Miss Lは、ローズバスが大好き 14

Mr.G:「お話はそろそろ終わりですね」
Mr.Gは話し疲れたのか話を打ち切った。
小柳刑事:「待ってください、もう少しだけ」
暴れる男をまるで子供を押さえる程度に捕まえたまま言った。
小柳刑事:「だとしても、誰が何のために?」
Mr.G:「そこまでは今までの情報では解りませんね」
小柳刑事:「でも、何か手がかりだけでも?」
しつこく追いすがる。力が入っているのは見ていれば解る。
七瀬刑事の顔が見る見る赤く変わり、今は青く変わりかけている。
「死んじゃいますって そんなにしたら・・」
顔色の大きすぎる変化につい口出しをした。
はっと気が付いた小柳刑事は、七瀬刑事から手を離したので そのまま足に力が入っていない七瀬刑事がそのまま床に崩れた。
「大丈夫ですか?」
口の端から泡を吹いているが、どうにか意識があった。
水とタオルをもって、七瀬刑事の所まで駆け寄った。
「でも、おかなか空かないのですかね? あの怪物は?」
Mr.G:「多分、消化器官全部が無いからお腹が空いても食べる事は出来ないと思いますよ」
なんとなく、私の喋り方に引っ張られて変な喋り方になっている。
「でも、消化器官があるかどうかはともかくお腹が空いた感覚は無いんですかね?」
Mr.G:「その先を喋っちゃうと、小柳刑事が喜びすぎるんじゃない?」
「はい?言っちゃ駄目な事だったんですか?」
口を手で押さえて言った。
小柳刑事:「そんなことは無いですよ、いつも喋ってもらうのに何日も掛かるんですから 勿体つけて」
Mr.G:「あれ? 勿体つけてなんて 心外だな。解りやすく説明しているつもりなのに」
小柳刑事:「決してそんな風には、でも、先生今日は楽しそうですよ!」
Mr.G:「じらすつもりは無いのですが、お茶を飲んで仕切りなおしましょう」
「はい、では何か入れてきますね」
そろそろお昼も近いし、コーヒーにしましょう。
気が付いたら、部屋中のお茶の香りは消えていた。出来る限りユックリ 香りを楽しめるようにお茶を入れる。
椅子に座り、ユックリ蒸らしているのを見ていて 小柳刑事は七瀬刑事を買い物に行かせた。
3杯入れるか 4杯入れるか迷ったが、取り合えず4杯入れる事にした。
今度はもうお昼に近いので、小さ目のカップに入れた。
Mr.G:「では お昼が近いので手早く済ませましょうか」
「お腹が空いたって所ですね ほんとに空いてきましたからね」
mr。G:「感じてるといいんですけどね」
小柳刑事:「感じてると良いってどういうことですか?」
Mr.G:「解りますか? Miss.L」
あっ、まただ・・・・楽しんでいますね?
「お腹すいた事を感じた所で 食べる事は出来ないって事ですよね。その他にも無い器官があったり 動きも無理してたりすると 痛みや辛さですら感じないほうが楽だったりする訳じゃないですか?」
Mr.G:「わたしもそう思いますよ でなければあんな無理な生物は成り立たないでしょう。」
小柳刑事:「じゃあ痛みも感じてないって事ですね じゃあ、殴ったぐらいじゃ止まらないって事ですね」
Mr.G:「これは推理で確証では無いけどね」
小柳刑事:「じゃああの怪物には、その生活を支えるためにかなりの施設があるって事ですね」
「その施設って、移動式しか考えられませんよね」
小柳刑事:「どうしてですか? 空を飛べるんだから かなりはなれていても大丈夫でしょう」
「駄目ですよね、空を飛ぶって言うのは 歩いたりする事に比べて何倍ものエネルギーを消費するんですよ。その上消化器官が無いって事は常時エネルギーの補充が無いって事でしょう。そんな状態だったらあっという間にガス欠で落ちて来ちゃいますよ」
小柳刑事:「と、言う事は怪物の現れた近くに必ず移動式の施設があるってことですね そこに非常線を張れば良いわけですね」
Mr.G:「そろそろご飯を食べてもいいかな?」
小柳刑事:「ありがとうございました」
“ピンポーン“
玄関でベルの音がして、七瀬刑事がケーキを抱えて帰ってきた。
小柳刑事:「おい、行くぞ!!」
七瀬刑事:「このケーキは?」
小柳刑事:「Miss.L 今日はありがとうございました。後でお二人でどうぞ。mr。Gまた改めて・・・」
七瀬刑事からケーキを奪い取って、私の手に無理矢理握らせて、そのまま七瀬刑事を連れて出て行った。