Wireless Japan

「Wireless」という言葉が何を意味するのかに関して言うならば、昔と今とでは大きく違います。
そして展示会も大きく変質してきたのです。
僅か2〜3年前であればPDAは勿論、ノートPCにも最上位機種以外に無線装置は付いていませんでした。そして、携帯電話にもパケット通信という言葉が出始めた頃で どちらかと言うと総括して「i−mode」という言葉で括られる程度の物だったでしょう。もちろん、これは一般敵にと言う話で。
じゃあ、wirelessという言葉がこれらが一般的になる前には何だったのだろう?というのが現在の「Wireless Japan」という展示会の今の姿だと思います。
「Wireless」は言葉通りならワイヤー(線若しくは配線)Less(無し)という意味で、今であれば無線をその際たる物としてあげるでしょう。
ですがWirelessといえばIr(赤外線通信)もその範疇に入りますし超音波通信、レーザー通信もその範疇に入りますし、今年はあまり見なかった物の過去にはそういったものも勿論出品されています。
DOCOMO」、「AU」、「WILLCOM」の3つのブースのお陰で一気に華やかさがまして、水着+αや−αな人たちも多く見られて 一般的な展示会のようにカメラを持って「俺の目を見て本当に展示会を見に来たか言ってみろ!」と聞いてみたくなる人たちも沢山いました。
しかし、本来この展示会はそういったものだったのでしょうか?
 
私の見て回ったのはどちらかと言うと過去のWirelessJapan。
無線に使われるICやLSI(って言葉が既に死語?)などが見られると嬉しいのですが・・・
展示会の中に出てくるものにも、今回のWILCOM等の様にすでに完成若しくはまもなく完成発売される物。
それに伴い、現実味が帯びたり帯びてなかったりする試作機などは完成品メーカーを見るときの大きな楽しみです。
その次が、実装メーカーです。
これは規格から販売まで一環で行えない会社のほうが当然多く、その開発の部分をまかなっている会社です。
私の日記では、香港で見てきた MiniSDのWifiカード。新しいW−Zero3の登場で一躍注目を浴びましたが、実装エーカー的には発注があれば製作する商品、Bluetoothのものも既にできているそうなので 大口の発注があればすぐにでも商品化してくる商品。
もちろん、販売だけを担当している会社もあります。
そして、今回 日記で取り上げた「miniSD GPS」カードのサンプルを作ったのはその前のメーカーでチップを設計し作るメーカー。
今回の 「miniSD GPS」カードが注目を浴びなかったのには訳があります。
展示中のブースには、何の説明もありません。別に完成品をアピールしたいわけではないからです。
改めて写真を見てもらえば判るとおり、右側の黒いICがこのメーカーの作っているICです。
非常にコンパクトで、GPSユニットのコントローラー及びシリアルインターフェースを装備し3.3Vで駆動し、プログラマブルなポートを備えているのでSDのインターフェースも可能です。
このチップと左側の白いチップに見えるGPSのアンテナがあれば簡単に言えばGPSのユニットが構成されるわけです。
そして、サイズはコンパクトな為にminiSDのカード内にも実装できるサイズだということなのです。
このメーカーは、このチップを販売したいわけです。
そして、このチップを組み込んだ機器を作るメーカーにこのチップを売り込むために展示会場のショーウインドーのなかにこれをそっと置いたのです。
このカードは実働しないそうです。ただ、ここのチップを使えばこの実装サイズで「miniSD GPS」が作れるということが判るようなディスプレイをしたわけです。
 
実装メーカーの商品は、今回IBSが発売するように近い将来 今回のW−Zero3の新型の登場のような時期に合わせて発売されてくる商品です。
しかし、チップメーカーの商品は、未だ近未来の商品です。
この日記で取り上げたからといって、既に発売を問い合わせる先すら未だ無い商品なのです。
今回出ていた中では、ルネサス等も積極的に出品をされています。
DOCOMOの3Gに実装されるアプリケーションプロセッサを作っている(共同開発になっています)メーカーですから当然呼応して次世代な物も展示しています。
同じくTIではOMPプロセッサーのバリエーションが展示されています。
IntelはXscaleを売却したために今後のロードマップは未だ出ていません。
PXA270シリーズは既に3年以上が発売以降経過し、PCの世界では現役を追われようかと言うほどの年月がたっているプロセッサーです。
最近NOKIAも含めて採用の多いTIのプロセッサーには用途別の拡張がなされ、フラッシュメモリーの容量や追加アクセラレーター、追加周辺装置等の統合された環境を提供したり 省電力などでアドバンテージを出せるチップを展示しています。
ARM系なのでアプリケーションは変えずにそのまま動作することになっています。
Intel Insideが必ずしも性能の証拠ではない時代が既に来ているように思います。
 
切り口は人それぞれですし、楽しみ方も人それぞれ。
一般的な展示会では、一般消費者向けと業務ユーザー向けの商品が混沌と混じることは少ないのですが WirelessJapanはこういったものが混ざったか時の展示会のようでそれはそれで楽しいなと思ったりもしました。
変な楽しみ方なのかもしれませんね・・・