PDAってペンや手帳のように

モバイルニュースを見ていて、名言だなと。
もしかしたら、もっと前に言われていたのかもしれませんがそのときは気が付かなかったのでしょう 鈍感ですから。
昔から、機械物は好きで メカニックの究極は私の中で時計であり、機械の官能の究極は万年筆でした。
もちろん、両者とも持っていないからこそそう思ったので きっとすごいものに違いないと妄想ばかりが膨らんでゆく。
時計なんかは、世界の最高級の技術で作られたものの内部写真なんかが出てくるので、みんな そうに違いないと思って、家の目覚まし時計を開けて ぜんまい仕掛けの戦車と大して変わらない構造にがっかりもしました。
もちろん、お約束でそんなにがっかりした物でも見るのと作るのでは大違い、バラスだけばらして怒られる結果になるのですが・・・
その後、親父が組みなおしてくれて 改めて尊敬しなおしたりしながら。
今は、何をばらしてみても機能的な美学は得られないような気がします。
もちろん、チップ内まで行けばともかく 外から見る分には樹脂で固められたげじげじと、それに貼り付けられたアルミ製の羽、うるさいFANが気になるぐらいで この部分はと子供に説明しようにも目で見て判らないので 子供にも理解できるように説明するのは一苦労です。
万年筆は、よく百貨店でやっているJR(当時 国鉄)の忘れ物市で売っている物。
軸の部分はスポイドになっていてインクを吸い上げる機能の付いたやつ。
もちろん、中古ですから(このころから中古を買っている・・・・考えたら業が深い)私がばらしたから駄目になったのか、扱いが悪いから駄目になったのか、それとも元から壊れていたのか、インクが置いておくと漏れてきます。
軸の部分のインクタンクから細いストローの中を毛細管現象に助けられ引きこまれたインクは、途中の小さく分けられたストローの小部屋の中を通り、ペン先まで来ます。
ずいぶん後になってから判ったことですが、あの複雑な経路は 速い速度で字を書いたときにインクの供給が間に合わなくなるので そのサブタンクとして働いたり インクが早く供給されすぎたりするのを防ぐために、各メーカーごとに違う形状をしていて それが機能美の部分であり 万年筆の心臓部分になっていたみたいです。
ペン先は、もちろん金を使ってありそこに掘り込まれた溝の模様が豪華でその部分こそが高級な部分だと思っていたのですが やっぱりガキでした。
今は、一時期100円万年筆みたいなものも出ましたが いつの間にか文具屋でも見なくなって殆どがボールペンかフェルトペンになってしまいました。
ですが、やはり好きな人は好きなんですよね。
自分が持っているペンが、字を書くということにおいては大きく変わらない。その上、持ち運びに至ってはあまり温度変化が激しいと、あまり振動を与えると もれる(高級品はそうでもないらしいです)といった構造を持ったペンで、書き味は滑らかで非常に官能的なのですが 書く方向も決められており間違えた方向に線を引き続けるとあっという間にインクがかすれてしまう。
それだけのマイナスポイントを持ちながらも、いざ持ち歩くとなると 見えない内部に顕微鏡写真で昆虫の体の断面を見たかのような複雑な構造物を持っていると思うと、自分の字に線の太さの変化で表情をつけようと思うと 手放せないものになるのでしょう。
字を書くだけであれば、ボールペンやシャープペンで十分以上の働きをしてくれます。
しかし、万年筆にはそれに見合った魅力があります。
たとえ、100円ショップで5本100円に対して、安くても5000円という価格差があっても それを必要とする人にとっては何にも得がたいものだと思います。
手帳もそう、普通の会社でサラリーマンをしていれば社員数×2ぐらいの手帳は頂きます。
それがノートサイズの大きなものから胸のポケットに入るものまで。
最近では、システム手帳になったものまで下さる会社もあります。
しかし、この季節になると 文房具屋や書店には手帳コーナーができます。
我が家でも、奥様は通販で頼まれたりします。
ミスドミスタードーナッツの関西の省略語 最近では全国で通じつつあります)の手帳を手に入れる人もいるでしょう。
やはり身に着けるもの、人に個人に近いインターフェースに触れるものには金額や利便性だけで語れない何かがあるのでしょうか?
紙の手帳と同じように、PDAにも多くの種類があります。
手帳として使う人、明らかに手帳としての用途ではないことにしか使わない人 それは人それぞれ。
しかし、紙の手帳では得られない何かを与えてくれると信じているんですけどね。
PDAがなくなると言った人もいますが、利便性だけであれば次世代の何かに駆逐されてなくなるかもしれません。
ノスタルジーだったり、官能性だったり それ以外の何かだったりするかもしれませんが そういったものを感じる人が私の周りには沢山いますから、なくならない気がしますね。
楽しいですから・・・・