Opteron マルチコアチップ

AMDからも一般にマルチコアCPUのデモが行われました。
現在のサーバーCPUであるopteron(intelのXeonクラスと思われます)でのデュアルコアCPUです。なかなか意味深な選択で、このクラスでもデュアルコアが簡単に(かどうかは別として)出来るとPRしたわけです。その上、現在のCPUソケットをそのまま使えるとアピールしたわけですからその価値は大きいと。
こういった場合、intelは性能を上げる為に新しい機構を組み込み新しいCPUソケットを使うのが一般的で その際には業界トップの性能を用意してきます。今回のAMDの取った政策は、今までの資産を出来るだけ有効に使える選択になるものです。例えば、会社のサーバーの能力が低下した(データ件数が増えたとかです)時に、メモリーやHDDはいくらでも増設できますが 実際の処理能力を上げることは出来ません。しかし、ソケットが同じでBIOSの変更だけで済むなら、いままでのコンピューターのCPUを差し替えるだけで処理能力をあげることが出来ます。少なくともデーターベースアプリケーションではそれらの機能により高速化するための仕組みが既に出来上がっているからです。
もう一つは、最大消費電力の問題。ここのところ、intelは比例曲線をなぞるように最大消費電力を上げてきています。勿論、平均消費電力はそろそろと下がる傾向にあります。昨日と同じように車に例えると、お客さんが250kmを出すかもしれない車は250kmで走れるように作らなければいけない訳で日本国の法律では100kmが最大だから100kだけで走れる車を作ればいいという訳にはいかないのです。30cmの横幅を超えるタイヤは250kmでも滑らず車を前に押し出してくれますが、普段の30kmの速度ではただの重い抵抗にしかなりません。同じ機能の部品、例えばドライブシャフト(エンジンの出力をタイヤに伝えるためのシャフト)でも、250km出したときに折れない強度のものを必要としますが30kでは必要以上の強度になります。同じ鋼材で作った場合強度を高める場合太くする事になります。つまり重量が増えるということです。車が発進するときや加速するときに大きな抵抗になります。この例でもわかるとおり、intelは最大消費電力(最大限の性能)を保障するために、そのための仕組みを作らなければ行けません。CPUやチップセットに冷却のための仕組みを作るのはしょうがないとして(って、このときに発生する熱は 常に ただのゴミなのです。何の恩恵も我々に与えてくれません。そして払っている電気代の大半はこの為に使われます)CPUを駆動するための電源回路のマザーボードに占める割合の大きくなったこと。消費電力を下げるために低い電圧で動くCPU。そのCPUに低い電圧の大電流を与えるための回路が大きくなっています。そして、その回路のスイッチの発生するノイズを抑えるためのコンデンサの林が立ち並ぶ 一般的な電気回路では異様な光景です。しかし、コンピューターの世界では当たり前でだれもおかしいと思ったりすることはありません。不思議です。
今回のソケットの件は信号線の本数の変化もさることながら、その本数で消費電力の最大値が想像できるためにAMDが今までのソケットをそのまま使うということであれば 最大消費電流も極端に大きくならないと想像できるところがあります。
昨日も、アイドリングで消費する電力をいかに切り詰めるかなんて話を出していたのですが 夜寝ていて思い出したことが・・・そういえば、486の時代はCPUを取り付けた時に先ず通電時に、ヒートシンク(放熱板 このころはファンはあまり一般的では無かった)を付けずに動かし、CPUがあったまる事で取り付けが正常に行われているか確認していた時期が有りました。今、同じ事を度胸のある方にやって頂けたらよいのですが 1秒少々で焼け死んでしまいます。ただ、その時点ではCPUは何の処理もしていないつまり瞬間的に自分を焼き尽くすような熱を発生させているにも拘らず何の貢献もしていない。大きな電力(電気代)はただ、無駄に捨てられているだけなのですから。(正確には起動の為のプログラムが動いています。しかし、それぐらいなら8086でもOKのような・・・)
intelも現在のセントリーノプロセッサーデュアルコア ブロック図が出ていましたがさて、どれぐらいの出来なんでしょうね? noteの消費電力が25%ぐらい低減できるといよいよ標準バッテリーで2桁の駆動時間になるのですが。