見えないものの怖さ

車に乗っていると例えば140Km/hぐらいで走っている車もいます。しかし、これが自転車となれば30kmを越えた辺りから(って越えられるだけの体力も要りますが、下り坂かなんかを想像してもらうと)怖くなってきます。
よく言う話なのですが、レーシングカートと言う乗り物がありまして、これはアルミや鉄のパイプで作られたフレームにエンジンを付けただけの車で、排気量こそ小さいものの軽量なのでレースカーの入門として使われたり、車としての価格が比較的安いので趣味で走られている方も多いモータースポーツです。
これなんかに乗りますと、殆ど地面に体育座り(って解りますよね、三角座りというやつです)した状態のまま走りますので視線は数十センチ(その人の座高次第)の所にあります。もちろん、体を守ってくれるパーツもありませんし、斜め下には地面が見えてその状態で60km/hぐらいの速度になると信じられないぐらい体に不安感を覚えるそうで、怖くなるそうです。私は随分前にそれをやったので、実は鈍感に成ってきているので良く解らないのですが・・・
止まっている状態でもそうで、例えば30階建てのマンションに住んでいて 普通に暮らしています。しかし、それが、遊園地のタワーのようなつくりで、床がガラスになっていたりすると 私なんかは特に高いところが怖いたちなので住むことは出来ないでしょう。
PCなんかは、WEBの発達により色々と便利になっていますが そのものがブラックボックス化しています。
ブラックボックスは、中がどうなっているか解らない箱で その箱の中に物を入れると違う物になって出てきたりする、いわゆるマジックで使う不思議な箱のことなのですが PCなどの場合そこの部分をプログラムが担っています。
じゃあ、プログラムが解ればどうなっているか解るわけなのですが、そのプログラムがどこにあるかも解らないというのが恐ろしいところなのです。
JAVAやFLASHという技術はかなり進んでおり、例えば、トレンドマイクロのサイトに行って「ウイルスバスターオンラインスキャン」(http://www.trendmicro.co.jp/hcall/index.asp)と言う物が有ります。
これは非常に重宝な物で、例えばPCの調子が悪いと呼ばれて見に行った時に まずここのサイトに行って「ウイルススキャン」を実行します。
この場合、PC内にプログラムが残りませんので人の機械を変更したわけではありませんし、プログラムのインストールによって余計な障害を発生させる危険性の少ない作業だからです。また、期限切れだったり(標準で付いている3ヶ月ぐらいのやつ)会社で購入しているにも拘らず動作が遅かったり、それ以外の理由(怪しげなプログラムが弾かれてしまう)で止められていたりと そういう機械での障害が多いからの作業なのです。
このプログラムはJAVAで書かれており、PCのファイルを読み出し、ファイル名やサイズ、ファイルのなかの構造などを調べてウイルスのDBに該当する物が無いかをチェックしてくれます。駆除するためには購入くださいとなるわけなのですが、それでも 原因ははっきりします。
ですが、書き込みこそしませんが読み出しはしています。
PC内のJAVAプログラムが、そのPCのファイルを読み出すことが出来るわけです。
WEBの場合には、WEB画面がインターネットだという認識があります。つまり、「ここにあるのは窓で窓越しに外の世界を見ている」と考えています。WEBに書き込むときは、その窓越しに喋っているわけですから、外の人と喋っていると明示的にわかります。
ところが、このプログラムは外の世界と喋っているつもりなんですが、実は中の世界を見ています。
つまり、外の人が窓を開けて窓から首を部屋の中に突っ込んでぐるぐる見回している状況です。
最も、部屋の主人も気がつかないような部屋の隅やたんすの裏まで見て行くのですからもっと酷いことかもしれません。
この画面を見ても解るとおり、WindowsはWEBとOSの融合をかなりいい感じで結び付けました。
それこそ、上のナビゲーションバーがあればWEB無ければPC内部ぐらいしか大きな違いが見つかりません。WEBのプログラムの中にはそれを消す方法も定義されているので見た目にわからないところまでには出来ます。
最近のマニュアルの中には、HTMLで書かれているものもあり そのページジャンプの中には実はWEBのページにそのまま繋がっている物もあります。
実は、自分が家の中にいるのか外にいるのか良く解らなくなっているのが現在の状態なのです。
ましてや、ADSLでは多くの所で24時間接続しっぱなしですから 常時、外からドアをノックされているような状態です。
ルーターのLOG(動作記録)をみれば、どなたかがノックしてきた記録が山のようにPCの電源を切っていた時間にもあります。(ルーターの電気が入れっぱなしに成っていればですが)
PCと言うのは非常に複雑なブラックボックスです。同様にPDAもそうです。
そして携帯も。
携帯電話は、携帯電話キャリアーが一意の電話番号という番号で相手を認識しています。
その電話機を現在だれが持っているか等の情報は提供されません。
例えば、MyYahooにしてもMSNモバイルにしても、ANA SKYモバイルにしても最初に登録したものがCookieなのか、番号認証なのか見れるようになっています。
それ以外のサイトも恐らく、同様の状態でしょう。
携帯電話を落としただけで、あれこれと個人情報を探られてしまう、そして何らかの被害にあってしまう危険性が徐々に高まってきました。
悪意のある人から見れば、加入しているサイトは頻度に合わせてbookmarkに登録してあり、そのサイトに入るための認証は携帯電話キャリアー、若しくはCookieの認証で入れる訳ですか。そして、履歴を調べれば 良く行っているサイトまで知られるわけですからそこから、登録されている個人情報を簡単に引き出せてしまいます。
その後、警察にでも届ければすぐには足も付かないですし善意の第三者として立ち去れば警察にも名前は残りませんので解った時には既に遅いなどと言う手の込んだ犯罪も出てくるでしょう。
よく、コーヒーショップなどで席の確保の為かトイレに立つ時に携帯電話を机の上に置いてあったりしますからそういうところからも誰も見て無い間に情報を抜くこともできるでしょう。
非常に便利な物達ですから、当然非常に便利に使っています。現在はユーザーも大多数と言う数ではありませんが、利用している物から見れば非常に便利ですから 徐々にか時代の流れを待ってか普及するでしょう。
そのときに、同時にそういった危機感も普及すれば良いのですが そういったことは利便性の影に隠れたものとして広告されません。
やはり目に見えない恐怖感と言うのは、車やマンションの例を取っても感覚的に理解し難いものですから非常に伝わりにくい物なのでしょう。そのうえ、小さな字で書かれた説明を見ていると思うんですけどね・・・
せめて、ここを見ている人だけでも気を付けて欲しいなと 通りすがりのコーヒーショップで当たり前のように、だれもいないテーブルの上にぽつんと置かれた、綺麗なデコレーションを施された携帯電話を見ていて思ったりもしたんですけど・・・・
まあ、余計なお世話ですけどね。