サービスと対価

先日、とあるホテルの社長の会見を見ていて 障害者用の施設の件で問題になっていて、問題は大きくなった物の収まりを見せないのはやはり罰則が無いからだと思ったりもしました。少なくとも、欧米ではハンディキャッパーパーキングに車を停めているだけで捕まったりするわけですから そういったことは良く守られています。
逆に映画なんかでも、車椅子マークのついた駐車場に車を斜めに停めるシーンだけで登場人物が悪い方に所属する人物だと明確に判ったり、そうでなかったにしてもそれほどに急ぐ要件があることを示したりとの描写は伝わりにくい物のあります。
ところが、日本ではスーパーのハンディキャッパーのパーキングに平気に停める人たちがいます。店側も売上に響く恐れがあるので言及しませんし、元々、日本人は比較的慎み深い民族なので本来そういったことは自らの道徳として行わないと考えられているからです。
同様に、「Kid’s meal」 日本語でいうと「お子様ランチ」では抱合しきれないのですがまあ同様の物で、子供向けの量が少なく安めに作られたセットですが これも子供しか頼めません。そして向こうにはシニア用のセットもありこれも安めに設定されています。
こういったものも、ルールがあるのか私が始めてアメリカに行ったころに間違えて頼んだらえらく強く抗議されたことを覚えています。
日本ではOLさんなんかが頼んだりするようですし、良くある事で 最も有名なのは「マクドナルドの ハッピーセット」。勿論、日本ではセットメニューが安く設定されていないこともあり倫理的に構わないのですが、おもちゃの種類によってはいい大人が並んだりするわけです。二次市場として、そういった景品を販売する市場があるわけですからその仕入れと称して動く人たちもいます。
これも、映画のシーンで「お子様ランチを頼んでやろうか?」という悪役が弱々しい主人公をからかうシーンでは、「店員から見ても子供に見えるだろう」という比喩が含まれているというのを何かの本で翻訳家さんが書いていたのを読んだことがあります。
この辺はお国柄の違いでしょうか?
 
ついこの間、「ディズニーランド」のオフィシャルホテルに泊まりました。家族で。
自分でお金を払った中では、最も豪華なホテルでしょう。
最も安いホテルで $7というのを経験していますのでその格差たるや・・・・
そのホテルでのサービスはやはりすばらしく(と私が思っているだけかも)、中でも帰った後に手紙が来るところまで、それも肉筆でそのときの我々の状況を知らなければ書けない様な内容で来ました。
さすがに高いホテルだけの事はあるとおもったのです。
海外でも、さすがに泊まったことは予算の関係でないのですが、パーティに参加する等で(言葉も出来ないのに参加してどうするという噂も・・・)超高級ホテルに入ったり出来ることもありますが、それ以上のサービスを見せてくれるところもあります。
まあ、パーティの趣向ですが「マリリンモンロー(そっくりさん でも、舞台に出ている人)」に抱きつかれて いらっしゃいをされたりもしました。
それに対して、ビジネスホテルではないですが一般の庶民的なホテルの対応はよく言えば「自由にさせてくれる」、悪く言えば「何もしてくれない」 というもので同じ国のホテルとは思えないほどです。
日本の場合、ビジネスホテルそれもそこそこ安めなホテルでも最低限のサービスは必ずと言ってある物です。旅館などではほっといて欲しいと思わせるほどにあります。
サービスに対する対価の支払い方が違うのですから当然ですが、お国柄でしょう。
その代わりと言うと何ですが、レストランで二人で一つの料理しか頼まず分けて食べたりすることは当たり前にされていますし、残りをお持ち帰りするのも普通にされています。
 
サービスはお客の払った対価に対して何をするかと言うことです。
「スマイルは0円です」と言っていても、マクドナルドで食事をしない人にニコニコ対応したりすると言う意味ではありません。
勿論、宣伝や雰囲気と言う意味では道を通りかかる人に対してもにこにこ挨拶していたとしても。ただ、それすらも含んだ料金がこれですと言っているわけです。
世界のマクドナルドでと言いたいところですが、世界中ではそうでもないようで逆に日本の店員さんは頑張って笑っています。
その笑いが日本を象徴しているようで、どんな人にも公平にサービスをしなければいけないと・・・・
 
本来、対価に見合ったサービスなのですが、同じ対価を払ったお客さんに対する満足度を上げるために、他社との競合に勝ち抜くために 支払われた対価に対して一ランク上のサービスを提供するという競争に入りました。
もちろん、顧客も同じお金を払うのであればサービスの良いところに行く道理でそういったところが勝ち残っています。
お金に対しては、石油高をきっかけにしてデフレ感が行き着いた感じですが、サービスのデフレは未だ続いています。
「1ランク上のサービスを」と謳っている企業もあるように、少しづつ上げていって競合が出てくればもう1ランクと。
物品に収まっている間はデフレともリンクし、上げてゆくことが可能だったのですがそれが行き着いてしまうと人的サービスの向上だけが向上ポイントとなります。
ホテルや飲食店だけでなく、物品販売においてもそうです。
ただ、それはあくまでも、各自のモラルが支えている危ない綱渡りに過ぎません。
例えば、通販でクーリングオフを多用したりすれば、実際使用済みの商品を売ることは出来ないわけですから純損益です。これにかかった費用はいずれ商品代金に加えられることは間違いありません。
電話のかからないサービスセンターは、機材と人員の増強の末、そこにかかった費用が商品代金に乗せられる。
あくまで支払った対価に対して行われるのがサービスなので、マクドナルドの店員も善意だけでニコニコしているわけではありません。
「ポイントをうまく使おう」とか、「マイレージ活用法」とか情報の伝達が速くなりまた、グローバルになりそういったサービスを利用するためのマニュアル本まで出てきています。
ビックカメラ」や「ヨドバシカメラ」のポイントも全てが換金されることを前提には作られていません。多くても80%程度しか利用されないので、全ての人が無駄なく利用したりするとその分ポイントの提供を引き下げなければならなくなります。
アメリカの航空会社などは、そういった動きが見られます。
勿論、頭の良い人だけが得する仕組みを作れと言っているわけではないのですが実際の対価を払わずにサービスだけを利用しようとする人が増えれば増えるほど、また、サービス自身のあり方が変質して行っているような気がするのですが気のせいなのでしょうかね?