そんな馬鹿げた・・・

SONY CLIEのTH−55が発売になっています。
個人的には、非常に興味のあるPDAなのですが・・・・
CPUにはUX50と同様のものが・・・クロックを落として。
さて、動作の事に関しては多くのレビューがやってくれているのでいいとして、何でここに来てクロックを落とさなければいけないでしょう。
 
一つは、マーケティングの問題。
TH−55を発売して、約半年も立てば商品的には対抗するべき商品も沢山出てきて商品としての魅力(ここで言う魅力は マーケティング上の魅力で商品自身の事ではありません 現に66Mのドラゴンボールは現役です)が低下してくることを防ぐため。
そう、今は133Mでしたっけ、このクロックをUXと同じ200Mまで上げれば十分に新しい商品として成立します。
今までの性能が、30%上がった NEW CLIEとでもキャッチコピーを付ければ新商品として発売できます。
そうすれば、一つの商品で二度おいしい・・・・って、ずいぶん私すれていますよね?!
まあ、現実にそういった商品が当然のごとく出てきますからしょうがありません。

二つ目は、コストの問題。
「思ったより早いでしょ」はUXが出たときの技術者の話。
そうなんです、意外と速いんです。あの、マルチメディアプロセッサー
処理時間を意識させない 効率的な動作をします。
それがポイントだったりします。
NXモデルに搭載しているPXA250シリーズは、所謂 Pentium4と同様のアプローチで作られた商品。
大量にメモリーを消費し、力任せに動くタイプで とにかくクロックUPの方向に進んでいます。
出なければ、今まで206Mだったクロックがいきなり400はないでしょう・・
だから、たった2G(でも十分すごいと思いますが)で1Gもクロックに差のあるathlonに肉薄される訳なのですが・・・・これというのも消費者がクロック第一主義を貫いたからである(今は違うみたいだけど)
一応、お断りしておきますがintelの技術力がAMDより劣っているわけではありません。Pentium−mと呼ばれるプロセッサーはathronと同クロックであれば同等の性能を出しているようです。
デスクトップの話はさておき、PDAです。
おかげさまでようやくCPUの速度を発揮し始めたwindowsCE(ベースとしてますのでPPCも同様)OSは同時に(見える)複数処理を行うマルチタスクをサポートしバックグランドで行われる処理も増え始めました。
故に、力任せを実現するようになったのですが、PALM OSは未だマルチタスクをサポートしていません 勿論DAアプリケーションという擬似マルチタスクを実現するものも出てきていますが 基本的にシングルタスクです。
そうすると、400Mの性能を発揮する場所が殆どありません。
でも、良いじゃない!! とtungstenのようなアプローチもありますが 全てがそうなんです 液晶の表示チップやメモリーまで クロックが遅いだけでずいぶん安い部品が使えるのです。
価格というのは、マーケティング上大きなアピールポイントになります。
速度を半分にすれば、コストは劇的に下がります。
勿論消費電力も下がりますから、電池も小さいものを積み 本体が小さくなって自然コストが・・・とくるんですが。
あとは、意外と噂のマルチメディアプロセッサー歩留まりが悪かったのかも?
ということもあります。
しんじられないでしょうが、シリコンの板の上に引かれる配線は 写真製版なのです。
だから、日光写真みたいなものです(若い人知らないかも)。
太陽が傾くと、影が伸びるように 真ん中に比べて端の像はぼやけます。
一枚の板から、いくつも取る訳ですから 真ん中の精度の高いものと周囲の精度の「低いものが出来ます。
このプロセッサーは、UXにしか使わなかったわけですから 端っこの精度が悪くてあまり高速で動くとエラーの出るチップが余っていたからかもしれません。つまり、あまり物処理・・・(図星だと、名誉毀損で訴えられたりして)
 
最後の一つは、実は発売するまで判らなかったんじゃないだろうかと思う部分ですけど、200M要らなかった・・・という部分。
不謹慎な言い方なのですが、動画再生や音楽再生の多くの部分を専用のチップ(といっても内部ですけど)で処理する このマルチメディアチップは特定の動作を除いてCPUをフルパワーで動作させることが必要ないのです。
その、特定の動作が問題かもしれませんけど。
実際、今までの66Mで困ったのは ゲームぐらい・・・というpalmユーザーも少なくないかと・・・
特定の動作というのは 瞬間的に大きなメモリーを消費して、高速のCPUパワーを必要とする処理は 動画の録画なのですけどね。
動画の録画は、来たデーターをメモリーに貯めるだけなら良いのですが、そのままだと凄いデータ量になります。
じゃあ解像度を落とそうとするのですが 実はカメラから来るデーターは35万画素の場合は35万画素来て それを間引き処理しているので やはり重たいのです。
間引きして、尚且つ圧縮しようとすると メモリーに対するアクセスが爆発的に増えます。
それも携帯電話のように15秒と特定して、自分のメモリーの中で処理し後でSDに書き込むような処理ならともかく、決して速くないメモリースティックに 圧縮せずにだらだら記録しようにも転送速度が追いつかない・・・
この処理にはひたすらCPUの速度と、メモリーの転送速度が有効です。
いわゆる、pentium4的なアプローチが。
犠牲にするか、どうか きっとギリギリの点で鬩ぎ合いがあったのでしょうが 現在の選択がされたようで、動画に関する部分に関しては特筆する部分が無くなっています。
palmデバイスの限界値の問題なので、これはいかんしがたい・・・
だからといって、魅力が無いわけでないことは知ってのとおりです。
じゃあ、この後も・・・という言い方もあるのですが それが、やはり時代も進むのです。
現在、すでにメーカーに向けてのリリースの終わっているpalm OS 6はマルチタスクをとうとうサポートするらしいですね。
じゃあ、もしかして マルチメディアプロセッサーの活躍の場が・・・と思うのは私だけ?
というよりも、マルチタスクの遅れがSONYの不幸の始まりで でなければ、このプロセッサーはPalm OSの標準プロセッサーの地位すら狙えたかも?と勘ぐるのは私だけでしょうか?
これは、時期を同じくしてなのかどうなのか、メモリースティックを高速転送タイプだけにしてしまったようです。持っている人には不幸ですが、しかし、そうでなければ多くのマルチメディアアプリケーションに不具合が出ることは火を見るよりあきらか。
次世代CLIEでは、青いメモリースティックでは機能が大きく制限されますと書いてあるでしょう。
さあ、ここまでそろって初めて次世代デバイスなんですが 問題はそれを受け入れるユーザーはいますか?
ここを見ている人たちは、少なくともそういう人ですか?