伊藤探偵事務所の混乱 10

「幾つか聞いてもいいですか?」
erieriさん:「独身で仕事は家事見習 爺婆無しの好条件よ!」
arieさん:「こいつの事なら、erieri 昔の知り合い」
erieriさん:「そう、昔の親友」
arieさん:「私を殺そうとした 悪友」
「erieriさん 始めまして」
erieriさん:「こちらこそ始めまして」
「arieさん、あのスカーフがどうしたんですか?」
arieさん:「あのスカーフは 広場の露天で買ったでしょ」
「何で知ってるんですか?」
arieさん:「偶然、傍のカフェで見てたの」
erieriさん:「お陰で、金持ちの良い男に振られちゃったのよ」
arieさん:「日本では結婚詐欺は罪になるのよ 知っていた?」
erieriさん:「あら、知らなかったわ じゃあ他の国で結婚すればいいじゃない」
arieさん:「つまり、こういう女よ」
「だからスカーフは何なんですか?」
arieさん:「そうそう、あの後 スキップしながら待ち合わせ場所に向かった」
erieriさん:「下心 見え見えで」
「スキップも下心も出していません」
erieriさん:「本当に下心無かった?」
「そりゃー少しは・・・・ じゃ無くって スカーフはどうしたんですか?」
arieさん:「少し黙ってて!! で、その後にあの広場で事件が起こったの」
erieriさん:「売っていた ロシア人に拳銃でど〜んって」
arieさん:「もう、で、あのロシア人が売っていたスカーフを全て回収していった」
erieriさん:「でも、きっと帰って困ったと思うんだなー お目当ての1枚が無くて」
arieさん:「売れないはずの1枚を買って帰った馬鹿がいた」
erieriさん:「そうそう、一番小汚い 使い古しの中古をわざわざ選んで買った馬鹿が」
arieさん:「勿論、誰がそれを買って帰ったかなんて解るはずは無かったんだけど そのスカーフを事もあろうに彼女へのプレゼントに使った」
erieriさん:「そうそう、一番小汚い 使い古しの中古をわざわざ選んで買って わざわざ彼女にプレゼントする無神経な馬鹿が」
arieさん:「高級ブティックに入った事で 物を見る目をもっていた店長があまりにも珍しいものを見たので外部に漏らしちゃった」
erieriさん:「で、気が付いたお兄さん方が やってきた」
arieさん:「今 下で片付いたって 窓から見てごらん 救急車と消防車がやってきているから」
「いまいち よく解らないんですけど」
arieさん:「あれは、正真正銘 中国古代王朝の国宝級の一品なの」
「じゃあ、KAWAさんの言っていた 数億って本当だったんだ」
erieriさん:「やっぱりあの女 気が付いてやがったんだ」
「でも、それだけでこんな大騒ぎになるんですか?」
erieriさん:「へ〜さすが、10億ぐらいじゃ驚かないんだ」
「額からしても、そう何人もの人が死ぬ額じゃあないでしょ」
arieさん:「そこなのよ、それを調べに来たんだけど こいつが怒らせたから帰っちゃったのよ」
erieriさん:「何言ってんのよ! あたしのせい? 元はといえば詰まんないものを買った馬鹿が悪いのよ」
「あれがですか?」
頭の中で、あのスカーフのことを思い出した。
周りにたくさん読めない字の書いてあるスカーフだった
「確か、ドンパ文字とか・・・」
KAWAさんの言っていたことを思い出して ポツリと口を付いて出た。
arieさん、erieriさん:「それだ!」
二人が声をそろえて叫んだ。
erieriさん:「幻の古代文字 ドンパ文字かお宝の匂いがぷんぷんしてきた・・・」
arieさん:「手は出さないでね! あんたが来るとろくな事が無い」
erieriさん:「ねえっ、一緒に探しましょ 二人の愛の結晶を」
erieriさんは 少し前かがみに擦り寄ってきた。
後ろから僕の肩を抱いて反対の手は僕の胸の辺りに来ていた。
耳元をくすぐる甘い声・・・・
arieさん:「あっ、KAWAちゃん」
「えっ、どこですか?」
erieriさんの手を急いで振り解き 入り口のほうを見た。
arieさん:「ごめん、冗談!」
erieriさんはarieさんを睨み付けている。
「いいですよ、一緒に探しましょう 勿論、手伝ってくれたらですけど」
erieriさん:「勿論、なんでもするわ」
「じゃあ、とりあえずarieさんと二人で ルームサービス片付けてくださいね」
KAWAさんの為に頼んだルームサービスがもうすぐ来る。僕も少し怒っていた。