トンボの目玉は水色眼鏡

「あ〜おいお空を飛んだから〜」ではなくて、トンボの目は青いお空を飛んでも青くなりません というより多くの場合青く見えません。
どう見ても黒の要素が買った目玉になるか 体色に近い色に見えることが多くて これは数多くの目玉がある複眼と言うシステムになっているから目と目の間にさんの様な黒い仕切り板(黒くない場合は体色)があります。
人の目も、多くの神経細胞が眼球の裏側に張り付いていて それに対して水晶体と言うレンズがピントを合わせて像を映し出します。
カメラのようにピントを合わせるためにレンズがあり、それで結ばれた像をCCDで電気信号に変えるのと同じような仕組みです。
ところがトンボのような昆虫に多い複眼は少し仕組みが違うようで、神経細胞毎(なのかどうかは判りませんが)にレンズが存在して、カメラで言うところのパンフォーカスのような固定式のレンズで物を見ているようです。
水晶体を筋肉で引き伸ばしたりしてレンズの厚みを変えて焦点をとる仕組みに比べて簡単なのか昆虫には多いタイプです。
しかし、多くの昆虫が人と違う周波数の光を見たりしていて可視光域が広かったりすることもあるようです。また、ピントを合わせる仕組みが無いわけですから高速で移動する物に対しての追従性が良いのも特長で、人の目では追いきれない昆虫が 自由に飛び回っているわけですからそういうことなのかもしれません。
しかし、問題が無いわけでもなく 実はピントがきっちり合っていません。
多くの携帯電話のカメラは、ピントが合っているといえばあっていますし、そうでないといえばそうだと言うような微妙な絵になります。どうも画面が眠いのでレンズの汚れを気にしてせっせと拭いてみても改善しなかった。
写るんですを初めプラスチックレンズの性能は上がっているのでレンズのゆがみと言うよりは・・・・
なんて、全域でピントが合い易い様に絞りを調整して 無限大に近い場所にフォーカス距離をあわせているわけです。
故に、完全にピントの合ったがっちりした絵にはなりにくいようです(ちなみに工学的にではなく、ソフト的に本体内でシャープネスをかけて補正したりしている場合もあるのであくまでも一般論です)
それよりも、CCDの画素数が1だったりする昆虫の複眼の場合、ある意味モザイクのように世界が写っているように予想されています。
色つきのタイルが目玉の数だけ動いているような、その上目玉が半球状に展開しているので平らな画像ではなく空間として捉えているので想像のつかない物が見えているのかもしれません。しかし、逆にそういう状態なので、完全に静止している物は見えていないようで それに関しては決して良い精度だとはいえない状態らしいと想像されているそうです。
 
コダックから二つのCCDを搭載したカメラが発売されています。
ずいぶん前ですが(って感覚がおかしくなっていますよね 半年経ってないのに・・・)、ここでも書いたことがあります。
広角を支えるパンフォーカスの目玉が一つ、棒縁側を担当するズーム付きの目玉が一つと二つのCCDを搭載することによってレンズの駆動距離による厚みの増大や 多焦点レンズの 画像のゆがみや明るさの低下を抑える仕組みとしては画期的なチャレンジの一つかと思います。
結構話題もさらっていますので、これはこれで面白いなと思って取り上げたわけなのですが、調べてみると完全な民生という形でなければCCDを複数搭載したカメラは元々有ったようで(といっても 3CCDなどのように色毎のCCDがあるというのではなく フルカラーのCCDが複数という意味です)これは二つの目玉による立体視の為のカメラでした。
 
勿論目的が違うのですが、だからといって出来ないというわけでは有りません。
双方のCCDの切り出す場所を変えれば、レンズ自身が近すぎて立体の効果が出るのはマクロ単位の距離だとしても3Dでの被写体の撮影が可能になります。
画像処理の技術があれば、複数の画像から距離を測定したり、ずれや高さを測定することも出来ます。
レンズが近いからだめなので、人の目の感覚ぐらい開けば、その上広角のレンズを入れれば十分にものの認識ができて、そう二個だけじゃなくて球形のカメラに8個の広角レンズを設置すれば全球カメラが出来るはずです。
もちろん、Bluetoothの技術と充電電池の技術があれば、転がる全球無線カメラも出来ます。
その中に錘を入れて、その錘の動きをモーターでコントロールして 球形のカメラが走ってゆくとそこから配信されてくる画像は、それは それは恐ろしい迫力のある画面に成るでしょう。
CCDの価格が低下したからこそ、そして無線装置や充電池が簡単にカメラに搭載できる時代が来たからこそ可能な機器です。
部屋を転がるボールはPCからの操作で、そのカメラからの映像を伝え、地軸の向きさえ見失わなければ PCの画面上は回転していない 進行方向に固定されているかのごとくカメラからの映像を写すこともできるでしょう。
ヘッドアップディスプレイにモーションコントロール機能を付ければ、振り返ろうが上を見ようが下を見ようが 人はその球体に成ったかのごとき死角の無い映像を得ることが出来ます。
 
収拾が付かないぐらいに脱線した・・・・
ともあれ、複数個のセンサーを組み合わせる技術には色々な意味で多くのメリットがあります。
同じCCDセンサーでも複数置く事で広角域を広げたり、広角を360度まで広げることも簡単に実現できます。
高速の物体を捕らえるために、複数のCCDで得た情報を統合して、実像を結ばせる方法もあります。
パンフォーカスで焦点距離の違うレンズを並べれば高速でもある程度の認識が可能な技術ではないかと思います。
今回のコダックのカメラへの採用は、採用したデバイスが商的に成り立つと言う事さえ証明してくれれば、今後複数個の目玉を持つカメラも違和感無く市場は受け入れるようになるかもしれません。
そのうち、トンボの目玉のように数え切れないぐらいのCCDは各個に周波数域が違ったり、レンズが違ったり、特性を生かして人の目では見えていない物も含めて目で見えるようになったりすると・・・・情報過多で倒れるかな?