無駄にすごいのですが・・・・

技術的に凄い事だけど じゃあどうするの??っということがたまにある。
技術的にすごいものだから話題にはなるし いつ発売されるかなど興味は尽きないのだが それでも発売がされないものって世の中にはあるわけです。
例えば、ここ数日話題になっている 透明のスマートフォン
 
本体内が透明で向こうが見えるSmart Phoneってすごいのです!!
何が凄いって、部品がある限りそこは影になる訳です。
例えば トランジスタだったり抵抗だったり そう、バッテリーなんかもありますよね。
これらはどうしても物として存在するわけですから透けて見えたりはしないのです。
という事は実現不可能だってなるのでは??という事なのですがコンセプトモデルがあるわけです。
じゃあ、前述の部品はどうなっているのでしょう?
 
液晶パネル、今はIGZOとかメーカー毎に高輝度だったり消費電力が少なかったりと独自の名前を付けている訳ですが 昔は方式で呼ばれていました。
DSTNとTFTとかのように。
両者の違いはブロック単位でスイッチングするか1素子単位でスイッチングするかが最も大きな違いだと思うのですが・・・
見た目は大きく違って、人ブロックでコントロールするDSTNに対して ダイレクトで素子をコントロールするTFTは反応速度が速く明らかに目で見て解るほど良かったわけですが 当然DSTNの方が安いので 安いのを買うと反応が遅くて発色も悪くて・・・
なんて状況だったのです。
で、そのTFTは素子毎にトランジスタが付いている訳ですが・・・というところで気が付きました? そう、電子パーツに関して言うなら駆動する半導体そのものは実は非常に小さく見えない程のサイズで配置する事は可能なのです。
この辺り、シャープなどが得意な分野です。
 
じゃあ次に スイッチ等はどうでしょう?
最近のSmart Phoneはそういえばスイッチが減ったと思いませんか?
電源スイッチとボリュームスイッチ程度。
残りは タッチパネルで出来ています。
タッチパネルは液晶画面の上に置かれていて・・・というわけで透過するので液晶画面が見える訳でこれも透明にすることの障害にはならないわけです。
 
本体ボディーなのですが、前例としてiPhone4は全面と背面がガラスで出来ていて それを外側の金属のスリーブに貼り付けるという手法で作られています。
正面から見て透明で、横から見たら透明でなくてもOKということならボディーも透明にすることが出来ます。
気になる部品としてはアンテナも出来る限り広い面積を使いたい部品なのですが 最近の車のガラス内にはアンテナが仕込んで有るのですが気が付きます?
コストさえ見合えばガラスを層構造にしてガラスの厚み方向に金属の薄い箔を広げてアンテナとする手法は実はあります。
それこそiPhone4のように周囲にアンテナを張り付けるという手法もあります。
 
最も困るのが恐らくバッテリーで これはおそらく周囲のベゼルに沿うような構造になるのではないかと思います。
大よそ べゼルの厚みが7mmぐらいで周囲に張り巡らすことが出来れば今のバッテリー程度の容量が確保できるわけです。
実際にはさっきのアンテナなどの場所と干渉するので底まで完全に消すことは難しいとは思うのですが・・・・
 
で、出来上がった電話なのですが欠点が無い訳でもありません。
困る最も大きな点としてはバックライトの問題です。
裏側にバックライトを点けたとして 明るい物を付けると透明でなくなってしまうし・・・
もう諦めて裏側が透明だから外の明かりで字を読むとすれば やはり今あるコンセプトモデルのように白黒液晶となってしまうのでしょうか??
 
まあ、技術的な問題はともかく透明の電話が出来た!!
どうだ凄いだろう!!というのは現在のコンセプトモデルからも伝わって来るのですが
じゃあ、実際使う場合を想像して下さい。
電車の中で手に持ってWEBを見ているとすると 裏側が透けているので恐らく手が見えている事でしょう。
その中に画面が映し出されている訳ですが 裏が透けているので手のひらの影などがうっすら見えて 妙に文字が読みにくい・・・・
周りの明るさも斜め数度ぐらいから侵入する光でも中で反射して目に入ってくるわけです。
液晶の裏側にアクリルの板を用意して傷つける事で判透過性液晶のように アクリル板にLEDを照射したときには全体が光ってバックライトになるような構造となると裏側はほとんど見えなくなりますし 少し視野角は減るでしょうが偏光ガラスで中心点からの光以外はあまり通さないようにするとまあ、乱反射は防げるかなと・・・・
正面から見ると透明だけど 斜めから見ると黒い携帯・・・って本当に透明??
透明のまま行きたいので 本体の欠点は取り除かずに専用のケースに入れると裏側にケースがあるのでくっきり!! なんですが 裏側塞ぐと透明の意味は??ってなるわけです。
 
技術的に優れていることが必ずしも 良い事だとは言えないわけです。
裏側にキーボードの紙などを入れると キーとして使えるのだ!!というなら その文字を液晶で表示すればもっと速いわけです。
勿論、デザインやおしゃれさでは群を抜いていますし 先進性も感じるでしょう。
ただ、パーティー会場や展示会場の様な場所では良いのでしょうが 表で使うには・・・となる事でしょう。
 
日本の企業の凄いのは明らかに欠点というか、これは実際に使えないだろうと思う物を出してきては世界中の企業がやるのですが、これを普段に使える物と同じレベルまで欠点を潰して作ってしまうところなのです。
中国製の透明端末はやっぱり表で使えるレベルでは無かったのですから(笑
おおよそ、偏光ガラスの組み合わせなど 製品化されてくるとは思うのですが 元々が成り立たないレベルの物をねじ伏せたわけですから コスト的にも難しくはなっている訳です。
高付加価値といえばそうですし 他社がまねできないと言えばそうなのですが えらく手間のかかる事を・・・なんて思って見たりはするのですが。
記事を書いている記者さんは その辺りまで考えているのかな?なんて心配になったりして。

written by HatenaSync