伊藤探偵事務所の爆発 37

王子:「彼らは・・」
王子の喋る最中に、手を出して話を遮った。
男B:「俺は“R” で、こいつは “L”それで良いだろ」
みんなはそれで納得したように何も言わなかった。
王子:「それより、何でこんな所にいる お前達の任務は!」
R:「たまには王宮の外の世界も見てみたくてね!」
L:「そうそう、うまい物食いたいし」
二人がニコニコとさっきとは違って笑顔で話をする。
王子:「なに! お前達の仕事は!・・・」
arieさん:「いいのよ、私が呼んだんだから」
王子:「彼らは守りの要、国を空けることなんか出来ないはず・・」
arieさん:「国自身がなくなってしまえば、そんな事言ってられないでしょ」
R:「それより、王子は何故ここに? 囚われていると・・」
助け出された敬意をarieさんが男たちに話す。
それより・・
「arieさん、助け出した事を王に連絡してないんですか?」
arieさん:「そんな連絡するようには、言われて無かったわよ? だれにも」
「でも、王の警備を手薄にしたらむこうで王国がなくなる可能性もあるんでしょ」
arieさん:「大丈夫、向こうにも出来ない理由があるから 2〜3日なら」
「だからといって、王様が心配してるでしょう」
arieさん:「細かい事ガチャガチャ五月蝿いわね、お陰で絶対的な人手不足が解消したんだから 結果オーライよ」
恐らく、故意に伝えない事で彼らを呼び寄せた事は間違いない。
arieさんなのか西下さんなのかはわからないが・・・
arieさん:「じゃあ、メンバーが揃った所で 王子様は控え室に引っ込んで頂戴 狛犬ブラザーズと一緒に」
R:「狛犬ブラザーズ?」
arieさん:「いい呼び名でしょ それとも本当の呼び名がいい?」
R:「狛犬で結構です。王子いきましょう」
王子は納得いかないようだったがしぶしぶ出て行った。

arieさんと、未来さん、そして僕の3人が残った。
arieさん:「本物の王子の警備は彼らに任せましょう」
未来さん:「敵が気づいてなければ、彼ら二人なら守りきるでしょう」
arieさん:「実力は折り紙付ってことね」
未来さん:「彼らは、まだ何か隠しているようですし・・・」
arieさん:「流石、よくわかっているわね 彼らを怒らすと大変よ。まあ、それも後3日以内に片付けないと意味がなくなるんだけどね」
「さっきからの話が良く解らないんですが?」
arieさん:「大丈夫、話しても解らないから」
いつも、肝心な事は教えてくれない。
arieさん:「あっ、未来さん 自称 RとLの事は報告しないでね、私が連れてきたボディーガードという事で」
未来さん:「どうしてですか?」
arieさん:「どうも、信じられない・・・じゃ駄目かしら?」
未来さん:「私たちがですか?」
arieさん:「違うわ、貴方以外の誰かが信じられないって事」
未来さん:「・・・おおむね了解しました」
arieさん:「そう、それは良かった それと、ぼうや」
「はい、何ですか?」
arieさん:「明日のお勉強ね!」
目の前に、何冊かの本が詰まれた。
arieさん:「せめて、その国がどんな国かは勉強しとこうね ぼろを出さないように」
詰まれた本は、僕の腰の高さぐらいまであった。
「こんなにですか?」
arieさん:「そう、一国の歴史丸ごとだからこんなもんじゃないわよ」
「でも、明日まで もう12時間ぐらいでしょ」
arieさん:「12時間もある・・・でしょ 一時間に一冊で、丁度明日の朝よ」
「寝させないつもりですか?」
arieさん:「じゃあね、ばいばい」
「arieさん〜 」
部屋には山住になった本と、僕一人が取り残された。
長い夜になりそうな気配である。
「アラブの国の発展と混乱」
「石油と経済」
「富の偏重」
「テロの実情」
どれも、難しそうな本である。
一晩で理解するなんて・・・・とても出来そうに無い。
いい部屋が割り当てられたのであろう、このまま一晩中この部屋に篭れそうだ。