ほら吹き男爵の冒険(設定は、4月24日頃のお話)

フィクションです・・・
 
日差しが何故か体に刺さる。
喉が渇く。
もう一歩も進みたくないのに 足が勝手に前に出る。
アタッシュケースにはたいした物は入っていないが、それですら肩にずしりと感じられる。
不調だ・・・・
朝、どこから朝で どうだったかも覚えていない。
目は、いつか覚めていた。しかし、覚めていたかどうかの記憶も無い。
どれぐらいの時間目を開けていたかは解らないが、生理現象が我慢できなくなるまで動く気力は無かった。
なんとか、トイレに這って行って、何とか シャワーを浴びて・・・
僅かなお金(って随分違うんだけど)をケチって風呂トイレ無しの安宿に行ったことの後悔だけが両肩にのしかかってきた。
シャワーは、自然にやさしく 人に厳しい量しかお湯を吐き出すのを拒むし、それを叱り付けるだけの体力が無い私には 雨にぬれてくだを巻いている程度の状態だった。
昨日飲んだ酒は何だったっけ? ぼけた頭に総動員をかけたが思い出せない。
だが、思い出さなくて良かった。
体を拭いたタオルから、忘れられないスコッチの香りが漂ってきて無理やり思い出させてくれたからである。
そういえば、昨日はいい香りだったな〜 同じスコッチでも保存が良ければこんなに香りが開くもんなんだ?!
ボトル半分ぐらいは、胃の中に押し込んで 胃の中で、日本酒、ビールのカクテルを作り せっかくの風味を台無しにしながらも 大いに楽しんだ夜。
質量保存の法則が、楽しみの分だけ苦しみがある事を思い出させてくれる。
チェックアウトお願いします。
明らかに日本の顔じゃない フロントの従業員。
いきなり、違う言葉を喋られたら 言葉に関して順国粋主義者の俺の頭がどうなるか解らない。
成る様になる、と表に飛び出した。
曇っている空から漏れる日差しですら、恨めしかった。

どれぐらいの距離、どこをどう歩いたかははっきり覚えていないが 仕事の電話が数本入ったこと、遊びの電話が1本入ったこと、それから掲示板に2件ほど書き込んだこと。
それが、この行程の全てだった。
気がつけば、秋葉原の駅前まで来ていた。
ようやく、眠っていたまぶたが 自分の役目を思い出して 頭がようやく体のだるさを 明確に伝え始めた。
足が、歩くことを拒否し 胸が昨日食べた物の自己主張を押さえ切れなくなって近くのコーヒーショップに倒れこんだ。
誰が頼んだのか、目の前にはロースとビーフのサンドイッチとグランデと言う特盛コーヒー。
渋くなければ、ハードボイルドじゃあないが 今の俺にはお似合いだった。
ロースとビーフがやけにすっぱく感じたが、店のせいでは無さそうなので黙って食べた。
コーヒーが、多いのもきっと店のせいではないので 黙って飲んだ。
9時半・・・・なんでこんなに早く来ちまったんだろう?
近くにある営業所に顔を出して、重い(感じるだけの)アタッシュケースをコイン ロッカーの大きな口に叩き込んでゾンビのように彷徨った。
流石に何を見たか詳細には思い出せないが 手にはつまらない物を持っていた。
どれくらいつまらないかと言うと、昨日飲んだ酒の分 増えた脂肪を計るために体脂肪計を買ったりした訳だ。
金だけ払って 何も身に付かなきゃ何しているか わかんないだろう。
あとは、ネジだの釘だの 大よそ邪魔になるもんばっかりだった。
それでも、時間は過ぎる。
昼が近づけば、熱くなる。
過ごしやすいはずの気温も、俺にとっては熱帯のジャングルのような物。
力尽きる すんでで、ようやく仲間を拾った。
僅か、数分の1秒の間だったが、神(id:Godkeep)に見えた。
数分の1秒後には、気の毒な同行人にさせられた気の毒さに 逆に神に祈った。
これで、俺の罪は許されるだろう。
一緒になって、やはり彷徨う。
どこかに行こうにも、足と視線が勝手に彷徨い 所詮行くのはジャンクや巡り。
気の毒なメンバーは後二人、気の毒さに気がついたのか未だ現れない。
携帯電話のような、不幸なグッズが無ければ このまま太陽にオサラバしてお月様にこんにちわする為にだけ 体を動かせばいいのに そうもいかないようだ。
呼び出すほうもそう、通話中にか、そうでない時なのか 青く光る電話機がBT何とかで 即死寸前に彼を追い込んでいるらしい。

えーっと、やっぱり続く?