三本の矢

一本では折れる矢も三本まとめたら・・・って昔の話でありますが、最近は何でもまとめるのが流行っているようです。
無線LANの新しいものとして108Mの論理値で繋がる物が出たようで どうも802.11Gを2回線まとめて使い54M×2でそういう速度になるようなのですが どこかで聞いたような話。
Air−Hで32k×2で64K ×4で 128K 最近出たもので ×8で256kとやるのと同じ方式です。
他にも、CDMA-ONEでもW−CDMAでも電波を複数本束ねて使って帯域を広げていますから 同じようなものです。
もっと昔にさかのぼれば、モデムで接続しているころに モデムを4台繋いで 9.6k×4で使えるルーターがあったり、専用線は128kを越えると一気に価格が上がるので 128k×N本で運用するシステムがあったりと色々あります。
多くは、コストに制限があったり規格上限がシステム要件を満たしていない時の対応策として 新しいものを用意するより手っ取り早い手として作られました。
勿論、いまのPHSにおいても 32k上限の根拠が(将来的なというか今でもという話は置いといて)あるわけではなく 同じn本でも一歩名足の速度が上がれば本数だけでの表記の意味は無いのですが。
他にも、ビデオカードやネットワークカードのへのCPUからのデータ転送速度の不足を改善するために現れたPCI−Express の×16とかも本来シリアルバスであるPCI−Expressのバスを16本束ねて使おう事により転送速度が高速になっていると(本当は高速になっているのではなく 単位時間内に送受信する幅が増えて結果的に多くのデータが送受信できている)いう仕組みです。
モリーも、2枚のメモリーに分割してデータを書き込む事によって 高速化する技術もあります。
確かにまとめる技術自身は進歩したのですが、本来の基礎技術が進歩しているわけではないような気がしなくも無くて、ちょっと考えてしまいますね。
今回のネットワークの技術も実は決して初めてのものではなく、一部メーカーのHUBなどでは採用されている技術です。
「TRUNC」とよばれるものがそれで 100M時代のネットワークの帯域がサーバー側又はHub間で不足したとき、って言葉にすると難しい言い方になりますが つまり 1本のネットワークを複数のPCが利用すると、誰かが話している間は誰かが待っていなくと駄目で 台数が増えれば増えるほど待ち時間が増えていって 遅くなるという事なのですが 何台ものPCが繋がるデータベースサーバーやHubには複数台のPCが繋がるために、そこから先に繋がる部分にはバックボーンと呼ばれる高速な回線を用意しないと待ち時間だけが長くなってしまうわけです。
ですが光ファイバーを入れて高速のネットワークを引かずに何とかしたい時には非常に便利で 4本の普通のネットワークケーブルをまとめる事によって 400M(対向800M)の速度を出してくれます。
×2 ×4 ×8まで私の知っている範囲で存在し 最大対向1.6Gの速度を出しますのでかなりの速度です。
専用のHubやネットワークカードを利用してでの話なのですが。
簡単に言えば、そのHubを持ってきて 各ポートに無線の54Mのアクセスポイントを付ければ、864Mの無線LANが出来上がるとなるのですが 以外とそうでもありません。
電線のように、帯域が多くの部分で確保されている物を利用するのであれば それもいいのですが 無線にしても電話にしても(両方無線か)アンテナに来電波の量は刻々と変化します。その為に そのうちの1回線以上の帯域が十分に確保できない時にはまとめ方を変えるような仕組みが必要です。
先ほどの例のように、TruncのHubに無線のアクセスポイントを付けて動き回ったりすれば途中でネットワークが切れたりします。
Air−H(Air−EDGEって書かないと駄目かな?)などでは まとめた回線の中で最も転送率の低いものを基準にデータの転送を行う仕組みになっていたかと思います(詳しい方コメントくださいね)。ゆえに、最も近いアンテナに3本しか空きがなく 100Mぐらい離れた所のアンテナを1本拾う事になると 100m先のアンテナとの通信を基準に転送速度が決定されるんですよね。と、いうことは、本数が増えれば増えるほど速度が下がる可能性が高くなると・・・・
勿論、携帯電話の3Gのように 電波の1本の出力が弱ければ 4本で通信するはずでも1本を電波状況が回復するまで切り離して3本で通信したりする仕組みも備えているでしょう。
モリーやBusのように安定した帯域が確保されていると思われるものでも、高速になればなるほど、その微妙などちらかの遅れによって問題が発生する事があります。
論理値というものは最適の組み合わせにおいて発揮される性能で、例えば100Mのネットワークを電線で接続したとしても 60M程度がピークになります。
しかし、電波での接続の場合は論理値は参考値にしかならない事が多く ADSLの転送速度のように 8Mと40Mの差が体感できるかどうかと言ったことが話題になるように 同様の問題が発生します。
メーカーの提供する環境でのテスト(展示会等)での表記や実験もさる事ながら、実際の作業上での速度は やはり使われる場所での実験が必要になりますね。
3Gの携帯電話においても、未だ必ず最大速度を発揮できると保証できるほどのアンテナの数は確保されておらず、どちらかというと顧客数の少ない地方でこそ速度が発揮されたりする事も言われていたりもするらしいのですが、そう言ったことはあまり公開されないんですよね どのベンダーさんも・・・・