PSE法とポート25

最初にお断りしておきますが、この件について私の基本的なスタンスはどちらも今後のために必要な対策でやり方や詳細な部分はともかくいつかはやらなければいけない対策の1つだと言う事は確かです。
それを前提にしての話なのですが・・・・
 
PSE法と私の付き合いは長く、実際にかかわるのは2年半前 知ったのはもちろん5年前です。
これは、仕事に関わることでそのための対応を進める必要があったのです。
それでも、遅れで笑わないといけない状況なのですが、それは秘密。
ただ、海外から 100円ショップで販売しているような電気製品が出てきたり、おそらくこのまま使い続ければ火を吹いてもおかしくない器具をたくさん見てきていますから何らかの対応が必要だったことには賛成します実例を出すとややこしいので、いつものたとえ話ですが よくあるのが電線をコンパクトに巻くアクセサリーがあります。
このアクセサリーは、だいたい40mmぐらいのボビンに電線を巻いて使うのですが確かに電線がコンパクトになってよいのですが、この状態で通電をするとコイル状になった電線が通常より大きな発熱を起してしまいます。ゆえに安全規格に適合したケーブルでも異常発熱をするわけです。
例えば掃除機の電源コード。取扱説明書をよく見ると必ず全部出してから使ってくださいと書いてあるのですが読む人はいないですよね・・・・
まあ、これと同じことをする訳ですから注意書きは必要です。しかし、入っているのは半数以下の商品だけです。これをよいと見るか悪いと見るかに関しては良いのですが 「皆さんご存知でしたか?」と聞いてみたくなります。
ゆえに規制するというのは乱暴な話ですが、せめてだめなことは駄目なのですと書くぐらいの決まりは作ってほしいと思うわけです。
ゆえに、PSE法の導入そのもの自身には賛成する立場にいます。
確かに古い商品をリサイクルして使うのも良いのですが、電線や端子は劣化します。その劣化を無視してリサイクルを語るのは、「貧乏だからブレーキのおかしくなった車をだましだまし乗る」ということだと思っています。ただし、ちゃんと整備されていたりすれば別ですし、それ以上にそれが何年で来かを正確に測定して評価すべきだと思います。
高額なアンプなどは、容量に馬鹿がつくほど余裕があり 音の為の工夫ですが逆に言えばそれゆえに多少の劣化は安全には何の問題もないものが少なくありません。こういった商品と100円ショップの電気製品を同列に並べたりすることはナンセンスです。また、暫定処置で語った 歴史的価値があるからとかそういったことと安全はまったく関係のないことです。
まあ、これそのものが中古品に関しては事実上骨抜きになったわけですから もうどうでも良い事ですが・・・・
ただ、その告知方法に問題があったことは確かです。
 
テレビや新聞にこの話題が出たのは、昨年末から今年初め。中古販売店が買取を中止し始めた辺りから大きな問題となりました。
PSE法自身は私も知っていましたが、中古品がどうなるのかまでは詳細には仕事でもないので調べてはいませんでした。改めて読み直すと、例外を認めないとの事なので中古品販売にも関わることだとは読み解けます。
しかし、知っててこれですから 知らない人にとっては何をいわんやということでしょう。気がついた大手が話題にし始めて、マスコミが取り上げてようやく問題になる。5年前に決まった法律が開始3ヶ月前に大問題になるなんて笑い話です。
それまで何の論議もしていなかったことが、いきなりデモでも起そうかとなったわけですから話し合いも検討もすでに間に合わないことは自明の理、落とし所を探してさ迷うだけになりました。
法律というのは決めるだけでは意味がありません。それを認知させてその上で守らせることに意味があります。その「認知」という部分で問題があったのでしょう。
「認知」と簡単に言いますが有識者の間での話し合いは何度も繰り返されています。そして、例えばコンピューターに関するものなどはすべて対象から外れたりしているのです。この明快な理由もわからないのですがおそらく消費電力がたいしたことがない(本当は結構たいしたことあるぞ)からなのかもしれません。つまり、この法律に詳しい人の間では十分に話し合われたことなのでしょう。
ただ、これを担当された方の常識と そうでない方の常識が少し違っただけです。
 
私は同じことだと思うのですが、「ポート25ブロック」の問題もそうではないのかと思います。
@niftyを例に出して話をしますが、どこのプロバイダーでも対応はそう変わらないことだと思いますので@niftyだけが悪いわけではないことだけは確かです。
 
