68000

数字を書いて私ならと ピンと来る人もいるでしょう。
その通り、CPUの型番です。
モトローラーという会社のCPUで、源流は6800と言われる8bitのCPUの進化系として登場したものです。
非常にマニアックな人気があり、NEXT Step等にも搭載されていましたが 日本ではX68000、海外ではMACのCPUとして有名です。
どちらもマニアックなという表現が相応しい機器でしょう。
X68000は歴史から退場し、MACはその後 Powerと呼ばれるCPUに代替わりし 今Intelに変わろうとしています。
アーキテクチャーの部分でマニアの人気があるのは、その互換性でUnix等のアプリケーションがネイティブに対応するCPUであったことも大きなポイントでしょう。
過去からの遺産も大きく、源流となった6800というCPUは DECのVAXというコンピューターシステムのブロック図を縮小する仕組みで作られたプロセッサーであるが故に、多くのDEC出身者が好んで使ったと言うことが大きなポイントでしょう。
68000シリーズは、MACに最後まで搭載され 確か68050ぐらいまではMACに搭載されていたのを見た覚えがあります。
その後、トンと噂を聞かなくなりました。
 
ところが、別な場所ではこっそり活躍していました。
例えば、当時登場した多くのモデム。
2400bpsぐらいの頃に、9600bpsや14400bpsのモデムが登場します。
その際に一つ困ったことが起きます。モデムのデータを作りながら通信を行うと 当時のCPUではその処理に多くのCPUのリソースを取られてしまう為に、処理が止まってしまいます。
2400bps程度であれば ワンチップのCPUをその為に置いたのですが、この速度になるととても追いつかない。
そこで脚光を浴びたのが68000CPUです。
すでに、通信に関しても長い間の蓄積があったCPUが選ばれたのは必然です。
そして、そこからルーターやシリアルポートつきの機器に流用されて 多くのタイプが生まれてきます。
周辺機器用なので、小型で消費電力が少ないC−MOSタイプで、出来れば本体内にメモリーも搭載すればそれだけ部品数が減りやすくなります。
PC用CPUとしては既に現役を退いて尚、その活躍の場は大きく広がったわけです。
前述のように、低消費電力が小さく 単4電池二本で数時間動き続けそして、メモリー用のインターフェースなども同梱した68000が登場し モデムが小型化、低価格化を続けたわけなのですが そのCPUに目をつけた人がいました。
CPUのシリーズネームは「ドラゴンボール
つまり、Palm用のCPUとして登場します。
現行のARM9シリーズに変わるのが、カラーの液晶を手に入れて消費電力の増大とパフォーマンスの不足を補うために(消費電力は補ったと言うより諦めたが正解)変わるまでの長きの間その地位を不動のものとしました。
現在でも、古いプログラムが動くよな工夫をしてあるために 拡張子が68kとなったライブラリーが存在することをファイラー等で確認することが出来ると思います。 
結果的にはPCより発生して、その道筋を変えて存在し PCならぬPDAにて返り咲いた例です。
 
今回登場した「AMD Geode」もそういった種類のCPUでしょう。
現実的にGeodeのアーキテクチャーは、現行のPentium系のものです。
しかし、ベースとなったのはPentiumそのものです。
現在のCoreと呼ばれる PentiumMがら発生したものに切り替わるまでの間、Pentium2,3,4と重ねてきた種類の初代となるべきものです。
PCで圧倒的な大多数となたったx86系の命令を搭載するCPUは 8086を源流としてベースの命令セットは現在のCoreにしても変わってはいません。
そのCPUに携わってきた人の知識があれば、プログラムの開発が安価で高速に出来るはずだと、登場したCPUなのです。
説明が後先になりますが、68000やARM系MIPSCPUは最近ではどこにでも入っています。
FAXだったり、HDDだったり、プリンタだったり、ビデオデッキだったり、テレビだったりと。
家中のCPUの数を数えると、多い家では3桁に上るぐらいの数量が使われています。
例えば現在PCでこれを見てられるのであれば、入力しているキーボードにも一つのCPUが入っています。
部品がプログラムしだいで共用出来るために 量産効果の出やすい部品なのです。
ところが、最近は少し問題が出てきました。
例えばDVDレコーダーはアナログのデータをデジタルに変換して記録します。
携帯端末用に変換などをした人なら判ると思いますが、Pentium相当のCPUでも1時間番組を変換するのに1時間かかるような非常に大変な処理です。
今まで使っている小型の組み込み程度のCPUではその能力に不足があるわけです。
各CPUメーカーはそれに従って改良を加え命令を追加し高速化を図ります。
ひどい場合には原型を留めないほどに。
であれば、みんなが慣れ親しんでいるx86系を安価で、消費電力が少なく、小型にすれば十分戦えるわけです。
で、登場したのがVIAのEDENでありGeodeです。
 
