技術的欲求と市場性

凄いと思える商品が必ずしも、市場で受け入れられるとは限らず 数段落ちると思われた商品が市場でブレークする。よくある話です。
これに、この機能が付いたらきっと売れるのに・・・
意外と、商品のアンケートでは良くある話。
だけど、いざ出来てしまうと売れないのが世の常のようです。
トップになれない商品の多くのキャッチフレーズは、世界最小、世界最軽量とかが意外と多くあまりにも小型化に拘る余りに実際の使用感を失ってしまうことが良くあります。
勿論、私は個人的には大好きです マニアックで。
FLAG Shipという言葉がありますが、彼の大航海時代にその艦隊で最も性能の高い船に付けられた名前で、多くは旗艦(これの直訳がFlag Ship)として活躍しました。
長い間に、戦争の方法が個から集団に変わり 所謂 旗なんか立てて ここで戦争を指揮していますよなどと言うと袋叩きに合ってしまいますからそんなことは既にしなくなっています。
しかし、コンピューターの世界では必要になる場合を多く含んでいます。
例えば、雑誌がこぞって特集を組むビデオカード PCI Expressになり新しいチップセットを搭載してパフォーマンスはどうか?なんて
nVIDIAとATIの一騎打ちの様相を、トップエンドの10万円もするようなビデオカードの対決をさも誇らしげにやっていますが、実際に殆どのメーカー製のパソコンに使われたりしているのは マザーボードチップセットに内蔵されたグラフィックチップ。
増設していても、ミドルクラスぐらいまでが殆ど。
つまり、トップエンドのチップの性能は、販売との直接的な相関関係は余りありません。
しかし、実際の販売の世界では トップを誇るハイエンドカードがあって、雑誌が特集を組みみんなが注目するから販売量が伸びるということもあります。
つまり、技術者の自己満足のような商品の開発もメーカーは必要とします。
価格的な問題は別として、そういった商品は異常なほどの熱意を持って造られていることが多く、ある特定の人にカスタマイズされていて、そういう層の人以外には異常に使いにくいと言うこともあります。
決して、けなす訳ではなく 今回、前回も含めたSONYのVAIO Uとか
何もかも無視したような小型化のアプローチや、SVGAと呼ばれる解像度に落としたり、タッチパネルを使ったにも拘らず TabletPCの採用を行わず、専用のアプリケーションを書いてまで 一般のOSに拘ったり、キーボードを無くしてしまったり。
アプローチは極端で、使う人をかなり限定し 市場の大多数を取るつもりの無い販売数は パフォーマンス以外の部分でのフラッグシップと言えるでしょう。
現在、DELLのようなそういう技術部門を持たずに、市場性のある機器を生産し続けるメーカーが多くの利益を得ています。市場の原理から考えれば正しいのですが、フラッグシップを冠するメーカーにも頑張ってもらいたいですね。