後戻りできない・・・・

Palmの不遇は、正しいパートナーが得られなかったこと。
多くのユーザーを持ち、そのインターフェースでは離れられない人気を持つPalmバイス
以外に不遇なのはマーケットのせいだけなのでしょうか?
(くれぐれも、この後の話は適当な思い込みなので本気にしないでくださいね・・・)
 
Palmの特長は何よりもその速度。同じCPUを使っていても数倍に感じさせる速度と軽快さなんて思っているのは私だけかもしれません。
しかし、実際ボタンを押してから予定表が立ち上がるまでの速度はタイムラグを感じさせないほど。
とくに、現行の300MクラスのPalmではボタンを押した瞬間に変わります。
WMデバイスは十分に高速であると思いますし、ハイレゾが出た頃のPalmと比べても実はそん色ないレベルであるとは思うのですが、それ以降のぱlmを使った人にはもどかしく感じさせることもあるでしょう。
勿論、Palmの魅力はそれだけではなく、洗練された筐体(たまに鬼っこらしきのもいますが)や、消費電力の少なさがそのバッテリー寿命を延ばすのか長い駆動時間もポイントです。
そして、利点でもあり最大の弱点であるのがシングルタスクOSであることでしょう。
DAアプリケーションや、通信機能などの例外はありますが基本的に同時に複数のプログラムは起動しない仕組みになっています。
故に、通信機能などに障害を含んでいたり、機種別の方言が存在したりするわけなのですが・・・
もちろん、インターフェースなどに関しても 本体に標準で搭載していない物に関しては整合性がうまく取れないデバイスもいたりして・・・、Wifiアダプターなどはシリアル接続で本体と繋がっていたという冗談のような話があるぐらいですから。
それは、戦略や将来性の分析なのでメーカー次第。Bluetoothの搭載がいち早く行われていたことなどは現在の状況の良し悪しはともかくとして好ましいことです。
ただし、CPUは多くはARM系のものでPDAに利用される多くがIntel Xscaleに傾倒してきたあたりでマルチタスクへの動きが加速してきました。
 
例えば、ビデオレコーダー等で早送りから再生に切り替わるとき、メカ的にピンチローラーを離してテープのテンションを下げてからモーターを加速し始めます。
故にソレノイドがローラーを動かす間の溜があり、その間はどんな操作も効かなくなってもそれだけのことです。
ところが、HDDプレーヤーとなるとHDD再生時に裏番組を予約したり 複数の番組を同時に録画できる物まであります。
こういった機器にも入っているのがARM系のCPUです。そして、件のXscaleはここにもいるのです。
例えばNASと呼ばれるネットワークHDDはLinux等のOSが動作しており、WEBのコントロール画面を表示して、設定しながらネットワークHDDとしても動作します。
時代の多くはマルチタスクを要求することが増えてきたのです。
でも、実は必然ではないのです。
マルチタスクを実行したければCPUを複数個持てばいいのです。
3つの仕事を同時にこなすのならばCPUは3つあれば各個が安心して仕事が出来るのです。お互いを邪魔することも無いので負荷の計算は一つの仕事に対してのみ行えば良いので楽になります。
それでも、一つのCPUに多くの仕事をさせることはハードウエアーの開発より書き換えられるソフトウエアーの開発の方が楽なこと、操作が高度で操作自身が複数のタスクを持つようになったこと、そして、CPUの速度が高速化し複数のタスクを実行してもリソースに余裕が出てきたことが上げられるでしょう。
ソフトの開発で済むということは開発コストが下がるということで、尚且つ安いCPU3個分の回路よりも2/3倍で済むなら高いCPUでもトータルのコストが下がるわけです。
故に、時代は高性能なCPUにシフトしてゆくわけです。
高性能なCPUにはOSが用意されていて、基本的な操作はOS上のファンクションの呼び出しだけで済みますので基礎部分からの開発が必要なかったり という二次的なコスト削減もどんどん大きくなりました。
そして、そういった制御機の増加は 衰退を始めたはずのPDAの市場にも新しいCPUを登場させてくれました。
Intel Xscaleだけでも PXA250系、255系、260系、270系と進歩して行きます。
搭載するROMの容量の変化、速度の向上、外部に接続される機器のサポート、バス幅の拡張と高速化、省電力化と正常な進歩が続きます。
ところが、既に250系で十分だったのがPalmなのです。
もちろん、多くの部分で付加出来るべき要素があるのですが、Palm系のデバイスで最も高速だとされるのがTungsten CはPXA250の400MHzだったのです。
 
PCはi386からi486にCPUが変化する頃に、DOSからWindowsの移行が起こります。
i486で実行するDOSは高速で、多くのアプリケーションはEnterキーを叩いた瞬間に回答が帰ってきました。
当時実行したWindowsのように漢字表示をしたときに候補が並ぶまでに一息の溜などありませんでした。
それでも、多くのアプリケーションはWindowsに移行して行きます。
アプリケーション間のデータの交換が、同時に複数のアプリケーションが動作することに目を取られたのか、新しい物好きだったのか、対応するアプリケーションがWindowsになっていったからなのか Windowsにあっという間に環境を変えてしまいました。
まあ、当時のことで言えば日本語かが殆ど進んでいない現在のPCと同じ仕様(といってもベースがでCPUもメモリーも全てが違いますよ)のIBM互換機で動作する日本語アプリケーションは殆どなく(NEC PC98用アプリケーションばかり)Windows上ではアプリケーションが共有できたことは大きなポイントだったかもしれません。
ただ、今になって思い起こせば速度は既に足りていたのです。
今でこそ見なくなりましたが、アメリカでPentium時代に386PCを沢山見ましたが DOSで動いている限りそう不自由しない物なのでした。
つまり、速度の向上はマルチタスクの為に使われていったようなものだったのです。(技術計算とかは別にしてね)
 
Palmもすでに、4世代前と言っていいのでしょうかPXA250で速度は十分すぎるという話が出るほど十分だったのです。
その後のPalmの歴史を見てもらえば判るとおり、Clieでは最後まで最速のCPUで200Mhz、最終形といわれるものは130MHzほどの物でした。
現行PalmもCPUこそ新しい世代になったものの、WM系のように624Mhzというようなデバイスは一つも出ずに、300Mhz程度のデバイスだけです。
それが、良い悪いではなく その進化の方向がPalmデバイスの拡張のための方向に進んでいなかったように写ります。
WM系は、CPUの変更に応じて色々なデバイスが発売されます。
現在も、300Mhzから624Mhzまでさまざまな用途に合わせたラインナップが存在します。(もっとも、624Mhzは必要ないと思うんだけど・・・・)
バイスの追加や強化命令など、多くの恩恵を預かってきました。特にタスクの切り替えのレジスタの退避などは高速になりました。
 
もちろん、ハードの性能がデバイスの良し悪しを決めるわけではありません。
現にPalmには多くのユーザーと愛してくれる人たちがいます。私も愛してやまないデバイスです。
しかし、パートナーは大切です。Palmデバイスの先を見越して ハード的にも拡張されてゆく仕組みが無いことには 形やOSの変更だけになってしまいます。
現在、TIのデバイスに積極的にアプローチしているようですが出来たら Palmならではの拡張がなされてゆくことを将来の為に希望するのですが・・・