Miss Lは、ローズバスが大好き 9

そのまま夜がふけて、12時を過ぎるまで話をしていた。
怪物の正体は解らなかったが どうも人の手によるものではないかと・・・
ただ、犯人の予想は立たないと
「結局何にも解ってないんじゃないですか?」
Mr.G:「言いにくい事を ずばずばと」
気が付いたら、1時になっていた。
「お仕事はいいんですか?」
Mr.G:「そういっても思いつかないものはしょうがない・・」
「でも、困るんじゃないですか?」
Mr.G:「困るのは、明日来る人 と 印刷やさん」
「・・・・仕事なくしますよ」
Mr.G:「その時になって考えよう、今日は遅くなったから泊まって行ってください」
「でも、」
言葉ではそう言いながら、もう帰るのが面倒くさくなっていた。この間の部屋に泊まれるならいいか・・・
「じゃあ、遠慮せずに」
Mr.Gは部屋のかぎを渡してくれた。部屋には鍵をかけられるようにかと。
何のために残ったかは解らなかったが、とにかく今日はゆっくり休めそうだ。
柔らかいクッションのベットに倒れこんだ。
昨日の服の中には、柔らかい綿の服もあったので 服をそれに着替えて寝そべった。
気が付くとそのままずっと眠ってしまいました。
翌日は、朝から起きて 部屋に着替えに帰った。
部屋に帰ると、愕然とした。
ドアは、どちら方向に開ければこういう風に折れるのか解らないほどわからない方向に曲がっている。
というより、ドアが安普請だったお陰で 壁が無事だったような状態である。
もちろん、ドア枠もにも大きな傷跡は残されている。
馬鹿げているとは思うが、そんなドアでも鍵を開けて入った。鍵を開けた途端 ドアは部屋の中に向いて倒れていた。
いいアパートだったのに・・・安くて。
昔の文化住宅で、あまりにも不便なので 私と不法外国人ぐらいしか住んでいない。その二階の大半が削り落とされるようになくなっていた。
腰の辺りから上が 綺麗に大きなのこぎりで切り落とされたかのように なくなっている。
これぐらいさっぱりすると、何をどうしていいかも解らない。
それでも、中に入って家の中の椅子を良く確認して、砂だらけだったので近くの適当な布で払って座り込んだ。
こんな状態でも家で座ると少し落ちついた。
埃を払った布が、なんなのか広げてみる度胸は無かったが 自分の服だろう事は予想がついた。変わり果てた姿になってしまった。
部屋の中も外と同じく 大きなのこぎりで切られたかのように端面が出ていた。
崩されたのであれば、家の中も埋まっているはずですが 砂埃が積もっているものの床が見えないほど崩れているわけではなかった。
上半分はどこに行ったんでしょう??
僅かに、窓側に向かって切り口が傾いているので そちらの過去に窓のあったほうに向かって歩いていった。窓の外には小さな庭と隣との壁の場所に ブロックで出来た塀がある。
しかし、そこには落ちた屋根が崩れた土くれとなって落ちていた。
屋根瓦が下になる形で、屋根の形を辛うじて保っているのでこのまま落ち込んだ事が良く解る。
ざっと見回したが、それで困るものはというより貧乏でたいしたものは置いていないので失ったものは対して無さそうである。台所用品は少し高い位置にあったので軒並み駄目なようである。しかし、面倒くさがりで テーブルの上に置いてあったちゃわんとお皿は無事だった。 ただ、使える自信は無いけど。
もう一度椅子に座りなおして 途方にくれた。
何でこんなにいろんな事が起きるの??
元はといえば、あの仕事についたことが原因なんだろうか?
この仕事についてから色々の事が起き過ぎる。取り合えず 取り合えず。警察に連絡した。
携帯電話から電話をかけた。
「わたしの家が壊されているみたいなんです。昨日の夜のうちに」
相手の反応を聞いていると、説明するのに時間がかかるだろうことが想像できた。余計に頭が痛くなってきた
この間、Mr.Gのところであった刑事を思い出した。
「川原刑事さん おみえですか? 事情はその方がお詳しいので・・・」
しばらく後に携帯に電話がかかってきて、この間の刑事の声だった。
そして事情を説明すると、すぐにこちらに向かうと約束してくれた。そして Mr.Gのところで待っているように言われて そのまま鍵もかけずに(ってかけてもどうしょうも無いけど)事務所に戻った。
出るころには、周り中に野次馬が集まっていた。そりゃ-そうでしょう こんなに珍しい光景はそんなに見られるもんじゃない。
事務所に戻ったら、Mr.Gが刑事からの連絡を受けていたのか 事情を知っているようで 解ったような話し振りだった。