フラッシュメモリーとD−RAM

D-RAMは簡単に言えばコンデンサの集合体。
端子と端子の間に絶縁体を置けば両端子の間に発生した電位差が絶縁体に区切られているとはいえ近接した端子間の誘導に引かれてバランスを取れた状態に・・・・
まあ、簡単に言えば静電気がたまった状態ですね。
大きく仕組みは違いますが、電池と同じ電気を貯める仕組みがあります。
ただ、静電気みたいな物が溜まっているだけなので 頬って置くと勝手に放電されて消えてしまう運命にあります。
電気がある状態が「1」ない状態が「0」だとすると、時間が経てば全部が「0」に成ってしまいます。
それじゃーメモリーとして使えないので、リフレッシュという作業が必要で、メモリーの内容を読み出して、書き直す作業が定期的に必要となります。それも消える前に。
D−RAMの中では高速でこういった作業が繰り返されているわけです。
故に、常時電気を消費し続けるわけなのですが・・・・
 
それに対してフラッシュメモリーは書き込む時には分子の配列を変えたり、電気容量で焼ききったりと方式は沢山あるものの一度書いたデータは基本的に消えることがありません。
ところが、フラッシュメモリーの書き換えには 物理的な変化を要求する物が多いので速度的に高速になることに対して限界がある場合が多く、D−RAMほど高速になりえないというのが現在の実情です。
コストもなにも全く無視すれば、別の仕組みの高速なメモリーを作ることが出来るのでしょうがそれは現実的ではありません。
数十万のPDAが出ても、誰も買わない・・・(自信が無いな、買う人がいるかもしれない)
 
今までは、D-RAMにプログラムも実行用のワークも置いていました。
高速に動作して、快適に動きました。
しかし、欠点もあります。
電源SWを切った状態でも電気の消費は止まりません。リフレッシュの為の電源は常に消費されています。
勿論、動作時に比べれば僅かな物ですが徐々に消費されてゆきます。
そして、ある一定以上バッテリーが消費されると ぷちっと切れてしまいます。
そうすると、全てを忘れて購入した状態に戻ってしまいます。
なんかの拍子に、例えばMP3ファイルの再生をオールリピートで切り忘れていたりすると気がついたら赤ちゃんに戻っていたなんてこともありえる話しです。
勿論、その為にシステム保護用のバッテリーが内蔵されていて、メインバッテリーが無くなってからも5日間内容を保持してくれることになっています。
ただ、そのバッテリーは多くはNi-cdでメモリー効果もあり実際は半分ぐらいになっていることも少なくありません。
まあ、交換できるパーツでもないので、PDAには寿命が出来てしまうわけなのですが・・・・
かの地には、私のPDAであるX50VのRAMを64Mから128Mにupgradeしてくれる職人さんもいらっしゃいますので それぐらいのことはすぐにやってくれるでしょう。
アップグレードのレポでもしたいところですがアプリケーションの入れ替えをしていないので宝の持ち腐れ状態です・・・・。
 
それが、昨今のWindowsMobile5以降は、プログラム用メモリーが、過去のストレージエリアに移行し、実行用メモリーは過去の実行用メモリー+プログラム用メモリーに書き換えられました。
故に、昔のように実行用メモリーとプログラム用メモリーの割合を変更したり出来なくなるわけです。
大いなるメリットとして、電気が無くても消えないフラッシュメモリー上にアプリケーションやデータを置けば不用意に電池がなくなっても充電すれば過去の環境が戻ってくるというのがあります。
まあ、失恋して自然にデータがなくなるのを悲しみながら待つような事は出来なくなりますが・・・・
「今までは何故そうしなかったのか?」
簡単です、フラッシュメモリーが高価で遅かったからです。
CD−ROMの速度を基準にフラッシュメモリーの速度を記載しているメーカーがありますが(何が根拠なのか昔から不思議だったのです) 300Kb×60倍 等々だそうです。
読み出し速度の単位で書き込み速度はそんなに速くない。
PCでもCD−ROMで動作させるアプリケーションがあればその程度の速度でPDAは動いているということでしょうね。
そりゃー遅いわけです。
 
物理的な(といっても分子レベルでですが)変化で記録しているフラッシュメモリーは永久に動作続ける物ではなく ある日いきなりビットが書き込みできなくなる若しくは、読み出しできなくなることが発生します。10万回だったり100万回だったりの書き込みを行った後に発生します。
それがPDAの寿命と成ります。
現在のCPUには、フラッシュメモリーが実装されている物が少なくなく、CPUの交換という方法でしかそれに対する修理ができないからです。
 
ともあれ、PCでHDDとRAMの使い方が違うようにPDAでもそういった方向になったことは決して悪いことではなく、PDAが初期起動したときにはROMからOSの一部常駐部分をRAMに読み込み実行し、必要な部分はRAMに転送され実行される。
速度を要求したり、本体に付随したワークファイルが作成される物などはRAMに転送されそれ以外はROM上で実行されるような仕組みになっているようです。
ただ、データを何処におくかの問題があるのですが、出来る限りフラッシュメモリー上に持っているようです。
PCのように起動中に障害が起きるとデータが消えてしまったでは洒落にならないものではありますので・・・
 
利点が目立つフラッシュメモリーですが、良いことばかりでも有りません。
以外に、書き込み電圧の高い物が多く それゆえに別に電源が用意されることも少なくありません。
バランスの問題ですが、書き込み電流が低いと読み出し電流がそれより低くなりという形でスライドする為です。
遅さも徐々にではありますが解決し(読み出しだけと言う噂もあるが)、価格も需要と比例して驚くほど低下しています。
このまま、PDAだけでなくPCにもフラッシュ化の波が来るのでしょうかね?