伊藤探偵事務所の混乱 47

KAWAさん:「年増は好みじゃないの!」
KAWAさんに両肩を捕まれ引きずり戻された。
erieriさsん:「地獄耳、あまり煩いと嫌われるから」
KAWAさん:「嫌われなかったお姉さまの恋人を見せていただきたいわ」
erieriさん:「お姉さまって、KAWAちゃんが呼んでいるわよ。arie」
arieさん:「あたしを巻き込まないで。詰まんない内輪もめに」
KAWAさん:「詰まんないって お姉さま」
arieさん:「お姉さまって呼ぶなっていったでしょ」
erieriさん:「もめてる人達はほっといて、あっちで ね!」
「あっ、いえ、でも」
KAWAさん:「どこに連れてくつもりよ」
「3人とも、止めて下さい」
3人の女性が口々に喋ると、口を挟む暇も無かった。
シェンさん:「中国のことわざに、女性が3人でけんかしだしたら雷が鳴っても終わらないと言うのがあるよ 無駄だから止めないよ」
「KAWAさん、落ち着いて」
arieさん:「うるっさい!」
arieさんの張り手が、僕の頬に刺さった。
シェンさん:「女の言い争いに関わると不幸になるとも言うね・・・・」
言い争いは止まったが、ダメージも小さくは無かった。
老:「そろそろ、喋らせてもらっても良いかな?」
「あっ、すいません どうぞ」
erieriさん:「その前に、説明をしてもらいたいわね」
erieriさんは襲われた訳を聞くために、老婆に詰め寄った。
老:「ほう、それを話してよいのかのう?」
erieriさん:「ど、どういう意味よ」
老:「何しに、あんなところまで行っていたのかな?」
KAWAさん:「そういえば 勝手にどこに行っていたのよ!?」
aireさん:「衛星写真を頼りに、岩山探しだっけ?」
老:「悪いが、連絡係には帰ってもらったよ」
erieriさん:「ちっ」
ばつの悪そうなerieriさんは、視線を外し近くの椅子に座り込んだ。
KAWAさん:「やっぱり、裏切っていたのね」
arieさん:「大丈夫よ」
老:「そうじゃ、この者は悪人ではない。ただ、横取りしようとしてる程度じゃからな」
「と言う事は、襲ってきた犯人は別なんですね」
KAWAさん:「まさか仲間だったら、erieriさんを襲ったりはしないからね」
老:「付け加えさせてもらえば、双方を襲ったのは 全く別の国だがな」
所長:「来ているのはその2ヶ国だけじゃあないようですし」
KAWAさん:「他にも来ているの?」
老:「何を言っておる、お前もその一組であろう」
KAWAさん:「あたしはこの仕事の依頼人よ」
老:「わしから見たら、おなじなんじゃがのう」
所長:「不自然ですね、他の国も一斉になんてやっぱり出来すぎていますね」
arieさん:「そろそろ、吐いたらどう?」
老:「何をじゃ?」
arieさん:「もう長くないんでしょ」
シェンさん:「なっ!」
老:「何故そう思う?」
arieさん:「ここで読んだ本の中に、前代の族長の事が書いてあったわ」
老:「そうか・・・」
arieさん:「で、あの地図を世に出したの?」
老:「それは偶然だ、あの地図がここを出たのはもう80年も前の事じゃ」
arieさん:「じゃあ、あたしが来た時には無かったのね」
老:「それに関しては、すまん事をした しかし、外にあることを話せば世の果てまで言ってでも探したじゃろ」
所長:「それは間違いなくそうですね」
arieさん:「そんな事より・・・」
老:「そうじゃな、しかし、今言ったように地図は偶然じゃ・・・・ いや、必然なのかもしれん。」
arieさん:「前の族長の代ですか?」
老:「ははは、その頃からわしは老と呼ばれておったよ」
いくつなんだろう? このおばあさんは。
arieさん:「じゃあ、必然って言うのは?」
老:「この地図を持ってきた者を見てそう思った。偶然と言うにはあまりにも期が良すぎる。わしの死も信じられたよ」
「えっ、僕ですか?」
老:「若い頃を思い出したよ。その地図を渡した時の事ものう・・・・」
老婆はもう見えないのではないかと思う目を細めて言った。
80年前の若い頃を思って・・・