画素子と明るさ

先日から、1000万画素のカメラを使っている。
明るいレンズも伴って、なかなか気に入っているわけなのですが・・・・
 
最近購入したカメラ ここ1〜2年でという事となれば 1400万画素から、1600万画素というものとなっています。
これは小さなICの感光部上に1600万個(正確にはRGB三色あるので三倍かな・・・)の点の感光場所があるという事です。
じゃあ、細かければ細かいほど何がいいんだという話となるのですが コンピューターの上に写真を表示してどんどん拡大していくとある一定から拡大がへんになります。
一つ一つの画像の要素が大きな点となって表示されるようになります。
この点が 1画素子となりその数以上には拡大ができない訳です。
もちろん、ソフト的に 隣り合う画素子からおそらくこんな感じじゃないだろうかという画素子を疑似的に作り出すことはできますが それはないものから作っているので正しい絵ではありません。
時折、白い雲の中に赤や黄色の点が出たりと 拡大して処理をすることによって起きる問題もあるわけです。
 
細かければいいんだというなら・・・・なのですが
じゃあ名刺大の紙を机の上において 升目を書いてくださいと私が行ったとしましょう。
おおよそあのサイズなら3x3ぐらいの升目を書かれるのではないでしょうか?
人によっては時間がかかるだろうと 時間をおいておくといつの間にか ○×ゲームなんて始めたりして(笑
几帳面な人なら縦横何ますですかと聞いてみたり、細かさに挑戦するために10x10ぐらいを作られるかもしれません。
じゃあ限界はどのあたりでしょう?
「顕微鏡レベルでかけば限界はおそらくないぐらい細かい」
dなんて言われる人がいるかもしれませんが実は限界があります。
升目を作るのに引いた線の太さを足していって その幅が紙サイズを上回る升目は作れないのです。
それを超えるとただの黒い紙になってしまうからです。
人よりはるかに細かい線を正確に引ける機械をもってしても その線の太さの足し算の合計は超えられません。
やれることはその線をできる限り細くすることで 細くすることで沢山の升目を作れるようになったのが 画素子数が増えたという事です。
1600万画素などというと1cm四方ぐらいに1600万個の素子を並べてみましたという事になるわけです。
イヤー細かいわけです。
 
ところが、それでも仕切りの線は相変わらず存在します。
存在しなければ その素子からデータを抜くことも電源を供給することもできない訳です。
きわめて細い線ながら太さはあるわけです。
カメラの場合レンズで光を集めて たとえば1cm四方に投射した場合 光の量は同じレンズだと同じです。
線が引かれているところにも 画素子の上にも分け隔てなく光は投射されます。
もし、線の太さが同じで3x3のますと10x10の升では線の太さx6本分投射される光が線に落ちて減ってしまうわけです。(もちろん線だけではないのですが・・・)
という事であれば必要な画素子数が決まれば できる限りそれに近い画素子数に押しとどめるほうが むやみやたらに画素子数を上げるとどんどん暗くなって行ってしまうわけです。
暗くなると何が困るって 一点あたりのサイズが小さくなっていることから 得られる光がすくなく なおかつ全体で得られる光も少ないことから 同じ感度のセンサーの場合どうしても得られる情報が減ってしまうわけです。
簡単に言うと人の目でも 暗くなると色の識別ができにくくなるという事でもわかると思います。
余談ですが 同じ理由で液晶も画素子数が上がるとどうしてもバックライトの透過する量が減るので 詳細な液晶ほどバックライトも明るくしなければいけないのですね・・・
 
これはマーケティング的な側面となるわけですが、やはり 1000万画素よりも1600万画素のほうがすごいぞ!!って感じがしますので画素子数を上げるというのは効果的なのです。
同じボディーとレンズで 旧型が1200万画素で新型が1400万画素とかあるのはそのせいですね。
確かにスペックから言ったらすごくなるわけですが 暗いところでのノイズが増えたり 色が褪せて映ったりといろいろあるわけです。
えっ、そんな状態にあったことがない?? 実は結構このBlogを見ている人たちの買うカメラでは起きにくいのですが 廉価版の1万円を割るようなカメラで高解像度のものは 同じ型でくれべてみると時折顕著にそれが出てきます。
じゃあ、解像度を上げるのは無駄なのか?といわれると辛いのですが 技術の進歩で感度が上がったりで 画素子が上がっても同じクオリティというものがあるわけですが それ以前に画素子を上げずに新しい技術を使えば素晴らしいものができるはずって思ったりもするわけなのですが なかなかそれが出てこないのです。
ちなみに、デジ1とよばれるデジタル一眼レフでは そのもととなる画素子のベースのサイズを先ほどの例でいけば1cm四方から2cmx3cmなどと大きくして性能を上げているわけです。
その分、そこに光を集めるための虫眼鏡のサイズ(レンズですね)が大きく、また大きくなった分画素子からの距離も稼ぐ(長くする)必要が出てくるので大型化してしまうわけです。
 
実際、そういう種類のカメラが出ていて 私も持っているのですがこれって結構マニアックな選択です。
私の場合、スペック優先なので(無駄なスペック上昇も好きだけど、こういう根幹の部分に立ち入るようなものも好き!!)実際に使えてるのかというとお恥ずかしい限りなのですが
それでも、こういうのは 心が躍ってしまいます。
レンズが明るいこともあるのですが、夜のスーパーの駐車場で オートで撮るとISO200とかって ふざけているだろうとしか思えない設定。
プログラムオートにして ISOを強制的にあげると 400で1/60とかって 手振れ補正が効いていると 普通に構えなくてもぶれない写真が撮れるわけです。
でも、商的には失敗なのでしょうね。
店頭で見ていても 画素子数が多いほうが高級という宣伝が多いですし、同じ値段ならズームが長いとか 画素子数が多いとか 顔認識とか基本性能ではない部分のほうが見に来ているお客さんには重要なようです。
もちろん、用途に合わせてそれできれいでいい写真というならそれはそれでOKなのです。
レンズ付きフィルムというのが流行った時代もあるわけです。あれなんかフォーカスも合わない(パンフォーカスで どこでもピンとは合うが どこも微妙にぼけたような・・)し 絞れなくても何とかなるわけです。
暗くて目でも追えないものであれば 撮れなくてもいいっていうならそれもなのですが
それ以上の世界があるって ちょっと知ってもらってもいいかなんて。こんなに技術が進んでいるんだぞって・・・・

written by HatenaSync