故障の分岐点

PCが動かないというのはよくある話で、掲示板や質問コーナーはいつもそんな話題でいっぱいです。
当たり前といえば当たり前で、ハードウエアーも既に進化しすぎてブラックボックス化し、その上OSまでも複雑になりブラックボックス化して よっぽどの専門職でなければ事象から障害内容を探るのが難しくなっています。
ましてや複数のベンダーがあるガイドラインの元に共通の仕様で作成したものですが、その組み合わせのすべてを検証したわけではないので、当然組み合わせによって問題が起きる。
潜在的にOSが持っているBugもあり、ハードウエアーの持っている信号を拾い切れない等の問題で発生する障害も含めれば なにかあったとしても原因などは知る由もない。
ただ、発生した事象から問題の出た部分を特定して、その障害の原因となったものを取り除いてしまうという対処療法が有効になります。
それでも、使い続けているうちに溜まってゆく不要であったり有用であったとしても蓄積されるデータが障害の原因となると同じ環境でも問題が再現できないなどということもあります。
基本的に多くのメーカーの復旧作業は、コンピューターを購入した時の状態に戻してそのままお客に返すという形での対応になります。
 
それでも、ずいぶん進歩したのは コンピューターの障害を一概にメーカーに押しつけることはなく コンピューターの病院とか110番と言われるサービスが多く存在して、そういったところが障害解決を有料で行っており 結構そういったところがそのサービスだけで食べて行けるという所にこの業界の成熟を見ており、今までの家電のように動かなくなったらメーカーが悪いというクレームがこういった所に行っているという点で成熟度合いが測れます。
その余波というか、その流れがSmartPhoneにも来ているのか リセットや初期化の仕方等が必ず必要な情報の中に書き込まれるようになっています。
考えようによっては動かなくなったら初期化して新しい環境を作成しなさいとはかなり乱暴な話です。
 
当初最も心配されたのが、動かなくなったときにどうするのか?なのですが 実は初期化すれば電話もExcelもとりあえず使えるようになることから思った以上に障害が発生していないような気がします。
それよりもWindowsが動くといった宣伝のせいで PCのアプリケーションが動かないといった話の方が初心者コーナーではよく目にします。
「何ができるのか?」という最も答えにくい抽象的な質問が 毎度やり取りされています。
 
携帯電話機も、最近では一月に一度ぐらいはファームウエアーの書き換えなどの話が出ます。
最近ではSonyの携帯電話や、私の持っているEM ONEもその例にもれずアップデートが最近あったのですが 喜んで適用したらカメラが使えなくなるというおまけが付いてきました。
まあ、使わないのでよいといえばそうなのですが・・・・・
 
では、商品の品質が落ちたのか?
それはそう言えなくもない部分もあります。
全ての携帯電話のキャリアは過去最大の新機種発表を最近は繰り返しています。
たとえカラーバリエーションや、パッケージの違い、ユニットのあるなしで水増ししているとはいえ 同じメーカーから数機種も同時に提供したりしなければ数が揃わないほどのラインナップです。
すこし、行き過ぎ感があるのと それに追従できないメーカーが出てきたことからも短すぎる開発期間や、つけれる機能を全て盛り込まなければ初品にならないという難しい状況がそうさせるのでしょう。
ワンセグ等が良い例で、使わない人の機種にもついている訳です。
それだけの数を出して、販売数が変わらなければ当然1機種当たりの開発期間が短くなり、それだけ手間もかけられなくなった。
販売数量が変わらなければ、当然ロットが小さくなり開発費は圧縮されてしまいますので。
その状況で発生する問題点を果たして故障と呼ぶのでしょか?
 
私のEM ONEは前述のファームウエアーの更新で不具合を発生させています。
私は使わないので・・・なんて書きましたがみんながそうなわけではありません。
通常、たとえばビデオデッキで一つのチャンネルだけ写らないとか、音が出ないなどというと重大な障害となります。
例えばビデオチャットを必要とする人にとっては 非常に深刻な問題です。
それでも、現在障害が発生して尚 対応がされていません。
正確には対応に対するアナウンスが出ていません。
とりあえず「今頑張っています」という意味のことが書かれているだけです。
〜月〜日に復旧しますというような具体的な日付がどこにも書かれていません。
誤解をうむと何なので書いておくと、決して私はその対応に満足をしているわけではありませんがしょうがない部分として受け入れてはいます。責めるつもりは少ししかありません。(笑)
ただ、これぐらい複雑になると初期化された状況では問題がなくても、特定のアプリケーションを入れた状態で発生する問題があるわけです。
それがたまたま、メーカーの提供する環境だったりして問題が大きくなるわけです。
開発している人に取っては恐ろしい話です。
 
故障なのかそれとも使い方なのか?
例えば、EM ONEでのSlingPlayer Mobileの問題点は、基本的にありえないはずの画面解像度を持った機種が出てきたために起きた問題か、ビデオアクセラレーターの搭載によって発生した問題だと思われます。
どちらにしても、今後開発されるアプリケーションも含めてすべての予想は不可能なのです。ましてや、この鬼っ子な解像度は この機種のために特別に用意されたものだからアプリケーションを作った側も想像できなかったでしょう。
座標を保持するパラメーターがありえない数字を出してしまうので、縦と横が狂っていると判断したのではないかと考える訳なのですが・・・・
 
組み合わせでしか発生しない問題点は、故障なのか?と言うとそうでは無い。
例えば日本語入力のルーチンは携帯電話毎に開発しているわけでは無く、たとえばWnnだとかAtok等から供給を受けている訳です。
そのアプリケーションが例えばアップデートした時に必ずしも同じ挙動をするかどうかわからない部分もありそれは相互間で発生します。
場当たり的にテストを行い、潰せるだけの障害を潰してそれで 完成となるだけのことで試していないところに問題が隠れているかもしれません。
では、携帯電話で起こった問題も故障ですか?
でも、実際に発生している故障もあります。
例えば電池が膨れてそれにより、電源部分の接点の接触が悪くなり 本体を揺らしたときに知らない間にリセットがかかっているような状況。
私のEM ONEも標準の裏蓋の爪が削れていたようで、画面の修理に入った時に好意で直していただいて、ハードの問題だと気がついたように切り分けが十分にできないこともあります。少なくともこれは故障です。
 
クレーマーも困りますが、泣き寝入りをしてしまう人も困りもの。
その障害が次世代まで引き継がれるかと思うと、そちらも問題があります。
結局使う側が、知識を持って障害に当たるのが良いのでしょうが、少しは人より詳しいと思っていた私も前述の体たらく・・・・
複雑な機器には複雑な問題を内包する。
では、どこが終着点かというと、それが問題になるわけなのですが・・・・