地デジなテレビ

地上波デジタル放送への移行で、視聴時に問題が起きることがあります。
まず最初に問題になるのが受像機の問題。
って書けばややこしいのですが、いわゆる地上波デジタル対応テレビかどうかと言うこと。
当然、対応テレビでしか見れないわけですが 対応していなくても見ることはできます。
それが、地上波デジタルチューナーです。
これは、最近イオン系のスーパーでも5000円ぐらいで販売されているので 購入さえすれば対応していないテレビでも大丈夫となるわけなのですが・・・・
 
地上波デジタルテレビの受像にはいくつかの条件があります。
チューナーの説明書にないのは、PCようチューナーカードでも同じこと。
まず、著作権の問題。
地上波のテレビに関しては、現在の右上に「アナログ」と出るアナログ放送では基本的に何の規制もありませんでした。
しかし、地上波デジタル放送では違います。
B-CASカードと言われる 利用者カードが必要で過去には登録しないと視聴できない程の規制をひいていました(今は、しなくてもOK)。そして、登録されている方も多いので 中古の地上波デジタル機器を購入するとB-CASカードが付属しない(個人情報に帰属するので中古引取りの際に処分又は返却される)のでそのカードを別途用意する必要があります。
持ってなくて再発行もできるのですが2000円〜3000円の費用がかかるので 面倒な話です。
中古地上波デジタル機器の購入時は、そのコストも見込んでの購入が必要となります。
もちろん機器の入替であれば、古い機器のカードを新しい機器にいれてもいいのですが最近ではSIMカード大のミニカードも出ているのでサイズ的に今後の機器には互換性がなくなる可能性はあります。(電話も昔は・・・・)
 
もうひとつの問題はアンテナの問題。
都市部以外では問題になりにくいものの、一般的にアナログのテレビはVHF帯と言われる周波数帯域を使う放送を行っています。
そして、地上波デジタル放送は UHF帯と言われる300M以上の周波数を使って放送されます。
屋根の上のアンテナを見て、いわゆるテレビのアンテナとして一般的な形をしたものが地上波アナログ用のアンテナで、魚の骨のように頭があって同じ長さの短い骨のようなものがたくさん生えているのがUHF帯用のアンテナです。
現状はともかく、東京でも今までのVHF帯は東京タワーの方を向けて、地上波デジタルは第二東京タワーの方を向けなければならないと アンテナの方向が変わってしまうこともあります。
つまり、現在まで使っていたアンテナが全く役に立たない可能性があるわけです。
もちろん、地方局でもともとUHF帯で放送していたところは発信元も周波数帯も近いので共用出来る場合もあります。
最もどうにもならないのは実は首都圏という話なのですが(最初に優先的にテレビ放送を始めたのでVHF帯を人口が多いところが確保したので、やむ終えないところも)・・・
そして、UHF帯のアンテナにも300M〜3Gと広いレンジを使うことと、アナログ放送の場合輻輳の発生(正規の電波以外に他の物へ反射して届いた電波が混じって受信される ゴーストと呼ばれる二重写りなどが発生する)等があるので、ゴーストキッカーなどと呼ばれる狭い周波数帯しか受信できないタイプのアンテナや、広い周波数帯をカバーできない Hiタイプ、Loタイプ等方向を向いているからといって地上波デジタルを(チャンネルによって)受信できないアンテナも存在します。
困ったことにアンテナの外観からその周波数の制限がわからないものが多いことです(内部のジャンパーで切り替えるものもあります)
このあたりが地上波デジタル放送をわかりにくくしている点で、実際にアンテナ工事が必要かどうかは入ってみないとわからないと言うことも。
もちろん、現状のアンテナ(UHFアンテナがあれば)角度を替えるだけで大丈夫と言うことも。
 
じゃあ、そのアンテナ工事ですが 前述の輻輳の問題がデジタルではないので出力の最も強いところを向けばいいだけなので工事としては楽になっているわけですし、小型でカバーされたカッコの良いアンテナが登場しているわけなのですが・・・・
実は昔ながらのアンテナの方が受信感度が良い場合も少なくありません。
多くの場合、格好の良いアンテナは小型で「通常アンテナと同様に近い」という表記が示すように外観の変化に重きがおかれています。もちろん耐久性等の数値が良かったりという事はあるのですが。
じゃあ感度が良くない場合はと言う点では、増幅器とセットで使われている場合が少なくありません。通常の状況では良いのですが、あまりにももとの信号が悪いと増幅しても信号を使えないと言うことになり得るわけです。
もう一つ、UHFになって反射波を有効に使えるようになったので ビルの影になるようなところでも反射波を使ってテレビを受信することができるようになったりもしたのです。(周波数が短いので反射しやすい 逆に言えば貫通力は低下しましたのでビルの中でのアンテナでは見えなくなる場合が・・・)
 
アンテナを頼んで、「見えるようになりましたので確認お願いします。」と工事業者さんに言われて出来上がりとなるのですが、出力が極端に弱いのに増幅器で誤魔化したとか、反射波を適当に使っている場合なのですが
普段はなんとはなしに見れているのですが、雨が降ると画像が乱れるとかでてたりるようなパターンも出ています。
増幅器で処理している場合は、元の信号が悪すぎて増幅しても使えないパターン。反射波を使っている場合は 何も考えずビルへの反射を利用したパターンで ビルの外壁の素材によっては雨で濡れると極端に反射率が悪くなって反射しなくなるパターンです。
でも、素人にはわからないので泣き寝入りのパターンとなるわけです。
 
少しだけ賢くなってください。
地上波デジタル放送のテレビの場合、アンテナ感度ぎりぎりでもある一線以上の受信ができていれば画面が見えるので適度な受信が出来ているかどうかを確認する機能が基本的についています。
「受信感度」という言葉で取扱説明書を探してもらえば出てきます。
雨の日に、その受信感度を見てください。
最低視聴レベルが40dbですので 下回っていれば雨の日の受像を許されないほどの感度であるということで、後者のように反射波を使っていて反射がなくなるパターンです。
レベルが十分あって画面が出ないのは、前者の場合増幅しすぎの場合 電波は来ているけど既に情報が残ってないと言うパターンです。
もちろん、実は雨が振っていない時からギリギリの感度で、雨が降ると受信できなくなるのも工事側の問題であることが少なくありません。
もちろん、ギリギリの感度でこれ以上はお金がかかるからどうしますか?と相談を受けたときなどはこの範囲外とはなりますが・・・
また、複数の機器で電波を割っている場合。
例えば、テレビとHDDレコーダーをつないだりして使う場合は、全部の機器で同時に感度チェックをしなければ分からない場合もあります。(住宅配線も古いと当てにならない)
 
いまいち、画質が良くなった等の情報は積極的なのですが アンテナ詐欺などいろいろなダークな面は表立って出てきません。
一応の基本を知って、せめて無駄なお金を使わずに住む(私の実家もテレビを買い換えて アンテナが無くて受信できないところ)ようにした方が・・・
必ずしもアンテナも買い替えなくて良いパターンが多く(例えば大阪の場合、テレビ大阪向けのアンテナがフルレンジで地上波デジタルが受信できます 必要ないにもかかわらず アンテナ工事と電柱にまで貼ってあります。
是非に騙されないように・・・・