ハムカツ

ハムカツってご存知ですか?
私の子供のころの少しだけのごちそうだったのですが・・・・
 
あまり裕福だとは言えない家に生まれて、周りの環境も完全な下町だったので 今言うところの下町グルメは私のころのご馳走だったという訳なのですが それをああテレビなどで扱われるとちょっと違和感があるわけなのですが・・・
違和感といっても悪いとかそういう訳ではないので 
で、ハムカツなのですが、言葉通りには取らないでください。
世間でいうところのハムカツとは少し違う下町のハムカツだからです。
いまよくあるのは「ハムステーキ」などがあって、それをそのまま衣を付けて上げたものですが
私のご近所の者は「ハム」ですら実は無かったのです。
私としてはというか家族中でも私が中学のころまで誰も知らなかったわけですが ハムとソーセージの違い。
うちの家ではハムというのはソーセージの薄切りで、今言うところハムというのは「ロースハム」という商品だったわけです。
 
ではソーセージとしてなのですが ハムのサイズですから食パンの四角いところに四辺に接するような円形若しくは 長方形で事によっては扇型に曲がっていることもありました。
何故か、まあ小さいソーセージがそうだからでしょうが 周囲の皮となる部分が赤いのが特徴でした。
素材は 一応肉らしきもので まあメーカーや種類によっては 魚やクジラ、豚、鶏と適当なものが混ぜられていたようです。
適当なというとことばが悪いようですが、メーカーによっては毎度毎度味が違ったりするわけですし、今ほど食品の素材表記にうるさくなかったこともありますしなにより販売方法がパックに入っていなくて 肉屋さんで肉を買う時と同様にガラスケースの中のソーセージをグラムで指定すると三つ折りに包む紙に包んでくれる訳ですから素材表記などあるわけがないのです。
今でも小さいものはそうですが真っ赤な皮はどう考えても自然の色ではなく よくあんな色のものをおいしく見たなと自分のことながら驚きです。
で、そのハム(ソーセージ)を0.5mm=1mmぐらいのスライスにし、それに衣を付けて揚げたたものがハムカツでした。
当時は浴サンドイッチに挟まれていたりした訳ですが。
実際のハムをそんなに薄くして 衣を付けても実は食べ物にならないのでソーセージでしか成立しない訳です。
 
では、なぜ今なくなったかというと
そのサイズのソーセージがなくなったことと、あったとしても今のソーセージは昔のものより美味しいのでハムカツになりにくいということがあります。
美味しさなのですが、日本人の平均では肉の場合「サシ」の入ったものを好むようで いわゆる油の部分を美味しいと感じることが多いようで 昔に比べて脂分が多めに含まれているようです。
で、そのソーセージを本当に薄く切って衣を付けて油の中にダイブさせると・・・・
油はかなりの高温なので出来上がったものは実はスポンジのように穴だらけのソーセージ揚げになります。
で、その穴のあいた所に 揚げ物の油がたまって鈍重な味になってしまいます。
対しておいしいものではないという訳です。
ほかにも昔のソーセージに比べて今のソーセージには食感が少なくなっています。
子供のころは 本当に安いソーセージばかりなので 所々かなり固い食感があったのです。
素材がもったいないので 軟骨の部分なども一緒に混ぜ込んであるので ひどい時には一円玉大の軟骨が出てきて 何かの拍子に取れるとソーセージに大きな穴が簿っこりできてしまいます。
もちろん、ミンチミキサーを通ってくるのでそこまで大きなものはまれな訳ですが。
いまはもちろん、そんなものは混ぜないでしょうね(笑)
 
カレー屋さんで今日はハムカツカレーという珍しいものがあったのでそれを頼みました。
どう考えてもカレーについてくるぐらいだから 薄いハムカツだろうねと考えて 懐かしぶりと
出てきたのはえっこう厚めですがちゃんとソーセージでした。
それに衣を付けて揚げてあるのですが 前述通りの結果に。
かなり油っぽい揚げ物となっていました。
スポンジのような食感は かみしめると中から油が。
子供のころは実はどうだったんでしょうね?
そのころはおいしかったと思っていても 今食べるとげんなりかもしれません。
子供のころソースがたっぷりかかったハムカツはご馳走だったんですけどね・・・