伊藤探偵事務所の爆発11

arieさん:「あら?、いやに盛り上がってるじゃない?」
erieriさんと一緒にarieさんが入ってきた。
「arieさん、それにerieriさんも!!」
arieさん:「ところで、こんな手の込んだ遊びをするのは誰なの?」
かなり怒った表情で言った。
所長が、依頼主のほうを指差した。
依頼主の顔が引きつっていた。
arieさん:「酒の飲みすぎじゃない? そんな小物に用は無いわ!」
テーブルの上にあったワインを自分で勝手についで一口飲んで、テーブルの上にお知りを落とし片足を軸に座った。
そして、振り返りながら言った。
未来さん:「お下がりください。御用は終わったようです。」
erieriさん:「げっ、未来・・・」
未来さん:「私どもの主は、人前に顔を出せない立場に下りますので私でお許しください。」
依頼主が下がったために、空いた所長と僕の前の席に二人が座るように促し、ボーイが恭しく二人の椅子を引いた。
未来さん:「ワインでよろしいですか? お二人様」
arieさん:「いい趣味じゃない、同じもので良いわ」
erieriさん:「私は、用が終わったのでここで・・・」
未来さん:「まだよろしいじゃございませんか、料理も手配しておりますので」
erieriさんを促すように言った。
しぶしぶ、erieriさんが従った。
その仕草から、erieriさんが未来さんを快く思ってないことが分かった。
まあ、明らかにタイプの違う女性だから、仲良くというわけには行かないだろうが、erieriさんも未来さんを知っているということだろう。
arieさん:「あなたが“振り返らない未来”って青春用語のようなあだ名をもつ女ね?」
未来さん:「そうおっしゃられる方もおみえです」
arieさん:「その未来さんがどんな御用?」
未来さん:「お仕事をご依頼させていただけないかとのお願いです。」
「仕事の依頼で、事務所を爆破したり 僕を殴り倒したりしたのですか?」
arieさん:「それは、私たちが怒らないことを知っているからでしょ」
「僕は怒っていますよ」
arieさん:「じゃあ、未来さんに文句のひとつも直接言ってみたら?」
「あっ・・・」
未来さん:「申し訳ありません」
すまなさそうに頭を下げた。
「いえ、そんな・・・・」
arieさん:「見た目だけなら、抜群の人選ね」
erieriさん:「あなたのところの事務所を爆破したのは、アラブの過激派らしいわよ どっちが目的だったのか?」
arieさん:「犯人が欲しかった所に、丁度捕まえる理由の無い人たちがいたんじゃない?」
所長:「そんなことより、話を進めてくれないか? 隣のかわい子ちゃんを押しのけられちゃったんでね」
arieさん:「それぐらいが丁度良いけど、話を進めてほしいのは事実だわね」
未来さん:「では・・・」
話の内容は、多くの部分で判らなかった。
だが、どこかの国の王子がさらわれたのを奪還する仕事らしい。
うれしいのは、日本国内な事。うれしくない事は、相手がおとなしく返してくれる筈が無いのであまりうれしくない展開になること。
所長:「俺は肉体労働が嫌いなんでね パス」
arieさん:「私も、夏表に出ると肌が焼けるから」
ぬりかべさん:「俺はやり方が気に入らない」
全員揃って、反対だった。
未来さん:「そうおっしゃると思っていました。」
曇った顔つきで言った。
未来さん:「肉体労働は私が担当します。」
み、未来さんが?
「無理です、王子をさらう様な人たちなんでしょ」
erieriさん:「ゲリラ戦でこの女にかなうやつはそういないって。」
未来さん:「そんな、噂だけですわ」
arieさん:「いい、ぼうや この子のあだ名は 自分の周りの敵は総て先頭不能にするから 後ろから来る敵がいなくなることから付いたものよ ただの青春用語じゃないわよ」
「そんな・・」
やはり、arieさん達が知っているからそういう世界の女性だったんだ
未来さん:「そして、やり方に関しては 謝ります。もちろん、お金で解決できる問題でないことも存じ上げております。」
arieさん:「“何故か?”は判っているわ あなたの口から聞きたいの。」
未来さん:「実は・・・」