Product−X 挑戦者たち

「メニューから メッセージまで日本語でなければ純粋の日本語化とは言えない」
 
話は日本にBenQ P50が来る前にまで遡る。
「日本語化」の意味を改めて考え直す必要がある。
一般的な日本語化されるPPCは、英語版のPPCを日本語化するということ。PalmOSのようにすでに日本語化する手順が確立されていたりする場合は、中国語版の日本語化は日本語を表示するためのCJKOS等のツールが入っていて 逆に日本語化の障害が少ない と単純に考えられたりする。
しかし、PPCの中国語版の日本語化というと未知の世界であった。
英語のPPCの日本語化は、一般的には日本語が表示入力できるようにするものです。普通の日本人であれば カタカナの「スタート」が英語の「Start」と同じ意味であることは想像するに難くない。
しかし、中国語の「スタート」は何と言うのであろうか?
それに対する知識すらない状態で 中国語版を選んだ事。それも、未だ英語版も発売の見込みの無い機種を選んだことは 自ら「いばらの道」を選ぶに等しかった。
英語版と同じ手順の日本語化では、日本語の入力と表示が出来るようになっただけかもしれない。
それも、同じ手順で動くという保証など何も無い。
遠くない未来に、英語版が発売されるだろうことはわかっていた。
相手が熱意だけで乗り越えられる相手であるかどうかが問題であった。
「中国語版ですよ?」
という問いかけに、K氏は迷わず購入を決めた。
「最悪自分ひとりで済むから・・・・」
しかし、実際には多くの 初回だけで合計11人が参加することになった。
 
「日本語化はどこまで?」
の問いに対して、K氏の結論は 「全て」と答えるに至ったのは 一人でなくなったからに他ならない。検ben隊の存在が後押ししたからであろう。
英語版PPCでは ATOKの動作までで、日本語化の殆どは完了したといっても過言ではない。しかし、ここは足を止めるべき地点ではないと判断した。
「メニューから メッセージまで日本語でなければ純粋の日本語化とは言えない」
日本語化に新たな方針がつけられた。
恐らく、数ヶ月前に彼がこの方針を立てたとしても だれも信じなかったであろう。しかし、今の検ben隊には、この方針を疑う隊員は一人たりともいなかった。
もしかして、いや きっと出来るに違いない。
日本語化に向けての新たなアプローチが開始された。