TREOが時代を・・・

TREOに始めてであったのは何年前でしょう?
アメリカで未だCOMDEXが華やかなりし頃
Treoのブースには女性コンパニオンが二つ折りになったTreo原寸大のカタログを配布する。
未だ、注目を浴びていない頃。
モトローラーの当時の二つ折り携帯(スタートレックのコミュニケーター似と言われたモデル)を髣髴させる、というよりそのまま拡大コピーされたようなスタイルだが開くとPalmであると主張する まだ私の目から見ても荒削りな端末であった。
再びTreoに出会ったのは、何度か手に取る機会があったが心情的に出会ったといえるのは現行機種Treo650という機種。
恐ろしく洗練されたというイメージを抱かせる機種。
もちろん、使う事も無ければ人のものを持ってみたところで 数分で何かをする物でもなくただ触っただけだが印象に残る機種である。
そして、昨日最新モデルであるTreo700Wと出会うことになる。
 
レビューでも何でもないので、そういったことを期待された方は申し訳ありません。
まず秀逸なのはそのスタイル。
極度に洗練されているのはTreo650譲りながら、細部にいたって変更が加えられています。
最初に断っておきますがこの変更は、絶対に写真に写らない部分です。故にこうやって筆をとる気持ちになるのですが、Treo650は非常に手に優しい端末で手の中にまるで手の形に合わせたようにフィットする気持ちの良い端末なのです。尖った部分を感じさせない長い時間握っていても負担にならない、手に汗握るような状況になっても 握り続けていられるような絶妙なカーブを描いています。
それに比べて、Treo700Wはその気持ちのよさが幾分スポイルされた形をしています。簡単に言うと角にある出っ張りが少し張り出しているような。つまり、完成度を明らかに下げたような印象が伺えます。
Treo650からOSの問題もありますが 乗り換える気持ちが発生するかどうかはその方次第でしょう。
私なら正直な話、乗り換える気持ちになる改良だと思います。
完成度が下がって何で改良なんだと、私のいつも書く間違いに違いではないかと。
完成度の高さが必ずしも使い勝手の良さではないというのが私の信念です。Treo650の形が手に優しいあまりに、手がその握りを認識しにくいという欠点を持っているからです。
手の中でどの部分も均等に圧力がかかっている状態を気持ちよいと表現しているのですが、その形で手で抱えているときに、手がどれほどの力で握っているかは全体的な手のセンサーが捕まえています。故に、手の握りの力が自然楽なスタイル つまり弱い目に握る傾向が有るのです。疲れないいいデザインです握ったことを感じさせないほどに。
ところが、Treo650はPDAであり電話であるのです。動きながら握ることもあるし握ったまま他の事をしたりするわけです。
ポケットゲームスさんも周辺機器としてラインナップされていますが「イーグリップ」という商品。Treo650の背面に貼ることによって滑り止め効果を与え端末の落下をしにくくする商品です。こういったものが必要なほどTreo650はやさしいデザインなのです。
それに対して、Treo700Wは確かにあちこちに手に障る部分があります。しかし、ずっと手の中にTreo700Wがあると感じさせてくれるのです。
これを疲れるとするならばそうです。しかし、こういったデチューンも世の中には存在するのです。
私個人的には、すばらしい改良だと感じているわけです。
 
元来、Treoのサイズはスマートフォンの中、それもフルキー付きの中では携帯電話を意識した物と思われます。
明らかに、このサイズのPDAは存在しないと感じさせるサイズです。
つまり、最も良くSmartphoneというものを長い期間の中で見つめ熟成させた形と意識させます。BenQ P50でもそれに類した、しかし それほどコンパクトではないと意識させるサイズです。
携帯電話とPDAのあいのこといえるサイズ。
そのサイズが魅力を生み出している良い例でしょう。たとえて言うなら ハーフといわれる日本人とは少し違う雰囲気を感じさせるタレントさんのように。加藤(日本) ローサ(海外)というように(てこの人ハーフ? とくさん?)
どっちでもない、しかし違和感が無いという感じです。

今回のモデル、SIMロックの付いたCDMAモデル 恐らく海外に出ても契約無しに遣うことの出来ないモデルですから、携帯電話ではなくSmartphoneでもなくPDAとしてしか使えないモデルです。
しかし、このサイズのPDA自身が他に存在しないのです。
この小さなサイズが使いにくいですか?
いや、そんなことは無いはずです 何世代もこのスタイルを徐々に進化させていったTreoです、発売するたびにその形を大きく変える、まるで試行錯誤を繰り返しているかのようなモデルに比べて使い勝手が悪いなんてことはありません。
スライドするギミックも、液晶が廻るギミックもありません。新しい試みもされていません。しかし、製品として完成度の高いPDAとしてのスタイルを感じてみるのも良いのでしょうか・・・