「ポート25ブロック」の意味のわかっているかたどれぐらいいらっしゃいますか?
無線LANのHOTSPOTなどでPCやPDAを使ってメールの送信ができる。非常にすばらしい時代になったのですが、それゆえにSpamメールはどこからでも送れる時代になりました。
それも、故意ならともかく知らない間にウイルスに侵されたPCから自動でメールが送信されてSPAMメールを発信したりする危険性があるので送信に使われる「ポート25」といわれるパイプを閉じてしまうという対策を取りました。
まあ、完全に閉じてしまうとメールが送れなくなるので 唯一加入プロバイダー向けにだけポートを開いて送信できるようにはしました。
しかし、それだと他のプロバイダーを使ったメールが送れなくなります。例えばyahooのメールアドレスを普段の連絡用に使っていたり、会社のメールアドレスを使っているような人だと家でのメール送受信ができなくなってしまいますので、接続を担当しているプロバイダーのメール送信サーバーが他のメールサーバーへの連絡もしてくれる仕組みを作ったわけです。
これで、送信メールサーバーを指定するだけで送受信が可能になったわけです。良かったねと言う訳なのですが・・・・

私が何を言いたいかはうまく伝わってないので実例で
werty.ne.jpというプロバイダーに加入しているとしましょう。(これは架空です)
私のメールアドレスは、あ@werty.ne.jpとしましょう
ユーザー名が 「あ」でパスワードが「いうえお」だとしましょう。
ちなみに接続している回線はasdfg.ne.jpというプロバイダーで(これも架空です)
ユーザー名が「か」でパスワードが「きくけこ」だとしましょう。

今までの接続

送信サーバー
pop.werty.ne.jp
受信サーバー
smtp.werty.ne.jp
ユーザー名

パスワード
いうえお

 
でした。
それが、ある日から送信できなくなって、プロバイダーに確認したところ「ポート25」のブロックという対策を取りましたのでご協力お願いしますと・・・・
 
新しい設定

送信サーバー
pop.werty.ne.jp
受信サーバー
smtp.asdfg.ne.jp
受信ユーザー名

受信パスワード
いうえお
送信ユーザー名

送信パスワード
きくけこ

と変更になったわけです。
たいした差ではないですよね。
ところが問題が二つあります。
 
問題1:送信できないソフト、機材がある。
1つは送信用と受信用のパスワードが設定できるかどうかです。
もちろん、アウトルックを初めユードラ等メジャーなメールソフトは対応済です。
ですが、メール転送ソフトである「E-mail 忍者」というソフトは対応していませんでした。
実はメール転送ソフトというのは種類が少なくて他に代替がないんです。
携帯電話に転送して、携帯電話からPCに指示を出してPCで使っているアカウントで返信するソフトが無くて・・・・まあ、泣き言はともかくまったく使えなくなってしまいました。
少し古めのメールソフトを何らかの都合で使っている人等は困ってしまいます。
もう1つは、PCで無い場合。
例えば、私の試した環境ではWindowsmobile2003以前のPPCに関しては送信メール用のユーザー名とパスワードを設定する項目がありません(H1937で試しただけなので 他なら大丈夫かもしれません)
CLIEメール(しかPalmは見てません)にも送信サーバー用のユーザー名やパスワードを設定する項目がありません。
もちろん、フリーソフトを入れたり、メールソフトを変える等の方法はありますが今まで使っていたものは少なくとも使えなくなります。
Symbianも確かそうだったと思います(無線の使える機材を持っていませんのでそれ以上は確認できません)
 
問題2:複数の接続先を持っている場合はどうすればよいの?
例えば会社が「OCN」で自宅が「@Nifty」だったばあい。
OCNがポート25のブロックを行っているかどうかはわかりませんが 行っていたと仮定した場合、当然会社で使うときには 送信メールサーバーをOCNにしないとメールの送信ができません。自宅に帰ると@Niftyに書き換えないと送信ができません。
では、行き先が変わるたびにメールソフトの「送信サーバー名」、「送信ユーザー名」、「送信パスワード」を毎回書き換えるのでしょうか?
申し訳ないがとても使ってられません。
 
この問題なのですが、私は一切困っていません。
なぜなら、回線を切り替える、VPN越しで違う回線から送信する等 多くの解決策を持っているからです。
ですが、「こういった問題が発生することを皆さんご存知でしたか?」
「プロバイダーからの説明文に、この問題のことが書かれていましたか?」
 
この問題に関して、どういった解決策がありますか?との問いに
解決策として提示されたのは、メールサーバーにサブミッションポートを設けてもらうこと。
これはポート25をつかうから問題があるので、違うポートにプロバイダーに変えてもらってくださいということです。
つまり「送信できないのは、使っているメール用のプロバイダーのせいなので そちらに対応をしてもらってください。」という対応策です。
これは、言える相手といえない相手がいるので根本的な解決にはなりそうにありません。
皆さんのプロバイダーが「ポート25ブロック」をはじめられたときの対応をお聞きしていきたいと思います。
 
今回の件で、もっともPSE法との関連性を物語っているのが メールでいただいたこの言葉かと思いますので最後に上げさせていただきます。
「25番ポートブロックの実施は、インターネット利用者の安全の向上を図るため弊社をはじめとする、多数のプロバイダーで実施している制限となっております。ご不便をお掛けいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願いいたします。」
という言葉で、このブロックによって発生する問題点を提示せずに 効能だけを前に押し出し決まったことなのでユーザー側で対応してくださいといういうのは 何となく似て見えてきませんか??