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昨日MSNメッセンジャーで「TSCクライアントの出物が有るけど買いかな?」というメッセージを頂きました。
すぐには、その省略語が理解できなかったのですが、何言かめにようやく理解しました。
Terminal Service Client なので、クライアントがかぶっているとか 言う突っ込みは置いておいて・・・
TSCという言葉は、汎用機の時期からある言葉。過去にはUnixのサーバーを設置し、それをターミナルコンソールという 特定の書式に乗っ取ったデータの送受信を出来る単機能のクライアントを繫いで実行しました。
オフコンなんかもこのパターンが多く、サーバーと呼べるのかどうかは解りませんが FDの付いたサーバーを 何台かのクライアントで共有したのですから 今から考えると放歌な時代。下手すると、商品マスターをROMで持つと言うところまでありました。
汎用機と呼ばれる大きなコンピューターの世界では、そのやり方も良かったのですが 例に挙げたような小さな会社では、何台ものクライアントを支えられるだけのサーバーと成るべきコンピューターを置くことができなかったので、各自が各自のCPUで処理し データベースだけを共有する サーバークライアント型に一般企業では徐々に乗り換えられてゆきました。
GUIと言われる、グラフィカルインターフェースという 画面を中心に操作するインターフェースがCUIと言われる文字だけのインターフェースよりもてはやされた時代も手伝って一気にそういう風に変わってゆきました。
その当時は、そういう機器構成にすることで 大きなコストダウンが計られ専用のインターフェースや保守費用を含んだ機器の価格は 大きな物では1/10以下のレベルになり導入するのに十分な動機があったからです。
業務用アプリケーションを動かすと言う面ではそれで完結したのでしょうが、それだけでは済まず ワープロ表計算と言う物まで世間に流行らせてしまったので、各自の機器には色々なアプリケーションが導入されることになります。
各自の導入した時期の差による、アプリケーションのリビジョンの不一致や プログラムのバッティングによる動作不良の発生。
業務用アプリケーションの為の機器のはずが、ワープロ表計算のせいでそのプログラムの動作がおかしくなるという事態が起きてしまいます。
企業用に、各自のアプリケーションが独立して動き、プログラムの導入に導入権限を与えられるNT系(WindowsNTWindows2000WindowsXP)のOSが企業用に提供されます。
一見、それで全てが丸く収まったように見えた 時期もありましたがそうでも有りませんでした。
リビジョンアップの繰り返される、ワープロ表計算ソフトは外部とのデータ交換の際にリビジョン毎に発生する不具合等で(下位互換はありましたが)それに従って繰り返される作業。償却年度の5年の間に多ければ3回も発生します。
そして、何よりも外部から侵入してくる セキュリティ上の問題をクリアする為に 毎日のように繰り返されるプログラムの修正。気がついたら最も高いのは管理コストであると。
例えば、東京本社で北海道に支社がある場合。簡単なことなら良いですが複雑に何社かのプログラムの導入で不具合の起きたクライアントのメンテナンスとなると 統合的に見る事の出来るのはその会社の管理者だけ。出張費用だけで十数万円となってしまいます。
管理コストを下げる為に、過去の形態に戻そうと 中央集中型のコンピューターを作ろうと言うのが Windowsのターミナルサービスというプログラムです。
サーバー上に仮想的に作られたPC。その入出力のみをネットワークで繋がったほかのPCから行うと言うわけです。
具体的に言うと、ビデオカメラでPCの画面をキャプチャーして それを見ながら離れたところで 長く伸ばしたキーボードとマウスを使うようなものです。
ただ、そんなことをすると大変なのでプログラムでそれを実現します。
そうすると、クライアント側には一切のプログラムは置かないので メンテナンスは本社に置いてあるサーバーに向かってするだけで良く 管理コストは低減されます。
クライアントとなる機器は、プログラムを実行しないので低パフォーマンス 安価で小型になります。
例えば、Windowsが動く必要も無く WindowsCE等でも実行可能となります。
SigmarionⅢなんかでも動かすことが出来ますし、以外にも遅い回線 例えばPHSのような回線でも操作できないほどは遅くはなりません。
ただ、問題はサーバーとなるPCで32BitCPUのPC達は 4Gという搭載メモリーの壁を持ちますので 256M以上のメモリーを必要とするXPであれば 8台程度がさいだいでしょう。もちろん、ワープロ等のヘビーなアプリケーションを動かしますから。
ではと、エッジサーバーという小さなボード上に全てを詰め込んだPCを普通のコンピューターの箱の中に何台も入れて実行するという手法に出るのですが、意外に困るのはさっきも出たような 中途半端で20〜50台程度を運用する企業。
場所も管理コストも、初期費用も掛けたくないわけです。
電話がかかってきたのは、そういう用途で端末として使う為だけの機器で Windows2000サーバー以降のサーバーOSを搭載した機器であればそのクライアントとして使えますので非常に安価で便利な物になるはずでした。
何で、「はず」なのかというと PCの価格が余りにも安すぎて 安く出来てはいるけど思ったほどの数の出ていないクライアントは、PCと対して変わらないか若しくは かえって高い結果になってしまっています。
もちろん、それ以外にもメリットは多く 駆動部品が無いために故障しにくいとか PCの場合いくらターミナルに使っても動く前のOSが動作している時には セキュリティ上の注意が必要な点なのです。
しかし、ここに来て 大きな変化が現れ64BitサポートのPCが多く現れてきています。
その上 昨日 Windows2003 server 64Bit Editionが発表になっています。
ましてやマルチコアCPUであれば、現行のサーバーPC一台の場所で 十数台以上のクライアントをまかなうこともできるでしょう。
そんなに遠くない未来に価格も安定し、現行のサーバーと価格的にはあまり変わらない物になることは目に見えています。
そういった発表のあった日に、ようやく日の目を見るようになるかもしれない Windows ターミナル クライアントがジャンクとして販売されている情報を聞くと言うのは なんとなく感慨深い物があります。
対応するアプリケーションの問題があり、全てと言うわけにはいきませんが システムの入替時には間違いなく選択肢に入ってくる構成なんでしょうね。