小型な部分は他の組み込み用と同様チップセットの一部若しくは全部をCPUの中に同梱してチツプ数を減らすことで小型化を図るわけです。
消費電力は動作クロックと比例して高くなるので、動作クロックを程ほどにしてピークパワーを抑えることによって消費電力を下げると言うアプローチも行われています。
例えば水道官の太さが1mあった場合、1cmのものに比べて流れる水の立ち上がりが遅れることからも判るように 最初から最大流れ量を大きく取ると小さな電流を流すのに無駄が出るわけです。
そうやって、程ほどで動くCPUをビデオデッキなどに搭載するわけです。
ところが今回、工人舎から発売された サブノートには Geode LX800が搭載されています。
CPUにはビデオ出力機能まで搭載し、サウスブリッジ相当の小型チップセットが搭載されていることで大きなチップはこれ以外にはメモリーチップだけとなるわけです。
速度は、VIA Eden833MHz相当と言われているので 決して速いほうではありません。
Celeron(PetiumMモデル)の同クロックモデルより20%程度遅い可能性があります。
勿論、パワーマネージメントが働きますので 通常の速度はそれ以下でしょう。
DDR2メモリーをサポートし、800Mのメモリー帯域は優秀なほうですが 実効は400M相当と思われます。
モリーが勝っている状態でしょう。
HDDもパラレルATAと書いてありるのはシリアルATAはサポート外だと思われます。
ただ、2.5インチHDD搭載であると言うのは重量的にも大きなマイナス要因になるにもかかわらずあの重量はすばらしいと思われます。また、速度もこの効果は絶大でしょう。
画面が狭いのは、液晶パネルの問題かと思いましたがそうではなくCPUがその部分を共有する(メモリー等)手前あまり多色で高解像度の出力を行うと、遅さが際立ってしまうかもしれません。
おそらくVISTAアップグレードでの販売はしないでしょうとニュースには書かれていますが、VISTAの要求するパフォーマンスを考えれば最初からそんなことを考えること自身ナンセンスだと私は思いました。
 
では、このPCはどうなのか?
OQO相当のパワーであることは想像できます。
ただ、OQOを使っている身としてはなんとかなるのです。
色々な制限はあります。
ウイルス対策をプロバイダーに頼り諦めたり、アニメーションなんてとんでもないとチューニングし、OSもあえて英語版のまま使っています。
それでも、ワードだったりエクセルで1ページに収まる程度の表を作る程度であれば不自由はしません。
バッテリーの問題もあり最初から動画再生も音楽再生も諦めている私にとって、その部分はどうでもよいこと。
別にメールも出先だから確認できたらよい程度だし OWA(Outlook Web Access)を使えば機器に負担をかけずに使うことも出来ています。
では、万人に進めることが出来るのか?
最大の問題はSSEのサポートが無いこと。
Windows Media Playerも実はネイティブには動きません。
画像を触る多くのソフトで非対応になるでしょう。
昨日も書きましたが、ワンセグ受像機の対応は期待できません。というよりSSEがもし付いていても500Mの機器では再生にリソースを総て消費してしまい、その先は望めないでしょう。
まあ、大きくて重いSigmarion3なのかもしれません。
ただ、割りきりがあって使うと言うことであれば、比較対象にしてよいのかは問題がありますが ハイパワーPDA達と肩を並べる価格であることは非常に大きく評価が出来ます。
初心者のように新しいPCだから どのソフトも動くと言うような誤解さえなければ、店舗でソフトをみて自分で動作するかどうかの環境確認が出来たら、よくソフトを買いに行く店の店員が マニアックなことに詳しいのであれば選択肢として加える価値はあるでしょう。
 
何度も出しますが、私の使い方ではOQOは現役です。
20GのHDDは半分以上空いています。
用途が限られているからです。
そこが価値として認められるのであれば、積極的に購入してもよいかとは思うのですが・・・・薦めることは難しいですね私の口からは・・・