水冷化

どうも、年を取ると古い話と今の話を重ねあわしていけないとは思うのですが、ついつい判りやすくと思って、かえってマニアックになって行くような気がします。
アメリカで名前の知られている日本人の中の一人に必ず数えられる人物「本田 宗一郎」。勿論、皆さんご存知の車の「HONDA」の創始者である。ワンマンな経営でも有名ですがその頑固なまでの姿勢はあまり有名ではないのでしょう。
今で言えば、二本足歩行ロボットを作っていたり、多くの先進技術を出している先進的な会社に写っていますが、研究はすれども実際に販売しないものを多く持っています。例えば、世界中のサーキットを無敵で走り回ったF1カー。ルノーがF1ni持ち込んだターボエンジンを使い 1500ccのエンジンから1200馬力を搾り出して余りにも速すぎてターボを禁止にさせるほどの技術を持っているターボエンジンですが、現在のホンダ車には一台も使われていません。過去を遡っても、僅か2車種のはずです。これは、突然立ちあがるトルクが一般の用途には扱いにくいこと、そこまで扱いにくくして得るものが(必要以上のパワー)が少ないことで採用しないといった事が伝統的に行われています。
その、頑なに拒み続けた技術の一つに 「水冷化」と言うものがあります。
勿論、現在は空冷の車などは作っていないのですが 最後まで空冷で頑張り続けたメーカーなのです。(おかげさまで、潰れかけましたね)
一応 断っときますが、それをライブで見れるような年ではないです。
勿論、現在の技術レベルでは問題になりませんが その当時の技術レベルでは問題があったからなのですが、車の話ではないので置いておいて 現在のコンピューターでも起きている水冷化の波にその姿を写し見てしまっただけなのです。
水冷といいますが、水には冷やす機能はありません。水で熱を運ぶだけです。そして、運ばれた熱を車で言うラジエーターに相当するもので冷却して循環させるわけです。
その利点は、水の量を増やせば増やすだけ質量が増えるので熱の変化が発生する可能性を低減出来ます。しかし、その反面 空冷では必要の無かった付加パーツが増えるわけです。
車の場合、構造的な問題があり、FFと呼ばれるエンジンを前に積み前輪を駆動する方式を実現するために エンジンを横向きに積んだときに冷却する風を送るためのファンを駆動軸から取れなかったり(電動ファンをつけたり)、そこに風を導風する為の特別な導風路を作る必要が出て、それが車の機能や、構造に大きな影響を与えるからやむ終えない流れだったのでしょう。勿論、時代が過ぎてから判るのですが 当時の水冷エンジンは技術力が拙かったので、空冷エンジンに比べて寿命は短く、トラブルも多かったようです。
じゃあ、コンピューターは・・・・コンピューターも現在、場所に困っています。CPUとメモリーの距離、チップセットとの距離をいかに短くするかが安定した動作を保障し 発熱物、486の後期並みの発熱量のチップセットやメモリーまでCPUの熱を伝えないようにしなければいけません。必要なのかもしれませんが、かなり大げさな装置かと思います。
過去に水冷化パソコンという発想が、冗談の中で生まれたのは私が小学校低学年の頃。水は何の不純物も含んでいなければ導電体ではありません。故に、超純水と呼ばれる水だけの水槽に基盤ごと投げ込んで、中で水をまわすという(実現は不可能でした、基盤や部品に付いた溶剤が水に溶け出し 導体化してショートするからなのですが)のがありましたが、今回のは車に使っているものと全く同じ構造のものです。現在は汎用的な物でヒートシンクの変わりに貼り付けているのですが、そのうち全体を覆うような専用品が出てくるのでしょう。
時代の移り変わりからいっても、発熱量の増大の方向から言っても水冷化はやむ終えないとは思うのですが、最大消費電力ではすでにオーブントースター並みの消費電力に迫るコンピューターが2〜3台も家にあった場合、その電気代は無視できないものになります。ましてや、一般の家庭で コンピューターを置くからブレーカーを引いてくれというところまで行くつもりなんでしょうか?
特別な処理をするコンピューターならともかく、家庭にある程度のコンピューターに水冷が必要なほどの熱量を発生させるなど その事自体がナンセンスなんだと誰かいってくれませんかね?
我が家も、コンピューターを置いている部屋の温度は、他の部屋より2〜3度高くなっています(3台が24時間動いています)常時2〜3度上げる暖房だと思えば、普通の人は家を出るときに消してゆくと思いませんか? あっ、コンピューターを消して出かければいいのか・・・・