私のことは」
少女:「聞き分けのいい事」
arieさん:「あたしの事はね、取り合えず説明してあげて いま置かれた状況を」
少女:「いいわよ、私はしそちゃん 私は歴史を見守るもの。」
「歴史を見守るもの?」
少女:「そう、見守るだけ」
老:「ここへ来たのは、坊が選んだからじゃという事じゃ」
「僕が選んだ? 選ばれたではなく?」
少女:「私は、道を指し示していない」
「僕は、地図どおりに来ただけです」
少女:「道を選んだのも、地図を選んだのも貴方でしょ」
「僕は、導かれるように来たんですよ、ここにも案内されて・・」
arieさん:「禅問答は、もう良いわ」
少女:「ここは全てをかなえる場所なの、だから望みを言えば全てかなう場所。望みを持ってここに来たはず・・」