テレビのコンテンツ不足とロケーションフリーテレビ

過去にも書いたのですが、地上波デジタルは狭い電波帯域を有効に使い多チャンネル化を進めるのには非常に有効な手段です。
接近した地区に、複数のテレビ局がひしめく合う状況になれば電波の取り合いは熾烈になり例えば都心部近郊都市などで、実はテレビのチャンネルが殆ど取れない地区なども存在します。
ただ、困らないのは少し大きめのアンテナやブースターのお陰で都心部のテレビが見れてしまうので困らないわけです。
また、地方で単独で運営してゆけるテレビ局は多くは無く(というか殆どないのでは)どこか東京のキー局からの番組配信を受けています。
例えば、「フジテレビ」の配信を大阪では「関西テレビ」が受けています。
一極集中で、キー局にはお金が集まりその資金で番組を作り、配信される側は広告収入も言っていの割合で持っていかれるわけですから大変です。
大阪に住んでいても、「フジテレビのアナウンサー」の名前には知っている名前がありますが(これはTKさんの影響?)「関西テレビのアナウンサー」の名前といわれてもぴんと来ないと言うのが実情です。
それでも、細々と独自の番組も作り その中にはキー局にまで配信される番組も少なくありません。例えばチャンネルは違いますが「松竹新喜劇」。いまや、日本中で知らない人がぐっと少なくなったものですが、元々は大阪ローカルの中継番組だったわけですから。
本来は、各地域毎にテレビ局があるのは地域の情報を流す為なのですが、あまりにも情報の流通が速くなったので、実は大阪市内で起きた大きな火事より、「ライブドアショック」や「メール偽装」なんかのほうが私も詳しくなってしまっています。
見る側がそうなのですから、当然やる側もそうならざる 得ないのでしょう。
 
地上波デジタルの多チャンネル化は、テレビ放送に出遅れた地区などでは周りが周波数を押さえてしまっていて(近接した地域に同じ周波数の割り当てができない為 割り当ては早い者勝ちで割り当てられた)テレビ局が必要にも拘らず出来なかった地区への効果はともかく、そうでない地域は増えたチャンネルを何かで埋めなければ成りません。
じゃあ、何で埋めましょう?
 
ワンセグの放送が始まって、現在あちこちのテレビ局で配信されています。
配信している内容は、現在のアナログテレビ若しくはデジタルテレビと同じソースを流しているようです。
案内番組以外はと言うところなのでしょうか?
せっかく昼間の番組を、普段表に出かけているビジネスマンが見ることが出来るようになっても、流れているのが「昼ドラ」ではどれだけのビジネスマンのハートがつかめるかは疑問でしょう。
そういったリサーチはこれからとなっているわけですから。
 
じゃあ、もし このままワンセグは普通のテレビ放送と同じ物を流し続けると仮定すれば「ロケフリ」の必要な人っていうのはどういった層の人なのでしょう?
勿論、無線LANは使えるがテレビの電波の届かないところにいれば必要ですね。
じゃあ、それ以外でとなると そのままワンセグ放送を見るほうがスマートな使い方でしょう。
1対多の接続は、電波効率がストリーミングに比べてよいですから。
もちろん、他の地域に出張になったり、それこそ海外に出たときに家のテレビが見れるというのはありですね。
 
じゃあ、ワンセグが独自の番組で展開したとしましょう。
ただ、新しい番組をワンセグ用に作ることはさっきの地方局の問題ではないのですが 地上波と同じだけの番組を造るとなれば倍の番組を制作する必要が出てきます。
それを簡単に解決する方法は、音楽のライブや、スポーツの中継等 そのまま流せる物を流したり、音楽をかけ続ける番組だったり、映画を流し続ける番組となります。
それが、地上波側になるのかワンセグ側になるのかは判りませんが必然的にそうなるのでしょう。あとは、昔の番組の再放送でしょうか。
そして、かかったコストを吸収するために 他の媒体にも切り売りするかもしれません。衛星放送やインターネット放送局に・・・・
 
「インターネット放送局」?!
GyaoとかYahooとかに有ります。
まあ、配信レートは決まっていますが十分無線LANなどの環境があれば可能な速度でかなりの画質の映像を配信しています。
好きな時間に始められるのが特長で・・・・・まあ、その内容は良いとして。
地上波用に作った番組を、そのままこういったインターネット放送局でも配信したとすれば、いいえ、各テレビ局はそれに向けた準備を始めています。合併や協力の発表は毎日のように繰り返されます。
配信する側はそれでも良くても、受信する側は「ロケフリ」を自分で買ってまで使っている番組がWEB経由で配信されるのであれば、わざわざロケフリを使わなくてもそのままネット配信を見なくても良いような気が・・・・・
 
最初に戻って、地域に根付いた放送局を目指しているために、地域別に住み分けお互いのテリトリーを守ってきた放送局が 今胸を張って地域の為だけの番組を送信しているとどれだけ胸を張って言えるのでしょうか。いえ、言えるのでしょうけど 何パーセントが自局の番組なのでしょう。
そして、地方比率が100%のテレビ局だとして、全国ネットになった他の局よりの魅力にどれだけアピールできるのでしょうか?
アピール度=広告効果で、広告量=収入です。
そして、広告にかけられるコスト自身が一定だと仮定すれば テレビのチャンネルが増えればその一定の金額を割り算する数字が増えるということでしょう。
 
Sonyの提唱する「ロケフリ」は、Sony製品を買わずに同じようなことをやっている身としては非常に便利に使わせていただいています。
しかし、それを支えるスポンサーとなるべきところがどういう反応を見せるかが今後の先行きを示しているような気がして成らないのですが・・・・